帰国、即パニック
トルコに8カ月留学したのち、いよいよ日本へ帰る時がやってきた。
イスタンブールで最後に観光のため7日間過ごした後は、早めに空港へ向かう。
ちなみに、イスタンブル空港はかなり大きくて、見るものがたくさんあってとても楽しい。きちんと空港に着けるかあまりに心配で、8時間も前についてしまったので、うろうろしていた。
ただ、空港内の物価は、別の国に来たみたいにめちゃくちゃ高い!!
スーツケースの中にビールを入れて帰るのが不安(割れそう)で、空港で買って手持ちで持って帰ろうと思っていたんだが…。でも仕方がない、背は腹に変えられないので購入した。私はトルコで20歳を迎えたので、どうしてもトルコビールを家族と一緒に飲んでみたかったのだ。
そんなこんなで搭乗の時間。
14時間越えのフライトの末、いよいよ日本…!
ドキドキしながら東京の地をしっかり踏みしめる…。
ちなみに、日本に着いたら日本語に感動するかと思ったが、トルコ-日本間の直行便だったため、機内には日本人が多く、ロビーで既に日本語がたくさん聞こえていて全然感動しなかった。
むしろ大谷翔平が雪肌精の広告してることを知ってなぜか感動した。当時WBCは全く見ておらず、トルコで触れられてもおらず、大谷がそこまでスターになっている事を全く知らなかったのだ。びっくりした。
あとは荷物を受け取って、ホテルで一泊して…、この時から、最初に食べる日本食を何にするか、もう妄想が止まらない。
荷物がぐるぐる回る中、自分の荷物をぼーっと待っていると、ひとつ、スーツケースがぱっくり空いた状態で出てくるものを発見。こういう時、毎回 (こういう状態で出てくる人ってまじで可哀想だな)って思ってしまう。
あれ…?? 待って……!?
(私のスーツケースだ…!)
まさか、私だとは…。
しかもこれ、トルコで買った新品のスーツケース。帰る直前に購入した。当時「6000円なんて安いですね!」とニコニコ店員に話しかけていた自分をぶん殴りたい。ラフローレン(? )のタグがついていたけど、それも普通に偽物だって気が付きなよ…。
とにかくパニック。明日は朝イチで東京-岡山の便に乗らなければいけない。この状態でスーツケースを預けられるか、インフォメーションセンターのお姉さんに聞いてみたが、「多分ダメだと思います」と言われる。
「今からでも、ベルトとか買える場所無いですかね…😭」と泣きつくものの、時刻は既に21時を回っている。「空港内の薬局なら……なんとか…あるかも…」とお姉さんの苦渋のアドバイスにすがって半泣きで薬局へ向かい、ベルトをゲットした。でも使い方分からない。
ベルトだけじゃ不安なので、空港から出て梱包用のテープも購入。ちなみに、これが日本に帰ってきてからの最初の購入品。泣けるね〜。
これらでスーツケースは何とか解決した(させた)として、やっと一息ついて晩御飯…。時刻は既に22時を回っている。慌ただしさと久しぶりの日本食で、コンビニに向かうも何を食べたいのか、正直全く分からない。
本気で分からなくて、ほぼおつまみになってしまった。久しぶりの海鮮系おにぎり、しょうゆの味…。でもなにより美味しかったのは綾鷹…!緑茶ってこんなに美味しかったんだ!?って感動した。疲れたときはカフェオレとかをよく飲んでいたが、帰国直後はずっと緑茶を飲んでいた。それほど衝撃的な美味しさだった。
ちなみにアパホテル宿泊だったのだが、なぜかグレードアップして2人部屋に泊まれるという嬉しいハプニング。そして8カ月ぶりの湯舟…!空港の外は梅雨でムシムシしていて大汗をかいていたので、本当に泣きそうなくらいうれしかった。たっぷりお湯をためた。
翌日はいよいよ実家到着!ということで、2時ごろ就寝。11時過ぎのフライトなので、7時半くらいに起きるとして…とほぼ意識をなくした状態でアラームをセット。就寝…。
………
翌朝、目を覚ました。アラームが鳴らない中、起床。気分はすっきり。
…嫌な予感がする。
ぱっと携帯を手に取って時間を確認する。
…午前3時???
なにかがおかしい。この明るさで3時は絶対にない。超スッキリしてるし。
ここで、自分が犯しているミスに気が付く。
携帯の時間を、トルコ時間から直していない…!
トルコが3時ということは、日本は現在9時…!
アラームをトルコ時間のまま設定していた。
一気に状況を理解し、顔が青ざめた。
ピンチ…!
チェックインの締め切りまで、現在1時間しか残されていない…!
ここでの犠牲は大きかった。本来なら「立つ鳥跡を濁さず」精神で綺麗にしてからホテルを出たいが、そんなこと言っていられないのでホテルをめちゃくちゃ散らかしたまま出発してしまった。ここで、大学受験からずっと寄り添ってきた腕時計を置き去って出発してしまうことになる。さよなら、腕時計…。。。
しかし、空港から近いホテルに泊まったので、このままミスをしなければ間に合うはず…!間に合うはず……!!!
そんな時に限って、人は絶対にやらかしてしまう。
反対方面の電車に乗ってしまった。
しかも、あんまり確信が持てなくて、(え、これもしかして反対かなあ…?)って思いながら3駅分くらい様子見して進んでしまった。絶望。
本当はめちゃくちゃ泣きたいが、「ここは大都会東京」という謎の田舎の自意も働いて、あたかも「ここが目的地です」みたいな顔をして反対方面の3駅目で降りる。降りた後は本来の目的地に行くホームへ半泣きでダッシュ。ただし、総重量40キロのスーツケースなので、そんなに身軽には進めず、ちょくちょくエレベーターの待ち時間などが発生してしまうのがもどかしい。
そんなこんなで、やっと空港に着いた…!間に合え、間に合え…!!!
間に合わなかった…!!!
ピンチすぎる。実家まで帰れない。母親にめちゃくちゃラインしたが、既読にならない。とりあえず、空港内の職員の人に声をかけ、当日券で飛行機を買うことに。
そのあとはなんとか、家に帰るための手筈を整えた。実家まで帰る次の便はかなり遅い時間帯であること、一人暮らしをしているアパート(大学方面)は13時頃出発の便があること、25歳以下の人が当日チケットを買うと安くなるシステムがあること…。いろいろ教えていただき、大学方面に安めの当日券を買って帰れることになった。
母親のラインはまだ既読にならないので、思い切って電話をかけると「日本へおかえり~♪♪ いつこっちに着くの~?🎶」と何にも知らない様子だったので、申し訳なさ満載で事情を全て説明する。
すると、母親が「大学方面まで迎えに行こうか?」と予想外に言ってくれた。実は、実家と大学方面の空港はそれほど離れておらず、片道2時間の距離である。
母親と、急遽姉も大学方面の空港まで迎えに来てくれることとなった。これはこれで嬉しい。一人暮らしのアパートに、トルコで買ったものをすぐ飾ることができるからだ。
そして、なんとか当日中に大学方面へと帰ることができた!よかったー!
本当に帰国してからトラブル続きでドキドキしっぱなしだった。というか、実は留学中にはロスバゲや乗り継ぎミスなど、あらゆる飛行機トラブルが起きていた。が、今振り返ると全部面白くて全部いい思い出。
一旦トルコ記はこれで終わりにしようかなー。約2年間も書いてきた。現在もトルコに帰ってきてから1年過ぎたけど、楽しいこと、エキサイティングなことがたくさん待っていた。今度から、少しずつそちらの方も書いていこうかな。読んでくださった方、ありがとうございました!
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