モブくんが恋するのはダメですか? 13話
1
レ)その…今日は色々とあやちゃんに言いたいことがあってね
あ)…
あ)私に言いたいこと?
レ)…うん…言いたいこと
あやめはこちらに振り返る
あ)…これは〇〇の仕業?
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〇)これは俺の仕業でもあるが…厳密に言えば違う
〇)この答えは…清宮自体が導き出した答え
〇)あやめは静かに聞いてるだけでいいんだ
あ)…そうなの?
レ)うん…そうだよ
答えたのは清宮だった
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レ)私はこれからあやちゃんに色々と言う
レ)あやちゃんは何も返さなくていい
レ)私が言いたいだけだから
あ)…わかった
清宮は少し砂浜を歩き俺とあやめもそれに着いていく
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レ)さて、気を取り直して
ピタッと足を止めて話し出す
あ)まず…質問させて
レ)どうしたの?
あ)どうして…今更ながら私の目の前に現れたの?
あ)…ずっと、私の目の前から消えてたのに…
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レ)まぁ、それについてはちゃんと説明するよ
レ)じゃあ…まずは…
レ)数年前の話になるね…私があやちゃんにたくさんの悪口を言った
レ)それについて、謝りたいの
レ)友達にならなきゃ良かった
レ)…あの時私はそう言った
あ)う…うん
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レ)あれは…本心からの言葉じゃない
レ)…感情が昂って…そのせいで言ってしまった言葉なのを知って欲しい
あ)えっ…じゃあ…なんであんなことを…?
あ)そもそも私がレイを怒らせた原因って…何?
あ)私が知らない間にレイを傷つけてたなら…私は
レ)違う
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清宮は明言する
レ)違うの…あやちゃん
レ)あやちゃんが悪かったわけじゃない
レ)…それにあやちゃんは友達として…すごく優しくて…すごく良い友達だった
レ)他の子と違って…私を見てくれた…私を理解してくれた…
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あ)じゃあどうして…私から離れたの?
レ)私が、我儘だったの
あ)…我儘だった?
レ)そうなんだ…私が馬鹿だったの
レ)私にとってあやちゃんは…たった1人の親友だった
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レ)私にとってあやちゃんは全てで…私だけを見て欲しかった
清宮は告白をする
レ)だから…他の子と仲良くするあやちゃんが嫌で…嫉妬して…あんなことを言った
レ)感情に任せて…あやちゃんを傷つけてしまった
レ)その件は…本当にごめんなさい…それに謝るのが遅くなってしまったことも…
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レ)私のせいであやちゃんは友達を作らなくなったんでしょ…?
レ)…あやちゃんに永遠に残る傷をつけて…その事実を本当にごめんなさい
レ)謝って許してもらえるなんて思ってない…だから最後にね
レ)あやちゃんと友達で本当に良かった
レ)私が言いたかったのは…それだけだから…
そう言って清宮はこの場を去ろうと歩き出す
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あ)待って
レ)な、何?
あ)…本当に悪いと思ってるの?
レ)…うん…最低なことをしたと思ってる
あ)だったら…本当に悪いと思ってるなら…
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あやめは清宮の方に近づく
あ)私の友達になって…レイのせいで友達を失ったんだから…その責任を取ってよ
レ)…えっ?
あ)…また、友達になって…そうしたら許してあげる
レ)…い、いいの?
レ)私は…あやちゃんに一生残る傷をつけてしまった…それなのに
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あ)…はぁ…いいから友達になってよ…
レ)あや…ちゃん…
あ)また、1から…ね
そうして優しい笑みを浮かべる
ぽろり。と清宮の目から涙が零れそうになる
それをあやめが掬いあげて
あ)私こそ…ごめんね…
…と清宮を優しく抱きとめた
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あ)レイの気持ちをわかってあげられなくて
レ)…あやちゃん
そうしてあやめに抱き寄せられた清宮は、嗚咽を零し始めた
清宮にとって、それだけの事だったのだろう
〇)…よく頑張ったな(ボソッ)
誰の耳にも届かない小さな賛美を送る
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〇)…
2人の邪魔をしないようにそっとその場を離れ帰り道を辿る
〇)…
あの時俺にもっと勇気があれば…なんてたらればを考えながら
〇)まぁ…もうすぎたことだしな…今はもう…
後ろから走ってくる足音が聞こえる
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振り返ると
あ)はぁ…はぁ…なんで置いてくわけ?
〇)…いや、ほらいい雰囲気だったから
あ)…それでも普通…待つでしょ…
〇)…清宮は?
あ)連絡先交換して…別れた
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〇)積もる話もあるだろうに…
あ)…今度あったらするからいいよ
〇)…そっか
あ)とりあえず…ありがとう…〇〇
あ)〇〇のおかげで…レイと仲直り出来た
〇)俺は何も…あいつが頑張っただけだよ
あ)それでも…きっかけは〇〇だから
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〇)…
あ)〇〇に助けられるのは…2回目になるね…笑
〇)…2回目?
あ)覚えてないの?
〇)ちょっと待ってね…あっ!
(あの先輩の時か)
あ)多分、考えてるのと違うと思うよ
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〇)えっ…まじ?
あ)まじ…笑
〇)ちょっと待って…今、頑張って思い出す💦
あ)いいよ…無理に思い出さなくて笑
〇)あやめが図書委員を忘れた時とか…?
あ)違うし…忘れてるのは私じゃなくて〇〇でしょ
〇)…そうでした💦
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〇)ヒント!
あ)教えません
〇)なんでよ💦
あ)私だけが覚えてればいいの
〇)…なんだそれ笑
あ)…内緒♡
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「君はひとりじゃない」
「もう…俺たち友達だろ!」
あ)…やっぱり…優しいな…〇〇は(ボソッ)
〇)何?ヒント?
あ)なんでもな〜い笑
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あ)終業式の日に教えてあげるから…絶対空けといてね
〇)…?…わかったけど
あ)約束ね!
あやめはそのまま笑顔で走り去ってしまった
〇)よっぽど嬉しかったのか?
To Be Continued…?
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