大人の部活の深い味わい〜#東京ラメーン部
趣味のコミュニティーほどわくわくするものはない。
学生時代は転校が多かったこともあり、ひとよりも多くの部活を体験していた。
当時も楽しかったのだから、大人になった今は経験値が上がっているぶん本気度と遊び心が加わって楽しさもパワーアップしている。
昨年ほんの数か月所属していたオンラインサロンにも魅力的な部活が数多く存在し、欲張りな私は15ほどの部に名前を入れてもらっていた。
中には時間と体が足りずに幽霊部員状態のものもあったが、共通の趣味で盛り上がれる人たちとの会話がたまらなく楽しくてどんどんハマっていった。
もうあの頃の熱量や行動力は衰えてしまったが、最近になってTwitter友だちとふざけ半分で部活を結成した。その名も「 #東京ラメーン部 」。
わざとおかしなネーミングにしたのは、すでに「東京ラーメン部」なるハッシュタグがあったから。活動前から悪ノリを楽しむ私たちなのだ。
第一回の部活は、渋谷でもトップクラスの美味しさで有名な人気店。
行列を覚悟していたが、当日はまさかの超悪天候。傘もさせない強烈な嵐だというのに、誰も「延期にしよう」「違うお店に変更しない?」なんて口に出さない。
ずぶ濡れになろうが、大人の本気の悪ふざけはすべてネタになるのだ。
己の馬鹿さ加減に笑いながらオープン前にお店に到着したものの、やはり行列はそこにあった。美味しいラーメンの魅力に取り憑かれたリピーターは命知らずなのだろうか...!
私はかつて札幌でラーメンのまとめサイト管理人をしていたことがある。週末には札幌市内のラーメン店へ趣き、感想をネット上にアップする習慣もあった。
ラーメンという食べ物は個人の好みがかなり分かれる。
ネット上では味の良し悪しについて議論が繰り広げられ、disられた店主が自作自演をして自分の店をフォローし、それを見破ったラヲタがさらにdisるという、荒らしや粘着などでサイトの掲示板が炎上するなんてことはザラだった。なので、できればラーメンを食するときは家族以外の人間とはあまりご一緒したくないと思っていた。
だが、東京ラメーン部は違った。
もちろん、かなり評判の高い人気店を選んだので誰も文句を言わないであろうことは予想された。しかし、それだけではないのだ。
純粋にラーメンを愛する部員は、最初からネガティブな言葉を持たなかったのである。ラーメンサイト管理人時代に闘っていた荒らしたちとは、そもそも人としての格が違う。
そう、大人。
うんちくなんて語らなくていい。
ただただ、同じ空間で同じラーメンをすすり、ああ美味しかったね、と満足な笑いを浮かべる。ただそれだけの、しかし心まであたたかな大人たちなのだ。
あたたかくて素晴らしいラーメン仲間たちにただただ感謝!
次回の活動も楽しみで今からわくわくしている。