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ガブリエル・シャネル展
9月25日をもって会期を終えたガブリエル・シャネル展。滑り込むように23日に行ってまいりましたので、新鮮な思いを記しておきます。
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日本では32年ぶり、
20世紀で最も影響力のある女性デザイナー
“ガブリエル・シャネル(1883~1971)”の回顧展が三菱一号館美術館に。
ガブリエル・シャネル(1883~1971)は、「20世紀で最も影響力の大きい女性デザイナー」といわれます。 シャネルのシンプルかつ洗練された服は着る人に実用性と快適さを与えながら、1920年代の活動的な新しい女性像の流行を先導しました。戦後に流行したシャネルのスーツを着こなすことで、彼女自身がファッション・アイコンとして、そのスタイルを象徴しています。本展は、ガリエラ宮パリ市立モード美術館で開催されたGabrielle Chanel. Manifeste de mode展を日本向けに再構成する国際巡回展です。ガブリエル・シャネルの仕事に焦点を当てる回顧展を日本で開催するのは32年ぶりのことです。 シャネルのスーツ、リトル・ブラック・ドレスを代表に、どれも特徴的な服はシャネルのファッションに対する哲学を体現しています。さらにコスチューム・ジュエリーやシャネル N°5の香水といった展示に当時の記録映像が加わることで引き立てられ、鑑賞者をシャネルのクリエイションの魅力へと誘います。
今も愛されるハイブランドであるシャネル。その長い歴史とこだわりにはやはり興味が湧きました。
そして何より開催場所は三菱一号館美術館!ここ本当に素敵な空間なんです。
私は勤務先が近く昼休みや退勤後にたまに寄ることがあるのですが、疲れていても「まぁいっか」と思わせてくれる素敵な場所です。(じつはnoteのヘッダーも三菱一号館美術館の広場の写真)
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建物の中に足を踏み入れたことは無かったので、それも含めてとても楽しみでした。
この日は会期終了間近の三連休初日ということもありとても混雑していましたね。当日券販売待ちの列は80分待ち予想(実際は120分並びました笑)。
それでも土地柄か展覧会の内容からなのか、列に並ぶ人たちに素敵な装いをしている方が多く見ていて心躍りました。途中雨もぱらつきましたが、差している傘も素敵なものが多かったです。
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結果、思わず展覧会図録を購入して帰ってくるほど満足でした。
印象的だったのが、ガブリエル・シャネルが特に大切にしていたのが「実用性と快適さ」だということ。美しさが第一に考えられているようなイメージをしていたので意表を突かれました。
展示されていた衣服の中で特にそのこだわりを感じたのがスーツです。
あえて裏地をつけなかったり、ウエストで締めることはせず腰骨にストンと落とし、やや後ろが下がることを想定してシルエットが計算されていたり。それまで女性の服にはあまり無かったポケットがたくさん付いていたり。
パタンナーの方ってすごいなと改めて思います。
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もう一つ印象的だったのは、最初の展示も最後の展示もベージュの衣服であったこと。リラックスして着られることを考えた作品であるというのに通ずるものを感じました。
それでも私が最も目を奪われたのは、ブラックドレス。
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見た瞬間に「はぁ…」と、まさに美しすぎて思わずため息が出ました。
展示でも特徴として紹介されていましたが、基本的には単色の服が多いのです。それでもなぜここまで美しいと感じるのか。
カッティングや織り、素材が本当に素晴らしいんです。
私は素人なので詳しいことは分かりませんが、見ていて作品として本当に美しく、そして着姿も美しく心地よいものなのだろうと思いました。
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叶わないと分かっていても、一度でいいから身に纏ってみたいと焦がれるような美しい衣服をこの目で見ることができたのは大きな体験でした。
世の中にはこれほどまでに美しい衣服があり、袖を通した女性がいるのかと思うと背筋が伸びます。
普段触れないような人の考え、作品に触れることは新たな気付きを与えてくれます。これまでの生き方や考え方を見つめ直すきっかけにもなりますね。
それが「これからはこうしよう」なのか「やっぱりこれで良かったんだな」なのかは人それぞれ。
最後に、この展覧会をきっかけにガブリエル・シャネルについて調べた際に知った彼女の言葉を紹介して終わります。
私は好きなことしかしない。
私は自分の人生を、自分が好きなことだけで切り開いてきたの。
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