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レチノールの効果と、今注目のバイオレチノールとの違いを、エンジニアの視点で端的に解説

株式会社Be、代表取締役の稲垣大輔です。
このnoteでは「小さな一歩から始める、未来の地球へのアクション。」をテーマに、未来へ一歩踏み出したくなるような情報を発信しています。

今回は、
・「レチノール」はどんなものでどんな効果が認められるか
・「レチノール」と「バイオレチノール」の違い
について書いてみます。


Beで開発する商品には、化粧水や美容液などのスキンケアアイテムもあり、含まれている成分にもこだわりを持って商品開発をしています。

少し前から話題になっている成分であり、様々な化粧品に使われるようになった「レチノール」と、日本では最近注目を浴び始めた次世代のレチノールと言われる「バイオレチノール」が気になっています。

そこで今回、元エンジニアの視点で「レチノール」と「バイオレチノール」について端的にまとめたうえで、最後の「まとめ」に稲垣自身の考えも含めて記載しています。


いきなりで恐縮ですが最初に少し謝らせてください。
全体を通して端的に書こうとしたのですが、かなりのボリュームになってしまいました。様々な文献を調べて、フラットに記載をしようとしたのと僕の文才が足りないせいなのかもと思います。
なので、結論だけ知りたいよ、という方は、最後の「まとめ」のみ読んでいただけると幸いです。


◆レチノールとは?

2017年、レチノールは厚生労働省からしわ改善効果を認められ、医薬部外品として扱えるようになった成分です。

レチノールはビタミンAの一種であり、様々な効果が期待できる美容成分です。
ビタミンAは油に溶けやすい性質を持つビタミンで、皮膚や粘膜を健康に保つ、抵抗力を高める、酸化を抑えるといった働きがあります。

食事などによって摂取されたビタミンAは、体内で働けるように「活性型」と呼ばれる形に変わります。

活性型には
・レチノール
・レチナール
・トレチノイン(レチノイン酸)
の3種類があり、形を変えながら様々な働きをしています。

レチノール → 代謝 → レチナール → トレチノイン
となり、レチナールはレチノールに戻ることもありますが、トレチノインに変わると元に戻ることはありません。

食べ物やサプリなど、食事で体内に取り込まれたビタミンAは、様々な形に変わりながら、色々な働きをしています。

ビタミンAは体内では合成されないため、意識して食事などから摂る必要があります。
また、肌に対しての美容効果を期待する場合は、化粧品などから取り入れることができます。

そこで、次に美容成分として、化粧品などから取り入れる際の、レチノールの効果について書きます。

◆レチノールの効果について

レチノールには、以下のような美容効果が期待できます。

<レチノールの美容効果>

・ターンオーバーを促す
ビタミンAには細胞のターンオーバー(新陳代謝)を促す働きがあります。
同じようにレチノールにもターンオーバーを促して古くなった角質を排出する働きがあるため、肌を滑らかに整えたり、シミやニキビ、ニキビ痕などを改善する効果が期待できます。

・コラーゲンの生成を促す
コラーゲンの元になる線維芽細胞を活性化します。
その結果、コラーゲンやヒアルロン酸の生成が促され保湿力が高まると、乾燥しやすい目元などのハリがアップしたり、しわが目立ちにくくなったりすることがあります。

・皮脂の分泌を抑制する
皮脂の分泌を抑える働きがあります。
そのため、皮脂の過剰分泌によるニキビの予防や毛穴の黒ずみの改善効果も期待できます。

このようにレチノールは、健やかな肌を作るベースとなる部分に働きかけるため、様々な肌トラブルの改善が期待できます。
一方でレチノールを使う際にはいくつか注意点があります。

<レチノールを利用する際の注意点>

・使う順番
レチノール配合化粧品には油分が多く含まれるため、洗顔直後に使用すると化粧水などが浸透しづらくなります。
そのため、洗顔後、化粧水などで肌を整えた後に使うのが効果的です。

・使用後の保湿ケア
レチノール使用後はターンオーバーが促されて肌が乾燥しやすくなるため、レチノール使用後には保湿ケアを取り入れたほうが良いです。

・使用後の紫外線
レチノールは紫外線に弱く、分解されやすいという特徴があります。
紫外線に当たると肌に刺激となる症状(A反応、レチノイド反応)が出る可能性があるため、夜のみの使用が推奨されます。

レチノール使用後に紫外線に当たる可能性がある場合は、日焼け止めや帽子、日傘などを活用し、紫外線対策を徹底する必要があります。

・A反応(別名:レチノイド反応)
濃度の高いレチノールを使うと、A反応と呼ばれる、肌に赤みが出る、乾燥する、皮が剥ける、といった症状が出ることがあります。
これらは肌の新陳代謝が急に促されることによって生じるもので、使い続けていると自然に治ることがほとんどです。

◆バイオレチノールとは?

