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なんで春日影やったの!?!?!?

これはアニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」第 7 話で話題になった有名なシーン、そしてこの発言をしている「長崎そよ」の代名詞の一つとして扱われることもあるひと言。
皆さんも一度は目にしたことはあるかもしれませんし、この記事を読む人は当然アニメ「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」を視聴している方が多いと思います。
曲が流れたりCMが流れるたびに軽率にこのタイトル「なんで春日影やったの!?」というコメントやつぶやき、しまいには「なん春」と略されてしまう始末。
「もう飽きたよ」「面白いと思ってるんか?」「MyGO!!!!!のこと何もわかってない!ブロックしてやる!」と思っている人もいると思います。
私自身アニメ放送直後はさすがに衝撃的すぎてネタにしたこともありましたが、アニメを見終えた後はそんなことができなくなりました。
この発言を軽率に取り扱っている人、愛音ちゃんのこと見て「ANON TOKYO」って呼ぶ人とかラブライブ!のキャラクターを見て「μ's」って呼んだりアイドルキャラ全部「アイドルマスター」って言ってるようなもんだと思うんですよね。
「アニメ」で一括りにされたり昨今はあまり聞きませんけど「萌え声」とか「ロリコン」とかと同じように大枠で雑に取り扱ってると思いませんか。
色んな解釈があると思うので自由であるということを前提に、今更ながらこの「なんで春日影やったの!?」について少し考察したくて、あまり軽率に使われなくなるといいなと思ったので吐き出させて頂きます。
暇つぶし程度に目を通して頂けたら幸いです。

春日影

いい曲ですよね。

なんで春日影やったの!?」へ繋がった第 7 話「今日のライブが終わっても」、
そして第 3 話「CRYCHIC」の計 2 話でシリーズ中に流れたこの「春日影」という楽曲。
この曲の立ち位置について振り返るべきだと考えます。

春日影 とは


画像と共にざっくり振り返ります。

1 話燈のノートに書かれた歌詞

物語を動かし続ける千早愛音ちゃんとは別のもう一人の主人公。なんだか周りに馴染めない中学三年生の高松燈は「ハクウンボク」の花に誘われてとある少女と出会います。

飛び降りと勘違いしてしまう豊川祥子。顔がいい。
燈のノートが歌詞だと勘違いして曲にしてしまう天才
運命共同体(バンド)をしようと提案し
絆を深め
「春日影」の作詞が終わり
これは私達の歌ですわ~~!
まだ燈にもツンなりっきー
素晴らしいライブでした。感動の嵐
感情を表現できなかった燈が涙を流せたのは「CRYCHIC」だけだった
バラバラになったピースを集められそうなので愛音ちゃんを利用しようとする
一瞬見た春日影がいい曲なので気に入った野良猫
ライブに祥子が居ることに気付いた燈
CRYCHIC時代から抱えていた気持ちを吐露する燈。
「私の詩は心の叫びだから!」
春日影のイントロでひきつる祥子
テンションが上がってやる気満々のりっきー
やらないはずの春日影に困惑しながらも合わせるそよりん
泣き出して飛び出す祥子
祥子が居る、泣いていたことに気付いたそよ
謝罪を続けるそよりん
なんでもするから許して欲しいそよりん

と、楽曲が完成して 2 回披露される前後の流れがあるわけなんですが。

  • 「春日影」は「CRYCHIC」について書かれた歌である。

  • 豊川祥子にとってCRYCHICの楽曲として初めて作成した曲である。

  • 高松燈、長崎そよ、椎名立希、豊川祥子にとって初めて「バンド」で演奏した楽曲である。

  • 初披露で大成功ライブになった楽曲。

  • CRYCHICで唯一の楽曲。

これは 3 話までで読み取れる情報。

  • 千早愛音にとって初めて出会った天文部の少女が所持しているノートに記載されていた何か。

  • 燈にとってCRYCHICの大切な想い出。

  • 愛音にとって初めて練習したバンド楽曲。

  • そよはCRYCHICの想い出を大切にしたいのでなるべく他者が春日影を演奏しないようにしたい。

  • 要楽奈にとって偶然目にした良い楽曲。

  • 祥子にとってCRYCHICを思い出す楽曲。

これが 7 話までで読み取れる情報。
CRYCHICに関わったメンバーにとってその立場や目的から楽曲に対する感情が異なる点が大きな亀裂に繋がっていると思います。

燈の場合
CRYCHICは唯一感情を大きく動かされた存在。”一生やるバンド”のはずだった。でも、自分のせいで解散になったと思っている。
自分の心を書き起こして歌っているので、詩は心の叫びである。
CRYCHICはバンドのトラウマでもあり大切な存在だったのでポジティブな存在でもある?
春日影→心の叫び→ポジティブ(?)

