何を一番見せたいのかがわからない
さらに三十分観る。「なんでそのキノコだけ種類が違うの?」まで。あぁ……うん……その……深夜の低予算ドラマとかでやれよ……という大変凡庸な感想に落ち着く。下ネタと不要な恋愛要素を削れば、まぁシン・ゴジラの足元にも及ばないにせよここまで悪評が立つことはなかっただろう。どう考えてもTPOをわきまえてない。「まじめにやれ」という感想が主流だが、俺はむしろ「ふざけるなら最初から徹底的にふざけろ」と言いたい。半端に現実の理屈を出すな。カッコイイ明朝体テロップも出すな。リアリティレベルをもっと下げろ。つまり下ネタを視聴者に受け入れさせるセットアップが出来ていない。もう前宣伝の段階でコミカルなBGMを流して終始無茶苦茶なシーンばかり出しておけば「そういう話なんだな」と客も理解できて、そういうのが好きな客も見に行くだろう。でもお前はシン・ゴジラフォロワーじゃろがい。つまりメインターゲットはシン・ゴジラ視聴者だったはずである。ゴジラを見に行く人が何を求めて映画を見に行くのかを軽視しすぎている。「まじめにやれ」はそれはそれでまったくもって正解である。だが俺はこの映画に執拗な下ネタを入れることを決めた人間を笑わない。アフターシンゴジの世界でのSFと政治ドラマをやりつつ下ネタを盛り込むというのは、まぁ今までに
時間切れ。
(無かった組み合わせなのは確かだ。今まで誰もやらなかったことを本気でやろうとしたことだけは伝わる。その心意気は買う。ただ致命的に空気は読めてなかったが)