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2ストリートベット戦略(コンボ数の数え方)

前回の記事の補足です。
バリューとブラフのバランスを取るために、それぞれのコンボ数を数えて練習します。
実戦でコンボ数を数える必要はありませんが、事前に数種類のボードでコンボ数を数えた経験があると、感覚的にブラフ過多・過少がわかってきます。

さて、あなたはLJ(ボタンの3つ前)のポジションから下図のレンジでオープンレイズしました。各ハンドのコンボ数はいくつでしょう?

LJでオープン

オープン時のコンボ数は以下の通りです。
ポケットは6コンボ
スートハンドは4コンボ
オフスートハンドは12コンボ
ポケットは4種類×3種類=12コンボ、これだと♠♡、♡♠が別にカウントされているので、12の半分の6コンボとなります。
オフスート、例えばAKoでは、Aが4種類×スートの被らないKが3種類で12コンボです。さきほどと違い、A♠K♡、A♡K♠は別ものなのでそのまま12コンボとなります。

フロップ戦略

LJでオープンしたあなたはBBにコールされ、フロップに進みます。
フロップは[Qs9h5d]でした。
レンジの中にバリューハンドは何コンボあるでしょう?

フロップQ95 バリューハンド

まずはフラッシュとストレートがあるか確認します。
今回はスートがバラバラのレインボーボードなのでフラッシュはありません。ストレートもありませんね。
ドライなボードなので、トップペア以上は全てバリューハンドとして扱えます。ただし、一部をチェックしたいので、QJs、QTsはチェックすることにします。
結果としてベットするバリューハンドのコンボ数は以下の通りです。
セット QQ,99 3+3=6
ツーペア なし
オーバーペア AA,KK  6+6=12
トップペア AQ,KQ   12+12=24
合計 6+12+24=42コンボ

セット、今回はQQを例にすると、ボードにQが1枚落ちていて、ハンドレンジに残っているQは3枚となるため、3×2÷2=3コンボとなります。
オーバーペアはボードに落ちているカードがコンボ数を削らないので、そのまま6コンボずつ。
トップペアはボードのQにコンボ数を削られて、スートハンドは4→3、オフスートは12→9、3+9=12コンボずつとなります。

というわけで、42コンボのバリューハンドでベットする事を決定しました。
前回の記事でフロップは80%betを使用し、バリューとブラフを1:1の頻度でバランスを取ると説明しました。
ではブラフに採用する42コンボを選定するため、今回のフロップではどのようなドローハンドがあるか見てみましょう。

フロップQ95 ドローハンド

OESD JTs 4
GS KJs,KTs,(KJo) 4+4(+12)=8(20)
ボトムペア A5s  3
合計 4+8+3=15コンボ
KJoはGSですが、後述する理由により今回のブラフベットレンジからは除外します。
ツーペア、トリップスのドローとして使うボトムペアを入れても15コンボしかありません。
ローポケットを追加してみます。

ローポケ 88,77  6+6=12
合計 15+12=27
まだブラフハンドが足りません。


ダブルバックドア AJs,ATs,A8s,A7s,A6s, 3×5=15
合計 27+15=42コンボ
バックドアストレートのあるスートハンドのコンボ数4のうち、ボードに落ちている3つのスートと対応するバックドアFDが3つあります。

バリュー42コンボに対して、ブラフを42コンボ用意することができました。うまく1:1になりましたね。

これら全てでベットすると、以下のハンドでフロップ80%ベットをする事になります。

[Q95]バリュー(オレンジ)ブラフ(水色)

ターン戦略

フロップで80%ベットをしたレンジは以下の通りです。

ターンでTのダイヤが落ちました。[Qs9h5d Td]
自分のレンジの中からベットするバリューハンドを選びましょう。フロップでコールされているので、バリューの下限を相手のレンジの中で最も強いトップペアに設定します。LJのオープンに対して、BBでAQをコールに止めてるプレイヤーは多くいそうなので、AQをバリューの下限とします。BTN vs BBではKQが下限になりそうです。

