TOY STORY4は現代のキャリアそのものだと思う※ネタバレ注意
まだ見ていなかったり、4のストーリーを知りたくないという方はご放念ください…
もう大丈夫ですかね
何かと酷評の多いトイ・ストーリー4ですが、個人的には痛烈に共感したくなる内容でした。
3で完結したと思ってた先に、また別の物語が?!と、すごく楽しみにしていた人ばかりだと思います。ましてや、トイ・ストーリーとともに育ってきた世代としてはあの後にどんなストーリーがあるのかと、ファンタジー色爆発、めでたしエンドを期待が高かった人も多いだろうなあと。私もそうでした。
今回まず衝撃を受けたのは、ウッディが踏みつけられる場面。あれにすんごい色々込められてますよね。あれだけ過去にハッピーエバーアフター感満載だった主役・おもちゃたちのヒーローが、あんな扱われ方。自分で顔を膨らませて戻ったウッディ、痛々しかった…
ウッディがそれまで持っていた”持ち主に大事にしてもらうこと”を結果として求めていた人は、そりゃショックだったでしょう。私もそうだよ!でも、ウッディの姿、今の時代、私たちが嫌でも直面しなきゃいけない現実(のひとつ)なんじゃないかと思いました。
人間は自分のそれまでの考え方や習慣や、価値観に安心を覚えるし、その安定した中で生きられたらそりゃ幸せ。それも幸せの一つ。
ウッディはこれまでの価値観と全く違う方向に行くことを決めたけど、それは、”固執して自分を苦しめていたり、行動を制限していた価値観からの脱却”でもあり、逆らうことのできない時代や環境の変化の中で、めげずに自分なりの価値観と幸せを実感できるような選択をする勇気を持つこと、そして行動することを描いた姿なんだと思った。
きっとどの時代もそうなんだろうけど、これまで1位を取り続けていた中学校時代から高校生になって急に2ケタ3ケタの順位までテスト順位が落ちることや、役職定年を迎えて急に立場が変わったり、はたまた定年退職をしてそれまで自分の役割だったものが急になくなって”自分が持っていた役割とか価値ある何か”というのがすっかり無くなってしまうことで、自分の価値って何なのかわからなくなる人も多いと思う。
ウッディは、痛いくらいにそれを体感してて、それでも彼なりの最善を提供して生きて、そして今回も勇気を持って、大きな変化に挑戦していったんだなあと。
人生の節目節目にいろんなストレスがかかって、その理由はだいたい環境の変化だというけど、きっとこれまでも、これからの時代はもっと、変化を避けるんじゃなくて、それでもいい方を目指して行動していくって気持ちが必要なんじゃないかなと映画を見て思いました。