2週間のインターンを通して地域課題に挑んだ学生による成果共有と交流会
上北地域県民局さんと一般社団法人tsumuguさんが運営する地域課題解決型インターンシップの終了に伴い、ビーコーズではインターンの活動の振返りと成果について地域の方と共に考える交流会を開催しました!
↓地域課題解決型インターンの概要はこちら
交流会の目的
今回の交流会の目的は以下の2点になります!
インターンを実施していく中で、企業やインターン生がお互いの活動を知る機会が何度かありましたがさらにお互いの活動を知るために、今回は受入企業やインターン生がどのようなことをしてどのような成果や学びを得たのかを共有する機会を作ること。
上北圏域では地域課題解決型インターンシップは初の試みなので、この機会に地域の方々にも取組を知っていただき、さらにインターン生や受入企業との関わりを深めて今回のインターンを終えてもらうこと。
交流会の概要
今回はこの活動に興味がある建築家、イベント企画会社、行政関係など様々な業種の地域の方々にも参加いただきました。活動を初めて知る方もいるので、前回のキックオフ交流会と同様にインターン事業の背景や目的、ミッションの確認してからインターンの成果共有、地域の方々との交流会という流れで実施しました。
「2つのスペースを活用して何かしたい!」という地域の挑戦者を集めよ!! /株式会社ビーコーズ
トップバッターはビーコーズでインターンに取り組んだ坂本武琉くんです!
当日参加できなかったので、事前に録画したものを会場で流しました。
以下、坂本くんよりーーー
ミッションから自分のやるべきことを考えた
「「2つのスペースを活用して何かしたい!」という地域の挑戦者を集めよ!!」というミッションに対して自分ができることの中で2週間でできる範囲を考え、自分はお菓子作りが好きで将来の夢がパティシエなので「まずは夢への第1歩を踏み出しながら、自分が挑戦者としてスペースを活用してイベントを実施する」という方針を決めました。
方針からイベントの内容を決めた
「まずは自分が挑戦者としてスペースを活用してイベントを実施する」という方針から、パティシエになるのが夢なので、コミュニティカフェ『second.』を活用して、実際に自分で作ったお菓子をお客さんに提供することに挑戦し、その挑戦の様子をSNSで発信することを実施することにしました。
イベント実施までにやったこと
・イベントの案出し
・企画書作成
・協力者との調整、話し合い
・SNS告知、
・インターン中に関わった方々に直接声がけ
・チラシ作り
・提供するお菓子の試作
・イベント実施
実施した結果
◎ ミッションに対する成果
スペースの認知を拡大してもっと挑戦によりスペース活用をしていきたいというビーコーズの意向に対して
・フォロワー増加率:1日平均0.67人→1.67人 ▶2.5倍
・何かしたいという挑戦者:獲得!
◎ イベントの成果
イベントを実施するにあたって設定していた目標に対して
・来場者数:目標10人 ▶26人(2.6倍)
・売上目標:目標20,000 ▶37,000円(1.85倍)
・売上から招待したインターン生の会費を捻出
・お菓子も好評!!
実施して見えた課題
・レシピに改良の余地あり
・一緒に厨房に入った人の動きが見えていない
・お客さんへの気遣いが足りなかった
この経験を踏まえてこれからどうしていくか
・もっとお菓子を作ってこだわりを具体的にしていく
・アルバイトやまたインターンに参加して、接客面などのコミュニケーション能力を磨いていく
・場数を踏んで、自分の言動や作るものに自信をもてるようになる
・プロの仕事を見て動き方等を学ぶ
今回のイベントを通して
将来どんな仕事に就くとしてもコミュニケーション能力、広い視野、経験、自信は役に立つと学んだので、意識して今後に活かしていきたいと思います。
協力者の方からコック服も頂いたのでいづれこのコック服が似合う人間になりたいと思います!
ビーコーズを始め関わって頂いた方々、本当にありがとうございました!
