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自分には「特別なエピソードなんてない」って思う人に。


作文。
エッセイ。
エントリーシート。

面接。
発表。
スピーチ、トーク。

みんなおもしろく書けてすごいな。
みんなおもしろくてすごいな。

自分なんて全然だ。
この課題、どうしよう。

そう思ってる人は、少なくないはずです。


ーーーーーー


「読みやすい文章のための3つのコツ」で、
大事なのは「WhatよりHow」だよという話をしました。

何も言うことがない、何も書くことがない人は、

私は学生時代あれもこれもやって、ここではリーダーをやって、この活動にも参加して、学業も怠らずに学年トップ10をキープしてました。

こんな人をうらやんだり、嫉妬したり、
自分も何かやっておけばよかったなと、
後悔したりします。

だけど、
こんなふうにWhatを羅列する必要はないんだ。

自分の中で印象的なことを選んで、Howに注意して話したり、書いたりすればいい。一定じゃなく、差を出そう。マイナスな気持ちも正直に書こうって話してきました。

 私は学生時代、胸を張れることがあまりありませんでした。
 だけど、地元のパン屋のアルバイトだけは、休まずに続けられたのが誇りです。最初はただ仕事だからと続けていただけですが、それがいつしか一緒に働く人やお客さんからの信頼に変わっていくのを感じてきました。
 継続とは信頼なんだと、私はこの仕事から学んだんだと思います。

大事なのはWhatよりHow。

学歴や年収には(惹かれても)恋はできません。
実際は、楽しそうに食べるところとか、悩みながら頑張って生きてるところとか、そういうHowに惹かれるものです。

じゃあ文章だって、会話だっておんなじだ。


・・・


WhatよりHowだと分かったら、
あとは、勇気を出してHowを伝えること。
なんで勇気が必要か。

Howには「マイナスな気持ち」が
ほぼ必須だからです。
自分の弱点とか、嫌な心とか、そういうのと向き合って、放出する必要がある。それには、多少の勇気がいります。

でも、人の失敗談とかって、つい笑っちゃうし、
そういうマイナスな話をしてくれると、
不思議と心を許してくれたような信頼感が湧くよね。

逆に、取り繕って、
プラスしか話さない人は、なぜか信頼しにくい。

だからきっと受け入れてもらえると信じて、
勇気をもってHowを伝えるんです。


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それでも何を話したらいいか、
何を書いたらいいか分からなかったら。

そしたら、
「特別なエピソードなんてない」っていうことを、
Howに注意してエピソードにすればいいんだ。

引け目を感じてたこと、
でも本当は頑張りたいこと。
それは実は、とてもドラマチックなエピソードなんだよ。

 私が後悔してるのは、学生時代、何の部活も、何の行事にも参加しなかったことです。学生の仕事は勉強だと信じていたけど、結局、勉強もそんなにできませんでした。
 きっと生きていくということは、複数の経験が、お互いを保管し合っていくのだと思います。1つだけでは、豊かになれないし、共感ができない。
 だけど今でも、行動するのをためらってしまいます。
 でも、もうそれを、学生時代の自分のせいにはしないようにしたいです。今の自分が、何を選択するか。それだけ。
 誰にも話せないくだらない話を、みんなみたいに「なーんだ」と言える日を、私は信じたいです。

Whatを並べるには数が必要です。
でもHowには数は必要じゃない。
エピソードがないことすらエピソードにできる。

ね。
頑張れそうだよね。


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最後に。

どんな小さな本屋にも、
ビジネスコーナー、自己啓発コーナーがあります。

社会学のコーナーとか、
小説の単行本のコーナーはないところもあるけど、
ビジネス、自己啓発は必ずある。
しかもだいたい平積み(表向きに置くこと)です。
売れるんだろうね。

やっぱり、気を引くタイトルの本が多いです。
お金と、一流と、あとは、

「最強の話し方」
「人を惹きつける話術」
「話す前に読みたい本」
「一生使える書き方」
「文章術ベスト10」

的なね。
話術、文章術みたいな本もたくさん並んでいます。

でもちょっと考えてよ。
なんで「聞き方」「読み方」の本はほぼないんだ。
あっても、全然目立たないしね。

そしてなんで、
人の話を聞きもしない読みもしないあんたの、
トーク術で磨いた話でこっちが惹きつけられなきゃいけないんだ。


・・・


みんな、自分が自分がだ。
自分の話を聞いてくれ、自分の話を読んでくれ。
だからなんでお前の話を聞かなきゃいけないんだ。

「聞く」「読む」というのは、
本当はすごく大事なはずです。でも軽視される。
「聞く」も「読む」もしない、声の大きな人が、
なんか大声で話してくるからです。

そういう人たちと比べて、
「自分には話したりすることはない」って思ってたんじゃない?

