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読みやすい文章を書くための3つのコツ (難しくなく、おもしろく)

こんにちは!
勉強できようサイトです。

おかげさまで、
以前書いた「作文・読書感想文の3つのコツ」、
そしてその後アップした動画バージョンが好評です。


「難しくなく、おもしろく」をテーマに、
そこで紹介したコツは、この3つでした。

① 自分の、を書く
② 差を出す
③ ひとつに絞る

「それっぽいこと」が多くなったり、
「いい子ちゃんモード」になりがちな作文。

この3つに気をつければ、
読みやすくておもしろい文章になるよ!
という話でした。

(つまんない=読みにくい=良い文章と思われない、みたいな話もしたよね!)


・・・


さあ!
この3つのコツは、
主に「書く内容」についてでした。
何を書いたらいいか分からない人向け。
文字数が稼げない人向け。

そして、
このページは続編!
続編は「書き方」についてだ!!!!
言葉って意思伝達が目的だから、
「俺流」で書いて伝わらなかったら意味ないもんね。

伝わるように、読みやすく楽しく書くには!
これも3つのコツで話していこうと思います!
難しくなく!おもしろく!!!


ーーーーーー


【読みやすい文章を書くための3つのコツ】
① 「、」で繋ぎすぎない


日本語特有かもしれないけど、
日本語は「、」でどこまでも文が繋げられます

(例1-1)私が夏休みに一番頑張ったのは部活だったんですが、それは顧問の先生が何度も励ましてくれて、諦めそうになった私を助けてくれたのがきっかけでした。

この、何とも「ありそう」な文。
ただ、「私が」で始まって、「それは」もあって、
終わりは「きっかけでした」です。

日本語は
主語をよく省略する性質」も持ってるよね。
なので「、」で繋ぎすぎると「誰が何をしてるのか」を一時停止して考えないといけなくなるんだ。

私は兄と父と母の友達に会って、紅茶をもらったけど、兄は紅茶が苦手だったので、友達にあげました。

日本語は「、」でどこまでも文が繋げられる、
というより、繋げられちゃう
むしろ弱点、ウィークポイントです。


・・・


だから、文は「。」で短く区切る
(文学的な意図がないならね)

情報伝達としては、短いほうが読みやすいです。

(例1-2)私が夏休みに一番頑張ったのは部活でした。やる気がなかった私が頑張れた理由は、顧問の先生が何度も励ましてくれたからです。諦めそうになる私は、その励ましで何度も助けられました。

こうやって書き直して比較すると、
さっきのが「やっぱり読みにくかった」ということに気づけると思います。

(さっきの例1-1)私が夏休みに一番頑張ったのは部活だったんですが、それは顧問の先生が何度も励ましてくれて、諦めそうになった私を助けてくれたのがきっかけでした。

でも、ありがち、書きがちな文章。
みんなも、何度も読んだり書いたりしてると思う。

だから、その「わかりにくさ」に気づくのも、なかなか難しいんだ。


・・・


短く区切るメリットはまだまだあります。


【文を短く区切るメリット①:混乱を生みにくい】

(例2-1)昨日、私がパン屋で買い物をしていたとき、同級生に会ってパンをいっぱい持ってるところを見られたら恥ずかしいな、なんて思っていませんでした

いや思ってなかったんかい。
え? どこから?
パン屋は行ったの? それも分からない。

日本語の性質その③「動詞が最後に来るから展開が読めない」は、文章を読みにくくする大きな原因のひとつです。

(英語だとI didn't thinkと先に書かれるので、理解しながら読めるよね)

そもそも「、」で長く繋げてると「え? これ主語だれ? え?」っていう混乱の可能性が高くなる。その上、さらに最後の動詞で裏切られたら、混乱はもっと大きくなります。

本当はこう書いたほうがよかったね。

(例2-2)私が昨日パン屋で買い物をしていたときに考えもしなかったのは、ここで同級生に会ってパンをいっぱい持ってるところを見られたら恥ずかしいなってことでした。

動詞をなるべく最初に持ってくれば、「いや考えてなかったんかい」「いや夢だったんかい」「いや妄想だったんかい」みたいなことが避けられます。

でも!
そもそも「。」で文を短く区切ってたら

(例2-3)私は昨日パン屋に行きました。家族の分も買う予定だったので、トレーの上には大量のパン。こんなところを同級生見られたら恥ずかしいな、なんて思いもしていませんでした。

