懸賞の心理分析
N社商品を購入し、
30ポイント集めるとA賞(50,000円相当)……20名
20ポイント集めるとB賞(20,000円相当)……50名
10ポイント集めるとC賞(10,000円相当)……200名
5ポイント集めるとD賞(2,000円相当)……2500名
上記のような懸賞を例にとったときに
どの賞に応募するのが一番当たりやすいか、誰しもが考えると思います
勘案すべき点は3つあり、
・賞の魅力
・ポイントを集める労力
・当選人数
ではないでしょうか
それぞれについて見ていきます
①魅力
素直に考えれば、50,000円のA賞と2000円のD賞なら、A賞の方が魅力的ですよね
ここには応募者同士の読み合いの介在する余地はなく、普通なら位の高い (当選人数の少ない、応募に労力のかかる) 賞が魅力的になるはずです
懸賞の開催者 (N社) 側は、キャンペーンにおいて商品購入を働きかける手段として、この魅力を利用しています
②労力
30ポイント集める労力は5ポイント集める労力の単純な6倍じゃないですよね
商品を買い続けることや、応募期間の制約などから、
30ポイント溜められる人は5ポイント溜められる人の1/6よりずっと少なくなります
③当選人数
応募者からすると、当選人数の多いほど当たりやすく、少ないほど当たりにくい印象を持ちます
(実際、当選確率は応募人数に依存するのでそんなことはありません)
このとき、応募人数に加えて魅力や労力を考慮する読み合いが発生します
すなわち、
「A賞は当選人数こそ少ないが、労力もかかるから、応募する人も少なくなるのではないか」
「B賞と比べてC賞は必要なポイントが半分なのに当選者が4倍だから、その分応募者も多くなるのではないか」
「D賞を欲しい人は少ないはずだから、逆に当たりやすいのではないか」
等々……
ただ、これらの要素から当選確率を明確にする指標はありません
そこで、以下のモデルを構築しました
それぞれの数値化
上記の3点を数値化するため、以下を仮定します
①魅力と価格はほぼ比例する
②労力は、必要なポイントの増加量のn乗倍に増える
③応募者は当選人数のm乗に比例して、その賞を狙い目だと認識する
ここでは仮に、
n = 1.1
m = 1.2
を置きましょう
すると、応募者の比率は
(当選人数)×(価格)^1.2÷(必要なポイント)^1.1
から計算でき、
A:B:C:D = 1:20:107:1000
つまり、当選確率は
D ≒ B > A > C
ということになります
実際は、
応募に必要な商品によってnが、当選人数の規模によってmが変動しうるので、これらは適宜計算し直したいところですが、上に示す式によって応募すべき賞が求められることがわかりました
ぜひ役立ててみてください