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#14_【ガイド研修】朝鮮通信使歴史館

昨年対馬博物館が開館し、対馬観光に新たな流れが生まれました。

博物館で対馬の概略を知り、興味が湧いたものを現地に見に行くという「島まるごと博物館」的なコンセプトだったと認識していますが、いざお客様をご案内してみますと、「博物館という閉じた空間でいきなり説明をされても、頭に残りにくい」とか「対馬を上(かみ)まで縦断してから来たので、解説にリアリティを感じる」といった感想をいただくこともあります。

もちろん、博物館の方々が来館者のことを見ていないとかいうつもりは全くなく、むしろ市民に対馬の宝を知ってもらいたいと、あれこれ様々な取り組みをされていることは存じ上げておりますが、相手に印象を残す伝え方って難しいとつくづく感じます。

そして、近年では、スマホで手軽に情報収集できるようになり、お客様が持つ情報の量や質が変化していることもあり、ガイドのあり方について考える機会が増えている今日ですが、考えているだけでは見えてこないことがあるとも思うようになり、弊社が「対馬観光ガイドの会」事務局をしているということもあり、有志でガイド勉強会を行いました。

今回は、対馬博物館やふれあい処つしまから万松院に行く途中にあります「対馬朝鮮通信使歴史館」で行いました。
歴史館は、対馬博物館の分館という位置づけになります。

【対馬朝鮮通信使歴史館】

朝鮮通信使は、室町時代から江戸時代にかけて朝鮮から日本へ派遣された外交使節団ですが、朝鮮から大勢の使節団が長い道のりを移動するにあたり、双方の事情を知る対馬は、文化や習慣の違いによる摩擦が起きないよう、大きな役割を果たしてきました。
そのあたりを、対馬朝鮮通信使歴史館の解説員もされている文彰浩さんに解説いただきました。

【解説をする文さん】

日頃、ガイドが他のガイドの話を聞く機会がありませんので、それを聞くだけでも新鮮でしたが(しかも、やりにくい相手なので、話す側からはたいがい嫌がられるf^_^;))、単に知識を増やすだけでなく、参考にしている資料や誤解を生まない伝え方、資料を見るときの着眼点など、様々な意見を交わすことができ、思いのほか多くの成果が得られました。
お客様の知的好奇心を満たせるよう、今後も研鑽を積んでまいります。

【解説を真剣に聞き入るガイドさん】

「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの懸け橋~」という日本遺産があり、その構成文化財の中には朝鮮通信使と縁が深いものが含まれています。
そして、日本遺産の活用などの評価が高く、他地域のモデルとなる重点支援地域として選定されました。

対馬は交易や交流で成り立ってきた島ですし、朝鮮通信使の歴史についても、いっとき人々の記憶から忘れ去られていたところから蘇り、ユネスコ「世界の記憶」に登録されたという、波瀾万丈な軌跡をたどっています。
ぜひ対馬博物館とあわせてご訪問いただけると幸いです。

【厳原港まつりでの朝鮮通信使再現行列】


そして、対馬朝鮮通信使歴史館は、まちあるきガイドのコースに含めることも可能ですので、まちあるきガイドのご依頼をお考えでしたら、お気軽にご相談くださいo(^-^)。
※入館料は、ガイド料と別にお支払いいただくことになりますので、あらかじめご了承願います。

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