(→だけど、そこで同級生のAが店内に入ってきた瞬間、なぜか突然恥ずかしい気持ちになったんです)

こんなふうに短く区切ってたら「いや思ってなかったんかい」みたいな混乱はだいぶ少なくなるはずです。

■補足

(まあ、わざわざ「(恥ずかしいなんて)思いもしていなかった」と裏切る必要はなかったよね。「でもそれを恥ずかしいとは思ってなかったんです」で十分です(最初の「でも」がむしろ大事)
 だけどそれはまた別の話ね。今は「読みやすい文章」のコツ!「。」で区切ったら、確かに読みやすくなったってこと。それを理解しようね)


・・・


【文を短く区切るメリット②:変な逆説がなくなる】


最初の「例1-1」をもう一度見てみます。

(例1-1)私が夏休みに一番頑張ったのは部活だったんですが、それは顧問の先生が何度も励ましてくれて、諦めそうになった私を助けてくれたのがきっかけでした。

この「ですが」に注目してください。
これ、別に逆になってないでしょ。

この逆になってない「ですが」「だけど」「けれど」には要注意です。
文がめちゃめちゃ読みにくくなるからね。

この「だけど」は、
予想では、この「だけど」です。

ねえ! 暑いんだけど!!!

この「だけど」は、
逆説じゃなくて、強調って感じなのかな。
(専門的に調べてはないのでわからぬ)

「ですが」「だけど」「けれど」が逆を作る言葉。
これは、結構みんなが知ってます。

でも「ですが」「だけど」「けれど」が逆じゃないことがある。
これは、あんまりみんな気づいてないんだ。

だから文章中に逆じゃない「ですが」が来ると、
「逆が来る」って身構えるのに
「逆が来ない」から、混乱を生みやすいんだな。

・雨だけど、傘を持たなかった
(逆だから安心)

・うちの息子小学生なんだけど、今日プール行っててさー
・今日は雨だったんですが、早起きしたのでちゃんと食べました
(逆じゃないから混乱)

この逆じゃない「ですが」は、
喋り言葉みたいな「フランク」なときも多い。
(プールの例)

でも一方で、作文、発表、面接みたいな
真面目モード」のときに発動することも多いです。
(早起きの例)

・これは自分のことですが、睡眠時間は10時間必要なんです

遠慮とか謙虚(けんきょ)とかが、
変に働いてこの「ですが」を生んでるんじゃないかな。

例1-1もそんな感じだったよね。

(例1-1)私が夏休みに一番頑張ったのは部活だったんですが、それは顧問の先生が何度も励ましてくれて、諦めそうになった私を助けてくれたのがきっかけでした。

ちゃんとしよう、と思うがゆえに、
「ですが」を使って混乱を生んじゃう。悲しいね。

でも!!

そもそも「。」で文を短く区切ってたら
この「ですが」「だけど」は生まれにくいはずです。

例1-2は、実はその例でもあったんだ。

(例1-2)私が夏休みに一番頑張ったのは部活でした。やる気がなかった私が頑張れた理由は、顧問の先生が何度も励ましてくれたからです。諦めそうになる私は、その励ましで何度も助けられました。

私が夏休みに一番頑張ったのは部活でした。の後に「ですが」を入れたら、かなり変って分かるよね。

私が夏休みに一番頑張ったのは部活でした。ですがやる気がなかった私が頑張れた理由は(かなり変)

だけど「、」で繋げると、
つい書いちゃう。気づかずに。

だから、
そもそも文を「、」で繋げすぎなければ、
こういう読みにくい文も少なくなるはずです。
ラッキー!


