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戦わない盾

傘を差すタイミングがわからない



" ぽつり "

あ、傘差さなきゃ






あれはおそらく

間違えられない という
もっとも臆病者らしい責任感から生まれる躊躇い


雨が降っているから傘を差す

それだけのこと

雨の正体が何であれ

雨だと信じた時点で雨になる


それでもすぐに差せないのは

雨を感じていないあの人に
笑われるのがちょっぴり怖いから

故にわたしは

車に乗るあの人も通りすがったあの人も
全員が「雨だ」と認識する瞬間を待つ

このタイミングこそが正解だと勘違いしている




22歳にしてようやく気付いた


傘を差すタイミングは自由であると





そして傘は

自分を守る盾でもある

雨から 雪から 太陽から 風から 他人の視線から

傘はわたしを守ってくれる

どうせ守ってくれるのだから
自分のタイミングで差してしまえばいい


いやいや

わたしだって攻められる

そんな日にはビニール傘を選ぼう

傘越しに見る陽の光
照らしてくれたと笑ってみせる

傘を貫く他人の視線
微笑み返して進んでみせる

いつも何者かと戦うわたしには
戦わない盾という最強の武器がある

盾を下ろして見える空
いつにも増して深い青

どうかあなたの目にも映りますように

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suzu
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