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高安病でのER体験:アメリカと日本の医療の違いを感じた瞬間

高安病のフォローアップ中の異常血圧
先日、私は高安病の定期フォローアップでリウマチ科を受診していました。いつものように看護師さんが血圧を測定しましたが、その結果に驚かされました。右腕の血圧が230を超え、左腕でも220を超えていました。高安病は大動脈の狭窄を引き起こすため、左右の血圧に差が出ることが知られていますが、今回は両腕とも非常に高い数値でした。
この時、無症状でした。
めまい、視覚異常、頭痛、心臓痛、何一つなく、まさに寝耳に水とはこのことでした。

ERへの緊急搬送
リウマチ科のドクターがバスキュラー・ドクター(Vascular)と相談すると言ってくれ、同じ施設の中のバスキュラー・ドクター(Vascular)と相談すしてくれました。
結果、私の症状がストローク(血栓)の可能性があると判断され、ERへ行くことになりました。(この状態でも自分で移動)←救急車が高い!ため!

ERでの初期対応
ERに到着したのは午前中の早い時間で、待ち時間は20分ほどでした。(午前中と午後、夕方で混み方が全く違います)
到着後すぐに、血液検査、血圧モニター、EKG(心電図)が行われ、監視下に置かれました。しかし、医師に会うまでには約2時間がかかりました。

迅速なMRI検査
その後、頸部のMRIを造影剤ありとなしの両方で撮影することになりました。通常の予約が埋まっている中で、緊急の対応が必要だったためか、当初は夜遅くの検査になると言われていましたが、幸運にもすぐに検査ができました。MRIの結果、頸動脈サイフォン部に動脈硬化があるものの、重大な狭窄はないとのことでした。

超音波検査とCT検査
さらに、血流を見るための少し特殊な超音波検査も行われました。(これは高安病の定期検診時に行っているので馴染みがある検査です)
超音波の結果、左側の内頸動脈において狭窄が示され、最小限のプラークが確認されました。
その後、MRIの結果に基づき、CT検査も造影剤あり・なしで実施されることになりました。

高額な医療費と先進的な機器
アメリカの医療の違いを痛感したのは、超音波検査やMRIなどの高額な費用と、最新の医療機器が揃っている点です。MRIの機械は最新で、検査時間も短くて済みました。しかし、その分費用も高額だと予想され、日本の保険制度と比べると大きな違いを感じました。(請求書は現時点受け取っていませんが、今までの経験でうっすらと予測できます)

ERの体験と観察ユニットへの移動
ERでの検査後、私はED(Emergency Department)の中の観察ユニットのAOE(Area of Evaluation and Observation)に移されました。**AOEについては、最後に説明を入れますね**
ここでは、さらなる検査と経過観察が行われ、最終的にはCT検査の準備のために一晩滞在することになりました。観察ユニットでは、症状が安定しているがまだ退院できない患者が短期間滞在します。アメリカの病院では、ERから直接観察ユニットに移動することは一般的で、必要な検査や治療を迅速に受けられる体制が整っています。

長時間の空腹
夕方まで何も食べることができず、検査や緊急手術の可能性を考慮して、食事の許可が下りるまでずっと待たされました。これはアメリカの医療現場での共通の対応で、特に緊急事態や不測の事態に備えるためのものです。

**この体験を通した学びと皆さんと共有したいこと**
ER滞在中の不思議な数値の変動

ERに到着した時の血液検査で、hs-Troponin(高感度トロポニン)**hs-Troponinについても最後に説明を入れますね**の数値が最初は9だったのに対し、滞在中に70を超えるまで上昇し、退院時には6に戻っていました。
この変動は、特に何の処置もされなかった中で起こったもので、非常に不思議に感じました。後日、バスキュラー・ドクターにこの件について質問するつもりです。

ファミリードクターと専門医の連携
今回の体験を通して、州立大学病院でファミリードクターと専門医を持っていたことが非常に重要であると感じました。リウマチ科とバスキュラー科の医師たちがチームを組み、迅速に対応してくれたおかげで、スムーズに診療を受けることができました。

この経験を通して、アメリカと日本の医療システムの違いを身をもって体感しました。もし皆さんがアメリカで医療を受けることになった場合、このような事例があることを頭に入れておくと良いでしょう。特に緊急時には、日本と違って迅速な対応が求められることが多いです。また、ファミリードクターや専門医との連携が重要であることも改めて感じました。

用語などの説明(医療従事者ではないことをご承知ください)
⚫︎高安病
 
高安動脈炎は大動脈やそこから分かれている大きな血管に 炎症 が生じ、 
 血管が 狭窄 したり閉塞したり拡張したりして、脳、心臓、腎臓といった重
 要な臓器に障害を与えたり、手足が疲れやすくなったりする原因不明の血
 管炎です。炎症が生じた血管の部位によって様々な症状がでます。わが国
 の高安右人教授が1908年に初めて報告しましたので高安動脈炎と呼ばれて
 います。(難病情報センターから引用)

⚫︎AOE(Area of Evaluation and Observation)
 
AOEは、日本語では「観察病棟」や「観察エリア」とも呼ばれ、ERで治療 
 を受けた患者がさらに評価や観察を必要とする場合に移される場所です。
 ここでは、患者の状態が安定しているか、さらなる治療や観察が必要かど
 うかを判断するために短期間滞在します。
 利用例として以下があります。

  • 患者の症状が急性ではないが、完全に帰宅させるにはまだ不安がある場合。

  • ERでの治療後に一時的な経過観察が必要な場合。

  • 診断がつくまで、あるいは他の専門医が利用可能になるまでの待機場所として滞在させる。

私の入った州立大学病院のAOEでは、48時間の滞在が許可されており、これを超えると入院患者となって病室に移されます。←この時点では入院患者ではないので、医療費を抑えることができます。

⚫︎hs-Troponin(高感度トロポニン)
 
心筋(心臓の筋肉)で特異的に発現するタンパク質であるトロポニンを測 
 定するための血液検査です。この検査は、特に心筋梗塞(心臓発作)など
 の急性冠症候群(ACS)の診断や、心臓の損傷を評価するために使用され
 ます。

続編として、滞在中のこと、血圧の結果からERに行くことになってからの家族の対応、スタッフの対応、食事について、検査の造影剤の種類や今昔話などについて書く予定です。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。


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