・・・


ということで、日本語には

・ 「、」でどこまでも文が繋げられてしまう
・ 主語がよく省略されるので混乱を生みやすい
・ 動詞が最後に来るせいで展開が読みにくい
・ 逆説じゃない「けれど」「だけど」がある

という性質があります。
楽しい側面でもあるけど「情報伝達」としては弱点だ。

だけどそれらは、

文を「。」でなるべく短く区切る

これだけでだいぶ回避できる、という話でした。


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【読みやすい文章を書くための3つのコツ】
② かっこいいだけで実体のない言葉に注意


さあ、
読みやすい文章を書くためのコツ。
2つめは一言で言うと「かっこつけるな」です。

いやいや!
私はかっこつけたりしてない!
って思うかもしれないけど、たぶんしてます。
なぜか。


・・・


さっきもちょっと話したけど、
「作文」「発表」「面接」みたいな真面目モードだと、
普段と違う言葉づかいになるよね。

普段とは違う、慣れてない、
でも聞いたことのあるような雰囲気の言葉づかい。

ちゃんとしてる風の、
しっかりしてる風の、言葉づかい。
これが結果的に「かっこいいだけで実体のない言葉」になります。

 私が職場体験をさせて頂いたのは第一自由の町保育園でした。第一自由の町保育園では、数十名の保育園児たちを12人の保育士でお世話をされていました。
 何をしていいか分からずにいる私に、ある保育士さんは学生一人ひとりに寄り添って頂きました。その中でも「子どもの目を見てあげてね」という話は印象に残りました。そのアドバイスを通し、私も輪に入っていきました。思いのほかすぐに仲良くなってくれて、子どもを通し、笑いかけてくれることの嬉しさを学ばせて頂きました。一つのアドバイスを通じ、第一自由の町保育園のスタッフになれたようでした。
 そんな中、先ほどの保育士さんは、自らの経験から、本当の信頼関係を築いていて、感銘を受けました。第一自由の町保育園では、一言、ひと笑顔のコミュニケーションを通じ、園児たちを元気にしていたと感じました。
 私は、この貴重な経験から、もっとスキルを磨いて、自分の中で諦めずに元気に頑張る力を今後も発揮していきたいです。

この、ちゃんとしてる風の、
ありそうな感じの文章。

正直、え、普通じゃん?
って思った人も少なくないと思います。
みんな書いてるし、よく読んでるから。

でも、結局この「私」が保育園で何をしてた?
それは伝わってきた?

ほらね。実体のない文章だったでしょう。
かっこいい、それっぽいだけの、中身のない文章だったってことです。


・・・


具体的には、

私が職場体験をさせて頂いたのは

学生一人ひとりに寄り添って頂きました

嬉しさを学ばせて頂きました

頂きすぎ。

そのアドバイスを通し、私も輪に入っていきました

子どもを通し、笑いかけてくれることの

一つのアドバイスを通じ、第一自由の町保育園の

一言、ひと笑顔のコミュニケーションを通じ、園児たちを

通したり、通じたりしすぎ。

しかもね、このアドバイスって
「子どもの目を見てあげてね」なのよ。
なんでこのアドバイスを通して輪に入っていけるのよ。

かっこいい言葉づかい。
かっこいいだけで実体のないから、
論理展開もめちゃめちゃになることが多いです。

だって「一言、ひと笑顔のコミュニケーションを通じ」って何!
どこにも書いてないもん。

かっこいいだけの言葉は、
こういう「説明不足」「つじつま合わず」「繋がってない」ということが多発します。


・・・

何をしていいか分からずにいる私に、ある保育士さんは学生一人ひとりに寄り添って頂きました。

なんで「私」なのに「一人ひとり」だと分かるのか。

その中でも「子どもの目を見てあげてね」という話は印象に残りました。

どの中でも?

保育園のスタッフになれたようでした。
そんな中、先ほどの保育士さんは、

どんな中?

先ほどの保育士さんは、自らの経験から、本当の信頼関係を築いていて、感銘を受けました。

自らの経験とは?(書いてない)
本当の信頼関係って?(書いてない)

私は、この貴重な経験から、もっとスキルを磨いて、自分の中で諦めずに元気に頑張る力を今後も発揮していきたいです。

諦めずに元気に頑張る力‥
今後どころか、今回発揮してたかどうかも不明。

っていうかスキルって、どんなスキルのこと?


