ミスが多すぎる約分の注意点 【式の計算】
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ここでは約分の注意点について扱います。
ここはとにかくミスが起きやすい!
じゃあまずこれを解いてみてください。
(ちなみに普通の約分を超得意にしたい人はこっちだよ!)
・・・
さあどうかな。
こんなふうに解いた人いない?
これは絶対やってはいけません。
どうしてか。
こういう分数は2行目みたいに「分ける」ことができます。
分けたあとに約分してるけど、「3y」の方には「8」がまだ残ってるよね。
だからこうやって、長い分数のときに「4」にしてはいけないんです。
つまりこの分数は
この状態で答えでもいいし(これ以上約分できないから)、
分けて、これで答えでも、どっちでもいいということです!
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次の分数もやってみよう。
さっきの「3y」が「4y」になっただけ。
はいはい、どうせこれもこのままで答えでいいんでしょ?
いいえ、違います。
なんででしょう?
「8」も「2x」も「4y」も(これを「項(こう)」と言います)
全部2の倍数だから「2」で割れるでしょ。
こういうときは「一気に」約分をしなくちゃいけないんです。
こういうふうに!
僕の中学のときの先生は「ハートの法則」って言ってました。
項(こう)を囲むとハートみたいに見えるからね。
ハートの法則は分かりやすくて結構使えます!
ちなみにさっきの問題は
一気には約分できないよね。ハートで囲めない。
だからもう、これで答え。その違いです。
そして当然、さっきと同じで「分けて約分」してもOKです。
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ごちゃごちゃしてきたかな?
さっきの問題とまとめてみようか。
① 長い分数のまま、「ハートの法則」が使えるなら使う
② 分けて約分
答え方は2つあるということです!
ごちゃごちゃした人は、②のやり方ならいつでも答えになるよ。
だから毎回②でもOK。
でもハートの法則も結構使えるんだよなー。
分子の項が3つ以上だとハートじゃなくなっちゃうけどね。でも使えるよ。
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じゃあこの問題はどう?
今度は分子が「かけ算」です。
このときの解き方はこう。
こっちがこれか!!!って感じでしょ?
この問題と、さっきの問題が混ざってたから計算ミスが多かったんです。
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でもなんでかけ算のときは「ハートの法則」使わないの?
そう思った人用の解説ね。
たとえばこの分数について。
この分数を約分すると
こうだよね。
ここで、元の式の「8」をちょっと分解してみよう。
たとえば「8」は「2×4」でもあるから、こういうふうにできるよね。
これに「ハートの法則」をやってみようか。
変なんなるでしょ?
でもさっきみたいに片方だけにすれば
って、ちゃんと答えになります。
前に方程式で「かけ算わり算はひとかたまり」って書いたの。
かけ算わり算は「ひとつの数字」って思わないといけないんです。
「ひとつの数字」なのに、ハートの法則で、2回以上約分しちゃダメだよね。
これがかけ算に「ハートの法則が使えない理由」でした。
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改めて2つのパターンを並べてみましょう。
この2つをちゃんと区別すること。
これを踏まえて次に進みます。
このページは演習問題なし!だけどものすごく大切なページでした。
(ちなみに「×(かける)」を小さめに書いてるのは「x(エックス)」との区別をするため。こういう工夫でミスが少なくなるよ!)
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