[Qs9h5d Td]バリューハンド

フロップでGSのブラフとしてベットしたKJsがストレートとなりバリューに昇格しました。
ストレート KJs 4
セット QQ,99 3+3=6
ツーペア なし
オーバーペア AA,KK  6+6=12
トップペア AQ,   12
合計 4+6+12+12=34コンボ

ターンでバリューベットするハンドは34コンボとなりました。
ターンでは100%POTbetをバリュー:ブラフ=2:1となるようにベットします。
今回は34÷2=17コンボです。
では、ブラフコンボを選びましょう。

[Qs9h5d Td]ブラフハンド

GS+FD AJs 1
FD A8s,A7s,A6s 3
GS AJs 3
ボトムペア A5s 3
ローペア+GS 88 6
合計1+3+3+3+6=16コンボ

JTsなどもGSですが、Tが落ちたことでセカンドペアができました。ブラフには、コールされた時点で負けているが逆転の可能性のあるハンドを選ぶことが望ましいので、ブラフ候補から外します。
上のブラフ一覧ではブラフに向いているハンドから順番に列挙しています。
ローペアでは88、77のうち、77をブラフ候補から外しましたが、もし88にGSがついていなければどちらもブラフとしての優劣はありません。
また、ターンでダイヤが落ちたことで、ダブルバックドアの一部がFD、GS+FDの形に昇格しています。フロップでKJoのGSをブラフベットレンジから外してダブルバックドアを採用しましたが、ターンでのFDによるブラフが極端に少なくなることを防いでいます。レインボーボードはターンでスートが被る可能性が高いので、ストレートドローとFDをバランスよくブラフレンジに採用するため、オフスートハンドのストレートドローをブラフレンジに入れすぎないように注意しましょう。リバーでフラッシュが完成した際、相手から見えにくいのも好材料です。

[Qs9h5d Td]100%betレンジ

ターンでベットするハンドをまとめました。
A8s,A7s,A6sはFDのハンドのみでベットしている事に留意してください。
2ストリートベット戦略なので、リバーは相手のチェックに対して全てチェックしてもかまいません。相手からレイズが来る事も想定した上で自由に対応しましょう。

まとめ

フロップ[Qs9h5d]80%betレンジ
ターン[Qs9h5d Td]100%betレンジ

振り返ってみましょう。
前回の記事で触れたように、リバーまできっちりブラフをする戦略と比べて、2ストリートベット戦略の方がブラフ頻度は低くなります。
もしあなたがリバーでのブラフをほとんど打たない場合、今回のブラフレンジを見て、自分が今までブラフ過多もしくはブラフ過少だったのかを判断できると思います。
フロップのレインボーボードではFDのブラフが打てないため、かなりブラフ過少になっていると想像できます。
「バリューハンドはそれなりにあるけど、FDがないからダブルバックドアやローポケットでブラフハンドを補おう」
そういった思考が取り入れられるようになると良いでしょう。

今回のボードはフロップでブラフ過少になりやすい特徴がありましたが、バリューハンドが少ないボードではブラフハンドも少なくなるなど、多様なボードに対応する必要があります。
色々な種類のボードで今回のようなベットレンジの構築を練習していくことで、直感的に必要なブラフハンドが想像できるようになります。

なにより、今後リバーでのブラフを検討する段階になったときにこのようなコンボ数の思考が役立ちます。
フロップ、ターンではコンボ数が多く直感的な判断に頼っていたとしても、リバーの限られたバリューレンジに対してその半分程度のブラフを想像するのはそう難しくありません。
ハンド単体でアクションを考えるのではなく、自分の持ちうるベットレンジを想像した上で、今のハンドをどうプレイするべきか考えられるように訓練しましょう。


以上で今回の記事を終わります。
お読みいただきありがとうございました!


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