・・・


ね。
読みにくいな、と思ってた人でも、まさかこんなに変なポイントが入ってたとは気づかなかったんじゃないかな。

ちなみに、

職場体験をしたのは第一自由の町保育園でした

第一自由の町保育園では、数十名の保育園児たちを

第一自由の町保育園のスタッフになれた

第一自由の町保育園では、一言、ひと笑顔の

架空の保育園「第一自由の町保育園」。
長い正式名称を何度も使うと、文字数を稼いでる印象になります。
(実際そういう意図の人もいると思う)

だけど、そんなつもりなくても、
「真面目モード」がそうさせてしまう。

「スタバ」じゃなくて「スターバックスコーヒー」
「この会社」じゃなくて「貴社」と書かせてしまうんです。

でもね、
自分に馴染んでいない言葉は、なるべく使わないほうがいいです。


・・・


馴染んでいない言葉を使うのも、
かっこつけの一種だ。

普段使わない言葉は感情が逃げていくよ。
中身もない、感情もない文章は、書く必要がない。
「保育園児」じゃなくて「園児」や「子どもたち」でいいんです。

怒られることを怖がらず、
自分の馴染みのある言葉をできるだけ選ぶ
場合によっては「俺が」とか「あたしが」とか「マジで」みたいな言葉だっていいはずです。

もともとルールなんてないはずなのに、
勝手に「ちゃんとしなきゃ」とルール設定して、
縮こまってたらもったいないよ。

ちなみにこの保育園の文章は、今のだけに気をつけて直したところで、たぶんつまんないです。
その理由は、読みやすい文章のコツ③で明らかになります。


・・・


ここで、
さっきの例1-2を、
ちょっと書き直したので見てもらいます。

(例1-2改)私が夏休みに一番頑張ったのは部活でした。それがなかったらと思うとゾッとします。やる気がなかった私が頑張れたのは、顧問の先生がそれを気にして何度も励ましてくれたからです。諦めそうになる私は、それで何度も助けられました。

あれ?

例1-2は、
例1-1を「。」で読みやすくした文だったよね。
なのに微妙に読みにくくなってる。気づいたかな?

実際の例1-2はこうでした。
何が違うか考えてみてね。

(例1-2)私が夏休みに一番頑張ったのは部活でした。やる気がなかった私が頑張れた理由は、顧問の先生が何度も励ましてくれたからです。諦めそうになる私は、その励ましで何度も助けられました。

違うのは、「指示語の量」です。
「それ」とか「あの」とかね。
例1-2改は、指示語を強めに入れてみたの。

指示語って、
使うと分かりやすくなりそうな感じがするよね。
なのに実際は、「それ」がたくさん出てくるせいで、かなり分かりにくかった。


・・・


日本語は「主語」が省略されるから、
そもそも混乱が起こりやすかったね。
その危うい文章に「それ」が多用されると、混乱度はさらに上がります。

この指示語も、
(コンクリュージョンみたいな)カタカナ語も、
かっこつけの一種だと思って、多用しないこと。
絶対に相手が分かる、と思ったときにしか使わないこと

自分で書く文章は、
どうしても客観視が難しいです

自分では合ってるつじつまが、読み手には合ってないことが多い。

(その人だれ?とか。それ何?とか。)

なのでそういう読みにくさは、減らしてあげるのがいいです。

昨日コンビニでプリン買ってワタルんちに行ったんだけど、そこでチエちゃんに会ってそれかわいいねって言うから、俺はそんなことないよって言ったんけど、そのときに、もうコンクリュージョンしたの?って聞いてきたのが残念だった。けどそれはあの時の俺にとってのレゾリューションと同じなのかもしれない。

そこがコンビニなのか、ワタルんちなのか。
それすらも分からない。
今までの総復習みたいな、なんて読みにくい文なんだ。

「でも、ありうるな‥」と不安に思えた人。
大丈夫。えらいぞ。そういう人はきっと伸びます。

(自分のことかも、と思えるかどうかは大事です)


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【読みやすい文章を書くための3つのコツ】
①と②のまとめ

