【3R推進月間に考える。プラスチックと生理用品】
「知っている」と「理解している」の差が、環境問題へ
毎年10月は「3R推進月間」。
3R推進月間とは、「リデュース・リユース・リサイクル推進月間」の略称で、国民や事業者に向けて3R推進に対する理解と協力を求めるための普及啓発活動のことです。
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3R(スリーアール)とは・・
環境と経済が両立した社会を形成していくための3つの取り組みの頭文字をとったもの。
■Reduce(リデュース)
廃棄物の発生抑制 <物を大切に使おう。ごみを減らそう。>
■Reuse(リユース)
製品・部品の再使用 <繰り返し使おう。>
■Recycle(リサイクル)
再生資源の利用 <再び資源として利用しよう。>
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2016年度に3R推進団体連絡会が15歳~69歳の男女3,000名を対象に行った調査「環境問題に関する意識・関連する言葉の認知状況」によると、「3R」の言葉の認知度は全体で52%でした。また、一番耳馴染みがあるであろう「リサイクル」の認知度は94%と、極めて高い結果が出ています。
しかしその一方で、分別方法の認知状況は「きちんと理解している」が53%。
「リサイクル」という言葉は知っているけれど、実際には正しい分別ができていない人が多いことがわかります。
環境問題は一人ひとりが現状を理解し、未来に向けて意識的にアクションを起こしていくことがとても重要です。
プラスチックが及ぼす、環境汚染
最近では、エコバックを持つ方もかなり増えてきましたが、廃棄物の中でも特に問題視されているゴミが「プラスチック」。プラスチックは、加工しやすく比較的安いため、大量生産が可能であり、家具や家電、日用品など様々なところで利用されています。
しかしご存じの通り、近年では不適切な処理から海洋へ流出したとされるプラスチックごみが生態系や海洋環境へ影響を及ぼすことが懸念されています。
環境が、生態系が、と大きな規模の話を聞くと、あまりにも壮大で自分とは関係のないものと考えてしまいがちですが、あなたは決して無関係ではなく、未来に何かしらの影響を及ぼす存在です。
たとえば、生理中に使用する使い捨て紙ナプキン。
紙ナプキンの大半はプラスチック素材を使用していることをご存じですか?
ものによっては素材の90%にプラスチック混合物が使われており、紙ナプキン1枚でレジ袋4枚分に相当する量。
平均的な出血量の女性が、生涯で使うナプキンはおよそ1万2000枚といわれているので、人によっては、使い捨て紙ナプキンを使うことにより生涯で4万8000枚相当のレジ袋を消費していることになります。
地球上にいる35億の女性たちがそれだけのプラスチックを消費していたら、その負荷は絶大なもの。
実は、海へ捨てられるプラスチックの第5位が「生理用品」。
多くの生理用品はリサイクルされることなく捨てられ、一部は海に投棄されるという事実があります。
それでも、私たちにはできることがある
プラスチックが及ぼす影響を知ると、「環境汚染」についてなんとなく他人事だったはずが、ど真ん中に立つ当事者であることを実感するのではないでしょうか。
ほどんどの女性が毎月使う生理用品。
どうしようもないとあきらめるか、新たなサニタリーライフを模索するか。
地球の明日はあなたのその選択にかかっているかもしれません。
選択肢として、繰り返し使える、洗える吸水ショーツのようなフェムテックアイテムを利用するのもひとつの手。
繰り返し使えるから、リユースに。
プラスチック不使用の環境にやさしいアイテムを使用することで、地球への負荷はぐんと小さくなります。
やさしい選択肢が増えることで未来は少しずつ変えることができます。
あなたが、家族が、友人が。
そうやって少しずつ環境に対しての意識の輪を広げ、みんなが地球を思いやることで、3Rが当たり前の文化として根付いていくかもしれない。
そんな世界には、今まで以上に美しい景色が広がっているはずです。
私だから、私たちだからできることが、きっとある。
この3R推進月間が、やさしい選択肢について考える機会になりますように。