3月8日は「国際女性デー」。女性の未来に目を向けよう。
3月8日国際女性デーとは?
毎年、3月8日は「国際女性デー」。英語では「International Women’s Day」と言います。
女性の経済的、政治的、そして社会的地位におけるジェンダー平等を尊重する日として1975年に国連によって制定されました。
今年は「持続可能な明日に向けて、ジェンダー平等をいま」がテーマに。これは、より持続可能な未来を築くため、気候変動への適応・緩和・対応策を主導している世界中の女性と女児の貢献を認識し評価するものです。
国際女性デーのテーマは、毎年春に開催される国連会議、女性の地位委員会の主要議題にあわせて設定されています。
記念日に選ばれた3月8日は、1908年にアメリカのニューヨークで、女性労働者が賃上げや労働時間の短縮、労働条件の改善や選挙権獲得を求めてデモを起こした日。
アメリカで始まったこの動きは、世界中に急速に広まり、1910年にはコペンハーゲンで行われた国際社会主義会議でも、このデモ受けて「女性の政治的自由と平等のために戦う」記念日が提唱されるなど、国際女性デーの制定に向けた動きは20世紀初頭から始まっていました。
国際女性デーは、一部の国で公式な祝日とされており、アフガニスタンやカンボジア、ブルキナファソなど、その数、実に20カ国以上。
さらに、女性へギフトを贈ったり、女性を中心としたより良い社会を作っていこうとする活動やイベントを実施したりなど、国際女性デーの過ごし方はその国によって様々です。
各国の国際女性デーの過ごし方
女性の社会参画を願う日として国連が定めた「国際女性デー」は、イタリアでは「ミモザの日」とも呼ばれています。
なぜ「ミモザの日」かというと、国際女性デーにあたる2〜3月はイタリアでミモザの花が咲き始める時期だからです。ミモザとは、黄色くて小ぶりな、ふわふわとした印象の花。黄色は春を象徴する色と言われており、厳しい寒さの冬を終え、暖かな春が来たことを告げる “幸せの象徴” とされています。
イタリアでは3月8日に、「感謝」という花言葉を持つミモザを、男性が女性に贈り、日頃の感謝や尊敬の気持ちを伝えます。また女性の強さや団結のシンボルであるミモザの花束を女性同士でお互いに贈り合ったりもします。
こうした「ミモザの日」は、世界各地に広がりを見せており、ミモザの色である黄色は国際女性デーのシンボルカラーとしても認知されるようになりました。
アメリカの国際女性デーは、公式な祝日ではありませんが、3月は歴史上の事柄や現代社会における女性の貢献にフォーカスし、称える「女性史月間」となっています。3月8日にはアメリカ国内の各都市で、女性のリーダーシップに関連したトピックを用いた協議が開かれたり、ビジネスイベントなども開催されます。
日本国内でも3月8日にさまざまなイベントや企画が行われるようになりましたが、世界的に見ると日本の国際女性デーへの認知度は、決して高くはありません。
男女の違いにより生じる格差を数値化したジェンダーギャップ指数という点においては、世界と比べて日本はどういう状況なのでしょうか?
世界から見る日本のジェンダーギャップ指数
2021年3月に世界経済フォーラムが「The Global Gender Gap Report 2021」を公表。
各国における男女格差を測るジェンダーギャップ指数を発表しました。この指数は、「経済」「政治」「教育」「健康」の4つの分野にわけてランク付けしたもの。それぞれのスコアの平均値を総合スコアとして各国のランキングが作成されます。
0が完全不平等、1が完全平等となっており、スコアが1に近い国ほど男女が平等であることを示します。
2021年の日本の総合スコアは0.656、順位は156か国中120位。(前回は153か国中121位)このスコアは先進国の中で最低レベルであり、アジア諸国の中では韓国や中国、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国より低い結果となっています。
日本は特に「経済」と「政治」のスコアが低く、「経済」のスコアが0.604(117位)、「政治」のスコアが0.061(147位)となっています。
政治分野においては、女性の政治参加割合が低く、女性国会議員の割合は9.9%、女性
大臣の割合は10%。さらに女性国家元首の在位期間に至っては過去50年間0という状況です。
経済分野についても、女性管理職の割合の低さのほか、女性の72%が労働力になっている一方で、パートタイムの職に就いている女性が男性のほぼ2倍であること、女性の平均所得の低さなどが指摘されています。
これは、各国がジェンダー平等に向けた努力を加速している中で、日本が遅れを取っているということ。
近年少しずつ女性の社会進出が進み、社会で活躍する女性も増えてきていますが、世界規模で見ると、まだまだ男女格差を埋める余地は大いにあることが伺えます。
先人たちが女性の自由と平等を求め戦ってきた歴史を受け継ぎ、日本でも「国際女性デー」の動きが広まっていけば、男女格差をはじめ、女性の暮らしやすさや働きやすさについて考えるきっかけや気づきになっていくはずです。
「男でも、首相になれるの?」16年間女性が首相を務めたドイツでは、こんな質問が子どもたちから出るそうです。女性の政治参加割合が少ない日本では考えられないような話ですが、女性と男性がお互いに意識を高め、支え合う環境を作っていけば日本にもそんな未来がやってくるかもしれません。
個人も企業も社会全体として国際女性デーを知り、ジェンダー平等について理解を深めていくことで、女性の強さや能力を信じ、もっと活躍できる未来につながっていきますように。