① 「、」で繋ぎすぎない
② かっこいいだけで実体のない言葉に注意

これが今のところ紹介したコツの2つでした。

この2つのコツが、
「読みやすい文章を書くコツ」というより、
読みにくい文章は書かないコツ」って感じなのが、分かるかな。

実はこれは大事な発想です。
何かの力をつけようとするとき、
今の自分に「何かをプラスしよう」とするはずです。
でも大事なのは「阻害要因をなくすこと」。

つまり、
マイナスなものを除外する、という発想。


・・・


□阻害要因をなくす


阻害要因をなくす。
これは「モテるテクニック」とかだと分かりやすいよ。

例えば男性がモテようとすると、
髪色を変えたり、服装を変えたり、
アクセサリーをしたり、香水をつけたりしがちです。
あと「トーク術を身につけよう」とかね。

でもそれが逆に、
「え、なにそのチェーン」とか
「香水つけすぎ」とか、そういう評価になることはめちゃ多い。

「すべらない話のテンションでつまんない話聞かされた」は最悪だ。

よく「清潔感のある人が好き」って言われるよね。
あれは本当は「清潔感のない人が嫌い」のはずなんだ。

だから、見た目を変える前に、
まずは汗拭く、ちゃんと洗濯する、
寝癖は直す、ダルダルの服は着ない。

みたいなことをやるだけで
「阻害要因」はなくなっていくはずです。

そういう「阻害要因」がないってことは、
嫌われる可能性が減るかも、ってことです。
何かをプラスして好かれようとして嫌われる、
それよりは、悪くないかもしれないよね。


・・・


この発想は、結構なんでも使えます。

サッカーだったら、
必殺シュートを習得するより、
抜かれないドリブルを磨く手もある。

やる気を出そうとする前に、
やる気をなくす原因を減らすとか。

個人的には、
結婚式のスピーチとか
クラシックコンサートの司会の、
おもしろくないユーモアが苦手です。
つまらないなら言わないでよ、と思っちゃう。

真剣に話したほうが全然マシなのに、
「ちょっとしたユーモアで場をなごませましょう」
っていうテクニックをプラスしたせいで、むしろマイナスが起こってる。
政治家の失言もだいたいこのせいで起こってる感じがするね。


・・・


日常会話でも、
すべらない話を披露してやる!の前に、
ちゃんと相手の話を聞いたり、
ありがとうって言ったりするのもいいよってことです。

必殺シュートも、
おもしろいユーモアも、
おしゃれなプラスアイテムも、
そんなネット記事読んだくらいで、できるわけないんだ。

プラスのテクニックには、時間と労力が必要です。
しかもリスキーなんだ。時代も影響するから。

じゃあ、マイナスをなくす方向を考えようよ。
こっちのほうが楽で、安定的です。
文章も同じだよってこと。


・・・


読みやすい文章を書く!じゃないんだ。
読みにくい文章は書かないようにする、なんだ。

(個人的には「読みにくくない文章を書きたい」と思ってる)

文章を書く場合、伝えたいことがあるわけだよね。
じゃあそれを一番大事にしてあげればいい。
そこに何かテクニックをプラスすると、そのテクニックだけが目について、大事なことは伝わらないかもしれない。

伝わらない、ということがないようにする。
それだけで、伝わるんじゃない?という発想です。


・・・


伝えたいことを、
車輪つきの台車にいっぱい積んでるとします。

でも、ガタガタ道だと、
スムーズに読んでもらえない。

スムーズに読めない=つまらない、
とすら思われちゃう。それは残念だよね。

残念というか、
これは文として、コミュニケーションとしての問題だ。

意図をくんで、自分なりの情報を、分かるように相手に渡すこと。
これが目的なんだから。

実体のない言葉を
「、」でダラダラと繋いだ文章では、
コミュニケーションとしての責任が果たせない。

だから、
通り道の小石や段差を取り除くような気持ちで、
なるべく「阻害要因」をなくしてみる。

その発想が、

① 「、」で繋ぎすぎない
② かっこいいだけで実体のない言葉に注意

という2つのポイントに込められていたんでした。

でも、3つめのポイントは、
そこからもう1歩踏み込んでいくよ!!
このあとすぐ!!