バイオレチノールとは、植物由来のレチノール類似成分であり、代表的なものとしては下記の2つがあります。

①バクチオール
マメ科の植物であるオランダビユ(バブチ)から抽出されます。
インドのアーユルヴェーダや中国の伝統医学にて利用されており、古くから重宝されてきました。
強壮や冷えによる腰痛などを治療する際に使われる成分です。

②コセンダングサエキス(別名:コシロノセンダングサエキス)
キク科の植物、コシロノセンダングサから抽出された成分で、レチノールが作用するレチノイド受容体に類似作用する油溶性エキスです。
期待される効果効能としては、抗酸化、抗炎症、皮脂コントロール、メラニン産生抑制などのアンチエイジング効果などです。

どちらも植物から抽出される天然由来の成分であることから、オーガニックコスメやボタニカルコスメを開発する際にも有用です。
また、レチノールと違い使用後の紫外線に耐性があるため、日中も使えます。

ここからは上記2つのバイオレチノール成分について、共通する特徴を書きます。

◆レチノールとバイオレチノールの共通点について

バイオレチノールを使うことで、レチノール同様に以下のような効果が期待できます。

<レチノールとバイオレチノールの共通点>

・肌のハリ感や弾力アップ:線維芽細胞を活性化させ、ヒアルロン酸やコラーゲンの生成をサポートします。これにより肌のハリや弾力がアップし、たるみの改善が期待できます。

・毛穴詰まりの改善:ターンオーバーを促進させ、ニキビの原因となる毛穴詰まりを取り除きます。

・しわの改善:角質層にうるおいを与え、肌の水分を逃さず保つことにより、小じわの改善が期待できます。

・シミの予防・改善:シミの原因となるメラニンの生成を抑えます。また、すでにできてしまったメラニンの排泄を促す働きも期待できます。

◆レチノールとバイオレチノールの違いについて

繰り返しになりますが、バイオレチノールとは、植物由来のレチノール類似成分のことで、肌に対してレチノールと似た美容効果を発揮する成分です。
ここからは、レチノールとバイオレチノールの違いについて書きます。

<レチノールとバイオレチノールの違い>

・紫外線の影響を受けにくい
バイオレチノールは、レチノールと似たような美容効果を発揮してくれる成分でありながら、紫外線の影響を受けにくいため、日中でも使用が可能です。

・A反応へのリスクが低い
バイオレチノールはA反応へのリスクが低いため、敏感肌でも使いやすいといわれています。

・他の成分と組み合わせやすい
バイオレチノールは植物由来の天然成分であることから、刺激が少ない成分であり、基本的にはビタミンCなど、他の成分と組み合わせて使っても問題ありません。

一方でレチノールをビタミンCと組み合わせて使う時には注意が必要です。
レチノールすなわちビタミンAとビタミンCは、適正なpH値が異なるため、化粧品として混ぜて使うことが出来ません。

ビタミンAの適切なpHが5.5〜7と言われている一方で、ビタミンCの適正なpHは4〜5程度と言われています。
そのため、両者を一つの化粧品に配合することで十分な効果を得ることは難しくなります。

ビタミンCとレチノールを上手に使うためには、ビタミンCをつけてから、レチノールを付ける必要があります。

ビタミンCは水溶性のため、お肌に浸透しにくいと考えられていますが、後から油溶性のレチノールを使うことにより、ビタミンCの浸透をサポートする働きが期待できます。

それでも不安がある場合は、朝と夜で分けて使う方法もあります。
レチノールは紫外線に弱いため、例えば、夜にレチノール、朝はビタミンCをつけるなど、タイミングをずらすなどの工夫が効果的です。