愛音の場合
見栄を張るためのバンド、それっぽいバンド活動ができればそれでいい。
いい曲だった。沢山練習した。楽奈ちゃんギター上手すぎ。目立てないから嫌。詳しくわかんないけど今からまた頑張ればいい。
春日影→ただ練習した曲→ネガティブではない

立希の場合
燈の歌、最高すぎ。大好き。マジでヤバイ。全人類聞くべき。燈の良さが分からないやつは生きてる価値ない。CRYCHICは祥子が勝手に集めて勝手に辞めた。燈が帰って来るまで待ってる。祥子が居なくても燈とバンドやりたい。燈、一生一緒だよ。祥子の作曲能力が羨ましい。お姉ちゃんと比べられて引け目を感じているので一人になりたい。
春日影→やっぱり燈とライブできるの最高。テンション上がってきた。楽奈ナイスこのままやろう。燈の歌最高だから。→ポジティブ

そよの場合
CRYCHICをやり直したい。CRYCHICの曲はCRYCHICだけのものだからCRYCHICが復活するまで演奏したくない。
春日影→ライブでやるの!?→楽曲自体はポジティブ
祥子を見つける
→待って、やるつもりなかった。CRYCHICやり直してからのつもりだった。私の意志じゃない。CRYCHICを、あの幸せな時をやり直したいの。

楽奈の場合
おもしれー女のおもしれー曲。いい曲。出会いの曲。やっと見付けた居場所の曲。ライブする。ギター弾く。
春日影→超ポジティブ

祥子の場合
CRYCHICは終わらせたが大切だった?春日影は自分の曲。CRYCHICを続けたかった?やむを得ず解散させたCRYCHICを思い出し辛くなって飛び出した。燈やそよが別のバンドとして活動しているのがショックだった?
春日影→ネガティブ

以上を踏まえて
そよ、祥子、それ以外で分類。

そよ視点
名前未確定のバンドでは碧天伴走だけをやりたい。CRYCHICの楽曲はCRYCHICだけでやりたい。CRYCHICをやりたいから繋ぎのメンバーは切り捨てる予定。一旦ライブさせて祥子に会ってからメンバーを再結成へ向けて集めていることを伝えて再始動したい。若葉睦はおまけでついてくるはず。

祥子視点
何かしらの理由で解散したCRYCHIC。ライブ直後は続けたかったはず。
逃げ出したくなる。どうしようもない状況。悔しい?思い出して忘れたくなった→電話での「全て忘れさせてくださいまし」
春日影という楽曲そのものには執着が少ない?→公園での「ご自由にどうぞ」から割り切ったのかこの時までは大切にしていたのか

それ以外
楽奈による暴走、事故、やむを得ずorテンションが上がって勢いでやる。
楽奈にとってはやっと手に入れた居場所、SPACE跡地駐車場含めて放浪していた中で居たいと思った場所、きっかけになった楽曲。バンド。

結果として未来のMyGO!!!!メンバー内では祥子に遠慮する必要がなく燈のライブ最高立希と感謝も含めて歌った燈と演奏したいだけの楽奈とライブめっちゃいいじゃんとなっている愛音に対して計画が総崩れしたそよの怒りが到達してしまい「なんで春日影やったの!?」へ繋がります。
立希もどこかで燈とバンドをやるために利用していたことが明かされますが、それはそよが来なくても八幡海鈴を引き入れたり新曲を作ったりともがきながら進もうとする姿からも伺えます。しかしそよはCRYCHICの5人に拘っていた為にその5人以外での演奏はしたくない、繋ぎのメンバーに汚されたくないという想いが強く衝突してしまったのかなと思います。

いつかキャストの人が言っていたように、視点が違えば、例えば祥子がバンドを復活させたかった場合はそよがヒーローになっていた可能性があります。その時、この曲はきっと救ってくれる曲だったはずです。もしかしたらこの時披露されなければそうなっていた世界線だってあったのかもしれません。たらればですが。そうなったらネタになるとしても別の見られ方もしそうですし。優しく温厚に取り繕っていたそよが激昂してしまうのも等身大らしさがあります。厳しい家庭環境から母親から頼られることを経験し、月ノ森へ入学してまた同級生に頼られる喜びを知り、承認欲求が満たされ、”運命共同体”とまで言われた寄り添う先はCRYCHICしかなかったそよが唯一頼れる場所を失くしたとあれば怒るのも自暴自棄になりかけるのも少し納得してしまいます。

3話まではポジティブだった春日影も時が経つことで印象を変えていきますね。ポジティブだったからこその怒り、反動も大きいと感じました。

劇場版公開によって、またアニメAve Mujicaが始まってからどう印象が変わるかわかりませんが、少しでもネタにする時に考えるようになればいいなと思いました。書き始めてから公開まで1ヵ月くらいかかったので気持ちや考えがうまくまとまっていませんが、一旦公開させて頂きます。


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