青森県の馬文化の継承を目指した観光コンテンツの企画・発信をせよ! /材株式会社
2番目は材株式会社さんでインターンに取り組んだ蝦名来さんです!
材さんには3名のインターン生がおり、それぞれが⾺を軸とした観光コンテンツの企画・提案・発信を行ったそうですが、今回は成果として代表で蝦名さんに考えた企画を発表していただきました。
蝦名さんの発表の中から抜粋して紹介します!
※ 材株式会社さんは3名のインターン生がいましたが、代表で蝦名さんに発表していただきました。
以下、蝦名さんよりーーー
地域課題から考える
今回企画を考えるにあたって、私たちが解決する必要があると思う地域課題から考えました。
・絵を描くことが嫌いで表現することを楽しめない子供が多くいる
・小学校のカリキュラムで自然や動物、地域と深くかかわった授業を求められ、学校の先生がカリキュラム作成に困っている
・引退競走馬の殺処分
・技術の進歩により、人は考えなくなった
目指す世界
上記の課題を解決して、人々が表現することを楽しめて手を取り合いながら協働して、自分や身の回りの生活をより良くしようと作り変えていく世界が目指す世界だと考えます。
「馬と心を育む青空ボディペインティング」の提案
課題解決して目指す世界にするために、馬と美術共育を掛け合わせた小学生向けの教育課程として、「馬と心を育む青空ボディペインティング」を提案します。
ボディペインティングとは手や足に絵具を付けて自由に絵を描くことで、絵の上手い下手が関係なく、表現を楽しめる方法です。
この企画では屋外の青空の下で大きい紙を用意して、馬のヒヅメに絵具を付けて馬と一緒に絵を描くことを楽しむものです。
自由な表現を引き出す
馬に触れて感じたことを馬と一緒に自由に描くことで、偶然性が生まれて上手に書かないといけないという気持ちにとらわれることなく、表現をすることを楽しむことができます。
感情を通わせる
私たちは馬と触れ合う中で、馬も人間もコミュニケーションのとり方は同じで、お互いに感情を感じ取りながら行動していると感じました。
そこから最初から絵を描くのではなく、行程に馬について学び触れ合うだけの時間を作ることで、普段の自分の言動やクラスメイトへの接し方を改めて考えるきっかけを作りたいと考えます。
また、絵を描くときには自分が感じたことを書くために自分と向き合うことにもなります。
まとめ
この企画により、作ったり作り変えたりする楽しさを育みつつも、自分や社会のことを考える力を養っていくことで、最初に紹介した課題を解決に導けると良いと考えています。
また、小学校の先生も対象にすることで、生徒を評価する側として技術面以外についても考えるきっかけになると考えています。
※発表の中では、具体的な1日の行程やターゲットとターゲットを決めた理由などの詳しい説明もありました。
質疑応答
Q1.ボディペインティングはどこかで体験されたことはあるんですか?
A1.体験したことはありませんが、私自身がやってみたいと思い今回の企画になりました。
Q2.馬と一緒に絵を描くのは危ないと思うので、馬が紙を踏んで足跡を付けてもらってから子供たちが描くのはどうか?
A2.一緒に描いてもらうのが理想です。飼育員さんの管理のもと実施することで安全にできると、淨法寺さん(材株式会社 代表)からの助言もいただいています。
Q3.馬ではない形も考えたりしているのでしょうか?
A3.もともと体をいっぱいに使った、上手い下手にとらわれない絵を描くイベントができたらいいと思っていました。今回インターンで馬と触れ合うなかで馬と一緒にできたらいいと思いました。
女性が活躍できる地域を目指して、プラットフォームの企画・発信をせよ! /株式会社and more
ラストは株式会社and moreさんでインターンに取り組んだ女川茉菜さんです!