上記のように、バイオレチノールは肌への美容効果はレチノールに似ていますが、レチノールを使用する際の注意点を補ってくれます。
なので、バイオレチノールは、「レチノールのような美容効果は欲しいけれど、肌にやさしいケアをしたい」人にとって魅力的な成分です。

また、レチノールとバイオレチノールの違いをふまえて、バイオレチノールを使用する際の注意点を以下にまとめます。

<バイオレチノールを利用する際の注意点>

・即効性がない
バイオレチノールはレチノールに比べて美容効果の出方がゆるやかな傾向にあります。
即効性があるわけではないため、じっくりと長期間使う必要があるため注意ください。

・敏感肌
前述の通り、バイオレチノールは比較的やさしい成分であることから、肌への刺激が少ないとされていますが、それでも肌が弱い人は、赤みや乾燥を感じることもありますので注意ください。

以上の通り、バイオレチノールはレチノールに比べて即効性がないというデメリットはありますが、その他は特に使いやすさの面でメリットが多いため、今後レチノール以上に広まっていく可能性が高い成分と考えています。

◆まとめ

レチノールはビタミンAの一種であり、以下のような様々な効果が期待できる美容成分です。

・ターンオーバーを促す
・コラーゲンの生成を促す
・皮脂の分泌を抑制する

このようにレチノールは、健やかな肌を作るベースとなる部分に働きかけるため、様々な肌トラブルの改善が期待できます。
一方でレチノールを使う際にはいくつか注意点があります。

・使う順番
・使用後の保湿ケア
・使用後の紫外線ケア
・A反応(別名:レチノイド反応)への備え

バイオレチノールとは、植物由来のレチノール類似成分を言い、レチノール同様以下のような効果が期待できます。

・肌のハリ感や弾力アップ
・毛穴詰まりの改善
・しわの改善
・シミの予防・改善

さらにバイオレチノールには、レチノールに対して、以下のメリットがあります。

・紫外線の影響を受けにくい
・A反応へのリスクが低い
・他の成分と組み合わせやすい
 (例:ビタミンCはレチノールと混ぜて使えない)

バイオレチノールは肌への美容効果はレチノールに似ていますが、レチノールを使用する際の注意点やデメリットをカバーしてくれます。
なので、レチノールのような美容効果は欲しいけれど、肌にやさしいケアをしたい人にとって魅力的な成分です。


以上、元エンジニアの視点で「レチノール」と「バイオレチノール」について端的にまとめてみました。

レチノール、バイオレチノールのどちらも美容に役立つ素晴らしい成分です。
ご自身の体質やお悩みにもよりますが、レチノール、バイオレチノールそれぞれのメリット・デメリット(注意点)をよく知った上で活用できると良いと思います。

ライフスタイルに溶け込み、本質的な美しさにアプローチするBeとして、レチノール、バイオレチノールの特徴を抑え、お客様にとってより効果的に、喜ばれる提案をしていこうと思いました。


参考文献
【2023年医師監修】レチノールの効果とは?安易に使ってはいけない理由を解説
https://cellbank.co.jp/general/regenerative_skin_treatment/beauty_knowledge/letinol_cosmetics/

化粧品でよく聞くレチノールとは?その効果や使い方について解説。
https://www.hibiya-skin.com/column/202306_02.html

実は肌に良い状態!レチノイン酸やレチノールによるA反応について解説。
https://www.hibiya-skin.com/column/202312_01.html

次世代のレチノールとして大注目!バクチオールの効果と化粧品開発例
https://note.com/bay_cosmetics/n/nd04cba8f84ce

バイオレチノール(植物由来のレチノール類似成分)
https://www.toakasei.com/wp/wp-content/uploads/2019/09/Revinage.pdf

【医師監修】今注目の美容成分「バクチオール」とは?効果やレチノールとの違いを解説
https://maisonlexia.com/her-elegance/beauty/432

【医師が教える選び方】ビタミンCとビタミンAは一緒に使っちゃダメ?
https://mymeii.jp/column/vitamin/


■公式プロフィール
稲垣大輔(いながき・だいすけ)
株式会社Be 代表取締役
北海道出身
2002年、北海道大学工学部を卒業し、国内大手自動車会社に就職。
自動車のブレーキ設計や人間工学を活かした開発、エンジンの解析業務に携わる。
2012年にイベント会社を創業。
2017年に株式会社Beを創業し、現在に至る。


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