みんなおもしろく書けてすごいな。
みんなおもしろくてすごいな。
自分なんて全然だ。

でも「話す」「書く」はただのツールだよ。
中身があるかどうかは、また別の話だ。

誰かの目立つ声、誰かの目立つ経歴で、
自分を卑下する必要はないです。

むしろ、恥ずかしくて発表はできないだけで、
「聞く」「読む」がちゃんとできてる人も多い。
それは、何よりすごいことだよ。

ただ今はまだ、
自分の気持ちを言葉に変換するのが苦手なだけ。
でもそれも、さっきHowを習ったから、もうできそうだよね。


・・・


発表でも、作文でも、
つい「自分が頑張った話」、
言い換えると「自分がリーダーとして頑張った話」を選びがちです。

・ 部活で部長をやった
・ ゼミでゼミ長をやった
・ 新プロジェクトで責任者を任された

やっぱりこういうのが目立って、
「あー自分は何もしてなかったなー」と後悔したりして。

特に学生時代は、
推薦や就活を意識してリーダーをする人もいるし、
アルバイト募集サイトには「リーダーシップの経験が就活で役立ちます!」なんて書いてあったりもします。

でもさー。
でもさー、です。

リーダーってそんなに必要なのかな。
だって、リーダーじゃない人のほうが、圧倒的に多くない?


・・・


支える。
話を聞いて理解する。
理解して周りに浸透させる。

それができるのは、
リーダーじゃない人だけです。

自分のパワーが信じられなくても、
他人のパワーになれる人。
それは、実はものすごい力なんだよ。

自分にいいところがなくても、
人のいいところを見つけられる人。
それは、とっても素敵なアピールポイントだよ。
いいところすぎるくらい、いいところだ。

誰のことも嫌いにならない人。
最高だよ。
君がいるから世界は保ててる。

つい人の悪いところに目が行ったり、
つい粗を探しちゃう人。
それはいろんなところに目がいくってこと。
それもいいじゃん。うまく書けばいいんだよ。

ぼーっとしてるって言われる人は、
ぼーっとしてることを、勇気をもってHowで伝えるんだよ。

 正直、私にはぼーっとしてるところがあります。
 迷惑かけたこともあります。
 だけど、緊迫した雰囲気のときに、○○さんがいてくれるとホッとするよと言ってくれた人がいました。それは雪解けのようにうれしい言葉でした。
 それに私は、ぼーっとしていても、○○だけは手を抜いたことがありません。だから、次の場所でもきっと力になれると信じています。

全然悪くない。
自分の言葉って感じがするよね。
だから嘘がないって感じがするよね。

適当にかっこつけた文章では、
その人が見えにくいんだ。

リーダーはそんなにいらない。
リーダー経験のアピールはいらない。
自分が、自分が、じゃなくていい。
他人のパワーになれるなら、
それを選んで、勇気を出して伝えよう。


・・・


「エピソードなんてないよ」

そう思ってるほうが普通です。安心して。
その感覚、変じゃないです。安心して。

変だと思ってるのに、
無理に合わせる必要ないです。

自分の言葉で、自分のことを、
勇気を出して伝える。
いっぱい見つけなくてもいいです。
WhatよりHowなんだから。
深く言えるものが、見つけれたらいいね。

応援してます。
君のパワーになるための文章でした。

本当に最後に、
たった3分の、超オススメ動画を載せておきます。
何回見てもとんでもないって思う。
リーダーが偉いわけじゃないんだよ。

元動画


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作文・読書感想文の3つのコツ
(トークにも使えます)

読みやすい文章を書くための3つのコツ

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