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君が思い出になる前に


仲良しの友だちと数か月ぶりにごはんを食べた。

マニアックな趣味や感覚、価値観までがまるで姉妹のような彼女。

時間を忘れて笑い、毒づき、また大いに笑った。


その時に気が付いたのだが、私は友だちとこんなふうに食事をすることがこの1年で激減している。

子どもの数だけママ友にも恵まれ、PTAやいくつかのコミュニティにも所属しているため友だちはかなり多い方だと自負している。

数年前までは飲み会やランチ会の幹事は喜んで立候補するのが常だったし、この界隈の美味しいレストランや新店情報は脳内データとして蓄積されていたのに。


原因はわかっている。

FacebookからTwitterへSNSの活動拠点を引っ越したせいである。

魅力的な人たちと140文字でやり取りできる世界は私にとって居心地が良すぎるため、リアルな友だちがひしめくFacebookとは疎遠になってしまったのだ。

1週間ぶりに覗いてみれば、

誰かが転居した後だったり

知人のお店が閉店していたり

ずいぶん前に友だちが結婚報告をしていたり。

ちょっぴり手軽で残念な浦島太郎気分を何度も味わう始末。

同時に、Facebookならではのもやもやにもうんざりしてしまうのだ。



誤解のないように言っておくが、私はママ友に恵まれているし彼女たちが大好きだ。

ただ、20年ほどネット住民をしている私にとって、SNSとリアルな世界を混同している彼女たちの行動はあまりに危うくてハラハラしてしまうのだ。

また、リアルな友だちが多ければ多いほど、長文の近況報告を読んでコメントするのが億劫になってしまう。いいねを押すのが精一杯。

そう、私は140文字以上の文章を読むのが苦痛な立派なツイ廃になっていたのだ。



それでも、気が置けないママ友たちとのリアルなおしゃべりはやっぱり楽しい。

『男はつらいよ』の寅さんのように風の向くまま気の向くまま、たまにはふらっとFacebookを覗いてみようかな。

そして彼女たちをごはんに誘ってみようかな。

一緒に笑ったり毒を吐くと楽しいよね♡


ふんわり優しい気持ちになって、スマホを手に取りLINEを開く。




未読164件。



友だちからの通知には対応しているので企業アカウントの未読件数になるが、それにしても放置がひどい。

どうやら私はLINEを見る時間すら惜しむほどの立派なツイ廃と化しているようである。


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えりか@スタエフ、朝6時5分の女
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