ちなみに、
ギャグマンガ日和というマンガでは、
読みにくい文章をわざと使った3ページのマンガが出てきます。

ギャグマンガ日和GB1巻とGB7巻の五十嵐ワタルの回です。

ちなみに本当に関係ないけど、
GB2巻の「青春オムニバス」が大好きです。


ーーーーーー


【読みやすい文章を書くための3つのコツ】
③ WhatよりHow


いよいよ最後のコツに来ました。

 第一自由の町保育園での職場体験は、忘れられない思い出になりました。
 絵本の読み聞かせ、お絵描き、外に出て遊具でお遊び、お散歩、お昼寝といったスケジュールをこなすのは大変でした。でも保育士さんのアドバイスがあったので最後まで頑張れました。
 この体験で私は、仕事の大変さと同時に、保育士という仕事のやりがいも学びました。

この文章は、さっきの

① 「、」で繋ぎすぎない
② かっこいいだけで実体のない言葉に注意

には気をつけて書いています。なのに。

なのに全然おもしろくない!!
そして読みやすくもない!!!!!
なんでだ!!!!


・・・


それは、
何をしたか(What)」ばかりで、
どうしたか(How)」が書かれてないからです。

簡単に言うと、名詞が多すぎる。

・忘れられない思い出
・絵本の読み聞かせ
・お絵描き
・遊具でお遊び
・お散歩
・お昼寝
・アドバイス
・仕事の大変さ
・仕事のやりがい

あの程度の文章量で、
これだけの「説明されてない名詞」。

作文が苦手な人が、文字数を稼ごうとすると、
こういうWhatを羅列した文章になるんだと思う。
そしてそのスタイルが固定されていっちゃう。

実際、
たいていの人にとって作文は「書かされるもの」。
だから、正直ほとんどの人がこのWhatばかりのスタイルで書いてるはずです。


・・・


でも、知りたいのは「WhatよりHow」。
読み聞かせ、遊具遊び、
お散歩などの「何をしたか(What)」より、
知りたいのはそれらを「どうしたか(How)」です。

 読み聞かせの反応はどうだった?
 遊具遊びはどう大変だった?
 お散歩はどう感じた?

そのほうがずっと大事。


・・・


前回の「作文・読書感想文の3つのコツ」で紹介したのは、これでした。

① 自分の、を書く
② 差を出す
③ ひとつに絞る

この全部に当てはまるのが「WhatよりHow」です。

でもさっきの文章は、

① 自分主体じゃない活動を
③ 絞らずただ並べてるだけの
② 差のない文章

こんな感じで、どれも守られてない。
だからおもしろくなかったんです。

本当は、

③ 特に印象に残ったことを、
① 自分の視点で、
② 差を出して(マイナスな気持ちもちゃんと)書く

こうするのが良かった。

「WhatよりHow」は、
この3つのコツを一言で言ったようなものです。


・・・


だから書き直すとすれば、

・本が好きだから読み聞かせには自信があったのに、保育士さんと自分の読み聞かせは子どもたちの反応が全然違って難しかった

みたいに絞って差があると読みやすいね。

ちなみに「忘れられない思い出になった」「仕事の大変さとやりがいを感じた」なんかも、どう感じたか(How)や、なぜ(Why)が書いてなければ、かっこいいだけで実体のない言葉です。

書かないほうがマシだ。本当に気をつけよう。


・・・


「WhatよりHow」っていうのは、
言語化の経験が少ないだけで、
実はみんな知ってる考えです。

例えば、ラブストーリー。箇条書きにしてみると、

 出会う
→気になる
→偶然の出来事で急接近
→好きになる
→でもトラブル発生
→それを乗り越えて告白

だいたいこんな感じ。
何が起こるか(What)だけを並べると、
実はどのラブストーリーもだいたい同じです。

でも、同じはずのラブストーリーでも、
好きな物語と嫌いな物語があるよね。
なんでだろう。


・・・


それはHowを見ているから、なはずです。

 どう出会うのか。
 どう好きになるのか。
 どう告白するのか。

あるいは、

 どういうキャスティングにするのか。
 どういうアングルで撮るのか。
 どういうBGMを流すのか。
 どういう色彩にするのか。

Whatは似たようなラブストーリーでも、
そのHowで、好き嫌いを判断してたはずです。

ラブソングなんか、
箇条書きにしなくてもほぼ「I love you」だ。

でも好きな曲と嫌いな曲があるのは、
もちろん「誰が歌ってるか」も大事だけど、
歌い方やアレンジといった「How」がとっても影響してるはずです。


・・・


好きな人の条件とか、
プロフィール欄とかは基本「What」だけだよね。
身長、職業、趣味、年収、経歴、などなど。

でも、それらをすべて満たしてても、
全員が幸せそうなわけじゃないのは、
世の中を見てればなんとなく分かります。

本当は、どう笑うのかとか、
LINEをどう返してくるのかとか、
自分以外の人にどう接するのかとか、
会話中にスマホをどのくらいいじるのかとか、
そういう「プロフィールに書けないHow」の方が
重要なのにな、とは思います。