企画の提案ではなく活動した内容を発表してくださいました。
以下、女川さんよりーーー
今回実施した概要
・「New me」というand moreで運営しているインスタグラムアカウントの投稿
・デザインスクールの教材作成
・「一本松だより」という十和田市の一本松地区の情報を発信するLINE公式アカウントの更新
・シェアオフィスand moreのメンバーのSNSアカウントをデザイン
New meの投稿
and moreさんで運営する「東北・青森を中心に活動中の女子による、働く女子のためのWEBマガジン " New me "」の投稿を、3名の女性に取材をするところから行い、1名につき3投稿で合計9投稿分の記事作成と投稿を行いました。
私がこれにより感じたことは、取材の方が「子供の迎えは母親が行かなければいけない、女性がお茶出ししなければいけないということに違和感を感じた」という発言を聞いて、無意識にある差別のような固定概念があることに気づきました。女性が社会で活躍していくにはそういった根本的な意識から変えていかないといけないと考えさせられました。
New me:https://www.instagram.com/new.me_officials/
デザインスクール教材作成
and moreさんと相談し90分で5,000円の価値があるような教材を目標に教材の作成に取り組みました。
まずは、デザインを学びたい人には必ず理由があると考えてペルソナ設定を行いました。
次に内容を考え、基礎的な学習だけをしていくのではなく、デザインツールを使って実践してみることで金額に見合う価値を生み出すことにしました。また、実践においては最終的な成果物によってコースを選択できるようにすることでより具体的な学びになるように考えました。
一本松だよりの更新
and moreさんの十和田市一本松地区への取材に同行しました。
お彼岸のお団子を作っている女性たちへの取材だったのですが、若手として動いていた方々が65歳後半〜70歳代に衝撃を受けました。また、その方々がお団子を売ることで資金を得て、その資金で自分たちがやりたいことをやるという仕組みを作っていて、年を重ねてできなくなることを数えるのではなく、やりたいことをしてくために仕組みを考えていることがすごいと思いました。
シェアオフィスメンバーのSNSアカウントデザイン考案
and moreさんのシェアオフスメンバーのSNSアカウントを見たときに、ちょっと見づらさを感じたので、自分が感じた課題感をもとにデザインを考案させていただきました。
見た目は可愛らしいままに、見やすさを改善することで、アカウントの中身をしっかり見てもらえるようなデザインを提案したところ、採用してくださいました。
最後に
今回and moreさんを始め、関わってくださった皆様にお礼申し上げます。中でも若者ややりたいことができるよう応援してくださる方もいて、そういう方がいる地域自体が素敵だと思いました。
質疑応答
Q1.デザインスクールは男性でも受けられるのでしょうか?またいつごろリリースでしょうか?
A1.男性でも受けられます。スタートはまずand moreとして講師になるための勉強を2年間してからになるので、楽しみにしていてください。
インターン生と地域の方々の交流会
インターン生は滞在を通して地域の方々と交流してきたと思いますが、今回の成果共有を通して企業や地域の方々もインターンの内容について理解を深めて交流することで、さらなる関係性の構築を行いました!
まとめ
今回の成果共有は、各社で設定したミッションと目指した成果目標の違いもあり、発表内容に受入企業それぞれの特色が現れていました。インターン生が目指したゴール(実証・企画の立案・細分化したミッションの達成)の違いこそあれ、どのインターンプロジェクトもインターン生にとっては貴重な体験で、得たものが非常に大きかったことがわかる成果発表でした。
また、他のインターンシップの成果を直接聞けるのは、インターン生にとっても受入企業にとっても学びのある良い機会になりました。インターン生にとっては今後のインターン先を考える判断材料や企画立案のヒントとして、受入企業にとっては今後実施するインターンシップをより良い活動にするための参考として、互いに刺激を受けながらの成果共有となりました。
交流会に関しては、成果報告を聞いて興味を持った地域の方々からインターンシップについてディープなところまで質問をいただきました。受入企業やインターン生がこの機会をきっかけとしてさらに地域との交流を深め、地域との関わりが続いていくことを期待しています。
そして、これらの取組について地域の方々の理解が深まり、地域に地域課題解決型インターンシップの取組が根付いていくよう、今後も活動を継続していきたいと思います。