オランダ備忘録(9)自転車回収もあったり
オリエンテーションウィーク中には、他に自転車を借りにいったり、サークルの案内テントを回ったりもした。
オランダはなんといっても自転車で有名な国。
これは、平坦な地形のおかげでもある。
坂道がほとんどないから、自転車で走るのがとても楽。
留学生も、もれなくみんな滞在中は自転車をレンタルすることになる。
たまにいいのを買う人も。
英語圏女子のピンク色の自転車は、かごにお花が絡ませてあってラブリーだった。
自転車置き場に、たくさん大小の自転車が並んでて。
日本のよりは全体にごつい感じもした。
ずっと使われているので、擦り傷があったり凹みがあったり。
これを試し乗りして、良さそうなやつをみんなピックアップする。
私はオレンジ色のチャリをチョイス。
そして、鍵は、蛇みたいな錠をタイヤにくるくる通してロックする。
金属のチェーンに、化学繊維の生地が巻き付けてある黒いやつ。
この長いチェーンは、例えば、道端にチャリを止める時、
ガードレールに絡ませたりなどできるのだった。
日本だと高価な自転車が、ごくたまにこのタイプのチェーンを使ってるだろうか。
自転車レーンはどこも整備されてて、歩道、車道、自転車道と三つに分かれてるのだった。日本みたいに、自転車と歩行者が同じところを使ったりしない。
とにかくどこに行くのも自転車。
なので、たまに煉瓦の道を歩いていると、変な感覚になることさえあった。
道も煉瓦敷の場所が多くて、わりとガタガタ揺れる。
派手なポールが両脇に立つ幼稚園のわきをすぎ、大きな橋を越えて、またも風車を横目にみながら、街の中心部を目指す。
街の中心部は、門に囲まれていた。大学はその中に。
橋を越える時だけ、なだらかな傾斜になっている。
駅の近くも、短いトンネルのところが傾斜になっていた。
半円を描いてカーブしてのぼりくだりした感触。
雨の日もオランダ人は傘をささない。
ので、雨の日もジャケットのフードをかぶって雨粒にさらされたまま走っていた。
そしてオランダでも路上駐車してると、自転車が回収されてしまう。
スーパーの前に一時とめといただけのやつが、回収されてしまって困ったことも。
この時は、レンタル自転車さんのとこにいって、回収されちゃったというと、画面で「これかな?」と見せてくれる。
回収した自転車の写真を一枚一枚ネットで閲覧できるようになってるようだ。
それから、また新しい自転車を借りる。
追加料金は特に払わなかった気もするけど、よく覚えてない。
係は、おでこが秀でてて眼窩の引っ込んだ細みのお兄さん。金髪をクルーカットにして、ティーシャツにジーンズとかだったか。
「スーパーの前にちょっと置いといただけなのに~~」と悲嘆の声をあげると
「あはは、まあ仕方ないよね」と無邪気な笑顔。
実に肩の力の抜けているリラックスした様子に、こちらも一気に気楽になってしまった。