じゃあ、
なんでプロフィールに書けないのか。

それはね、
大事なHowは、Whatと違って、
一言では書くことができないからです。

だからこそ、
そこを文章にしてあげるのがいいんじゃない


・・・


改めて。

WhatよりHowのほうが大事ってことは、
実はみんな知ってるけど、気づいていない。

それから、

Howは、一言では書くことができない。

だからこそ、
文章はHowを丁寧に書いてあげるのがいいです。


・・・


同じ言葉でも、
同じ先生でも、
同じ音楽でも、
同じ映画でも、
受け取り方はちがう。

自分にとって大事な作品が、
他の人にとってはなんともないこともある。

その違いを、
自分ならではの感じ方を、
嘘をつかず、なるべくそのまま文章にしてみる。
それがWhatよりHowです。

もう自分で書けそうかな?
逆の視点で考えると、
Whatが羅列されてるだけの文なんて読みたくないでしょ?ってこと。

自分にとって普通のことは、
相手にとっては興味深いこともある。
自分の感じたことを、思い切ってそのまま書いてみようね。
(だけど人をなるべく傷つけない方向でね)


ーーーーーー


ということで、
読みやすい文章を書くための3つのコツでした!
頑張った!(お互い!)

① 「、」で繋ぎすぎない
② かっこいいだけで実体のない言葉に注意
③ WhatよりHow

自分で言うのもなんだけどシンプル!
シンプルだけど、最低限の大事なことです。
大事なのは「阻害要因をなくす」っていう発想。

意外とやっちゃいそうなことを、
誰でもできるやりかたで防ごうね。

そして、Howを勇気を持って書くんだ。
みんな、他の人の失敗談とか好きでしょ。
つい笑っちゃうよね。

だから、恥ずかしくて言いたくない気持ちこそ、
読みたいと思わせてくれるものかもよ。


・・・


また、自分の感覚では、
「読みにくさ」に向き合ってたら、
不思議と読解力が上がりました。
(昔はとっても誤読が多かったんだ)

このサイトを作るときに読んだこの本は、
そのきっかけのひとつになったと思います。
(「、」で繋ぎすぎない、はこれで学びました)

辞書を作ってる飯間浩明さん「伝わる文章を書く技術」

もしくは改訂版の「サクっと書けちゃう! 文章レシピ60」


・・・


ちなみに、
この3つのコツが書けたのは、
たまたまエントリーシート(就活時の履歴書)
の添削をお願いされたからです。
この添削をしてるうちに、分かってきたことをここに載せました。

実際の添削はここで読めるので、
実践編として、ぜひこっちも読んでください。

そして、
自分には、作文に書くような
「特別なエピソードなんてない」っていう人に。

こういう文章も書いたので、気になったら。


ーーーーーー


ということで!
読みやすい文章を書くための3つのコツでした!

実は、自分は文章が下手だっていう自覚がずっとあったんだ。

だから、このサイトを作るときと、
その後、エッセイを書き始めたときに、
ちょっと頑張りました。

頑張ってたら、むしろ「文章読むの苦手なのに、最後まで読めました」って言われるようにもなりました。うれしかった。

今でも汗流しながら書いてるけどね。
3つのコツがシンプルだったのは、
基本は、自分で感じていったことだからです。

① 「、」で繋ぎすぎない
② かっこいいだけで実体のない言葉に注意
③ WhatよりHow

マネできそうでしょ?

ちなみに「WhatよりHow」は、
上の添削のあと、独立して一つの文章になりました。
こっちがエッセイ!文体がちがうぞ!
こちらもぜひ!

ということでおしまい!
楽しく書けたら、読ませてねー!


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