たった4つの作図(コンパスのつかいかた) 【垂直二等分線・角の二等分線・垂線】
このページは作図(さくず)!
作図ね、ちょちょいとしかやらないくせに、
入試で出たりするからね、みんなだいたい嫌がります。
でも中学の作図なんてたった4つだから。知ってた?
区別できるようにしていけば大丈夫です。
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【作図を全部頭にいれてみよう】
最初に、4つを一覧にしてみます。
フリーハンドでいきます。
この4つ。
いったん描き方はどうでもいい。
「どういう道具があるのか」を把握してなければ、
何も解けないからね。
具体的には、
垂直二等分線と角の二等分線と垂線(2種)です。
これらをひとつずつ説明していきます。
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【コンパスがどうしても苦手な人へ】
ちなみにコンパス下手なひと、結構います。
コンパス苦手なひとは、上から見ると
こんな感じで立て過ぎてることが多い。
コンパスをもっと寝かして、
ちょっと斜めにすると、
結構安定して、きれいに描けるからね。
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【垂直二等分線】
まずは「垂直二等分線(すいちょくにとうぶんせん)」。
垂直二等分線はそのまま、
垂直に、二等分する線のことだね。
実際にやってみます。
こういうふうに2点あります。
とりあえずA、Bと名前を付けておきました。
この2点を結んで線分(せんぶん)にします。
(「直線」は永遠に続く線のこと。
「ここからそこまで」という線は「線分」といいます)
ABを線分にしたら、
コンパスを適当にAからぐるりと引きます。
半円でいいです。
そしたら「コンパスの幅を動かさずに」Bからも引きます。
こういうふうに2つの円が重なるように。
こうなったらだめ。
一次関数(直線)でもやったように、
直線は2点ないと書けません。
重なると「2点」できてるよね(見てみて)。
だからうまく重なるように、コンパスの幅を設定してね。
で、その2交点を定規で結びます。
はい。
これで垂直二等分線です( ┐の記号は垂直の印)
でね、だいたいみんなここでおわります。
結局、垂直二等分線がなんなのか分かってない。
だから応用がきかなくなっちゃうんだな。
垂直二等分線を「理解」しよう。
垂直二等分線は、ABからのキョリが
ここも
ここだってもちろん
全部等しいんです。
(「=」は「長さが等しい」という記号)
だから垂直二等分線は
「2点からのキョリが等しい」ときに使う作図だと
思っていてください(これ超重要)
今覚えてね。垂直二等分線は?
「2点からの距離が等しい」。
じゃあ問題だ。
ほらこうなると、突然何をしていいか分からなくなるでしょ。
でも「2点A、Bから等しい距離にある」って書いてある。
なら「垂直二等分線」じゃん、ということです。
直線l上にあるってところは、とりあえず無視していい。
とにかく「線分ABを引いて、垂直二等分線書く!!!」
はい引きました。
そしたら使ってない条件「直線l上」。
そのl上にあるのが「点P」だから、
ここが答えだということだね。
ほら「2点からの距離」にさえ反応できれば、
大した問題じゃなかったんだ。
(直線lのlはたぶんライン(線)の頭文字です)
ちなみに今回の場合は
線分ABは引かなくてもいいね。
いいんだけど、別に引いたっていい。
だからいつも引いとくのがいいと思います。
(必要なときもあるからね)
とにかく垂直二等分線は?
「2点からのキョリが等しい」だったね。
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【角の二等分線】
じゃあ次、「角の二等分線」ね。
角の二等分線は、
もともとこういう∠AOBがあります。
この角を二等分しろ、と言われるわけです。
まずは
こういうふうに点Oからコンパスで半円を描きます。
そしたら、その半円とOAの交点からコンパスで
こう!
そしたら「コンパスの幅を変えずに」今度はOBの方から
こう!
そしたら直線は「2点あれば」引けるから、
「今の交点」と「点O」を繋ぎます。
これで「角の二等分線」完成です。
( ● は角の二等分線マーク)
そして角の二等分線も「理解」だ。
角の二等分線は
ここも
ここも、
辺OA、辺OBとの距離が同じです
(ちょっとむずいよね。わかる)
とにかく角の二等分線は
「2辺からのキョリが等しい」ときに使う作図です。
今覚えてね。
角の二等分線は?
「2辺からのキョリが等しい」でした。
なんとなく
垂直二等分線のほうが2辺っぽくて、
角の二等分線のほうが2点っぽいでしょ。
でも逆だからね。
もう一度。
垂直二等分線は、「2点からのキョリが等しい」。
角の二等分線は、「2辺からのキョリが等しい」。
今覚えてね。
完璧に覚えたら問題やってみましょう。
こういう問題。
辺AB上というのはいったん無視。
とにかく「辺ACと辺BCから等しいキョリ」ということは
「2辺からのキョリが等しい」ということです。
じゃあ辺ACと辺BCで角の二等分線引いちゃいます。
そしたら「辺AB上」で「点P」。
もう答えです。
あらためて、角の二等分線は?
「2辺からのキョリが等しい」ね!
これだけ覚えとけば解ける問題でした。
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【垂線】
垂線(すいせん)。
その名のとおり「垂直な線」です。
垂線は2タイプあります。
垂直二等分線と角の二等分線には
「2点から」とか「2辺から」みたいな意味があったね
が、垂線は特に意味はありません。
ただの「垂直な線」です。
まずひとつめ。
線上に点Aがあります。
この点Aを通る、垂直な線を引きます。
まずこう。
点Aを通る円を描きます。
線に交点が2つできればいいです。
この交点から、
さっきの角の二等分線の感じで、
こうして、そして(コンパスの幅を変えずに)
こう!
これでもう、直線を引くのに必要な2点できました。
交点と点Aです。
これが垂線ひとつめ。
垂線2つ目。
今度は線と離れて点Aがあります。
このAを通る垂直な線を引きます。
まず点Aからコンパスで
こう。
(いつも2点作ってるの分かった?)
そしたらさっきの感じ!
こうして
こう。
そしたら「この交点」と「点A」を
結ぶだけ。
これが垂線ふたつめです。
ということで
この2つね!
問題です!
「円の接線(せっせん)」とは
こういうふうに、円に1点で接する線のこと。
この接線は「円の中心から引いた線と必ず垂直」です。
ちょいむずかしい?
まあとにかく!
さっきの問題は
こんなふうに伸ばしたら、
あとは点Aの垂線を引くだけ(さっきのひとつめ)。
こうして
こうして、こうして、
これで、接線完成です。
以上、垂線の解説でした。
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【作図で大事なこと】
改めて4つ載せます。
作図で何が大事か分かった?
① この4つをちゃんと把握しておくこと
② 垂直二等分線と角の二等分線の特徴を知っておくこと
これだけで解けます。
だから上の4つ、フリーハンドでいいから、
パッと描けるようにしとくこと!
忘れるともうおしまいなんだからね。
ちなみにこのページ作るのに
俺はこんなに描いてる!
せめて俺よりは描かないとね。できるようにしたいんだからね。
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練習問題は、ここでやった問題に加えて、3つ。
この4つの道具だけで絶対にできるから、よーく考えて解いてね。
「2点から」「2辺から」がヒントね。
[練習問題]答えは下
(0)
(1)
(2)
(3)
(4)〜(6)
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[答え]
(0)
垂直二等分線は、「2点からのキョリが等しい」
角の二等分線は、「2辺からのキョリが等しい」
(1)
(2)
(3)
(4)〜(6)