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広告費はダメなプロダクトへの罰金なのか

歯に衣着せぬ発言、通称マジレスで時々炎上を起こしている田端さん。

そんな田端さんのツイートと、まさに今週話題になった2つの正反対の事象がどうも自分の中ではリンクしてしまい、少し記録しておこうと思う。

1.アサヒビール スーパードライ "生ジョッキ缶”

『缶のふたを全開すると泡がモコモコわき上がり、飲食店の生ビールのような味わいが楽しめる商品』で、発売2日で想定の1ヶ月分を売り切り、出荷を一時停止。SNSでもこの商品関連の投稿を多く目にした。


そして、私自身、ニュースを見て気になってすぐにコンビニに走った。幸い2軒目のコンビニで購入することができ、商品を楽しめた。

美味しい、楽しい、見せたくなる。そんな要素を持ち合わせた商品だった。再入荷があった時に、再びSNS投稿をするかというと、ちょっと違う気がするけど、話題をさらうには十分だった。

2.大塚製薬 ポカリスエット

1980年から発売されている長ロングセラー商品。ほとんどの人が知っていて、飲んだこともあるのではないか、とすら思える商品だ。

そんなポカリスエットの新しいTV CMが公開されるやいなや、こちらもSNS上に大いに話題になった。

けど、“生ジョッキ缶”の盛り上がりとは、全く違う。CMの作りのすごさに対して、話題になっているのだ。

いや、確かにすごいんです。メイキングも公開されているので、それも併せて見るとなお凄い。私も広告会社に12年いて、クリエイティブ担当ではなかったものの、TV CMの制作に携わったことがありますが、このアイデアを実現する制作陣も凄いし、ここに多額の広告費を使って制作しようと判断したクライアントも凄いし、そこを説得した営業も凄いし、すごいんです。

けど、「ポカリスエット飲みたい!」「買いに行こう!」にはならないんです。同じような感想を持つ人もチラホラ。

3.広告費はダメなプロダクトへの罰金なのか

田端さんの言葉を借りれば、ポカリスエットは「ダメなプロダクト」なのかもしれない。いや、プロダクトがダメというよりは、あまりにもロングセラー商品だし、その上で、一定限アピールをしない訳には行けないので、“生ジョッキ缶”のような新機能が付く訳でもないので、アピールの仕方は難しい。自分ももし担当者ならどうすれば良いのか、答えを持ち合わせていない。

ただ、“生ジョッキ缶”は、少なくとも私はCMには全く接触していないし、CMは話題になっていないので、ポカリスエットと比較するとかなり予算はかかってないのではないかと思う。

今は事業会社にいて、マーケティングの責任者を務めさせて頂いていると、その予算を何のためにどう使うのが良いのか?そもそも予算を使う必要がないやり方はないのか?ということを日々考えさせられている。「予算に収める」とかもっというと「予算を使い切る」という概念はなく、ただ、もっとも事業に取って良い影響を与えられる施策は何かを考えている。

もっというと、まだまだベンチャー企業のSaaSサービスなので、どんな商品を出すべきか、どんな商品にしていくべきかも日々議論されている。

そんな時に、「広告費はダメなプロダクトへの罰金だ」という言葉が非常に重く感じる一方で、この2つの対極的な事象が気になってしまった。

でもどこかで、ポカリスエットのような広告展開があまり好きではなくて(映像作品としてはめちゃくちゃリスペクトしてますし、ポカリスエットは大好きですよ!)、広告会社を辞めた、というのはどこかあるなと今さらながら思いました。

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