用語集: 「百匹目の猿現象」 <ー 実は作り話
今回は「百匹目の猿現象」についてみていきましょう。
実は、虚構の話です。
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「百匹目の猿現象」: 生物学者のライアル・ワトソンが創作した架空の物語であり、生物学的な現象ではありません。
この物語によると、ある研究者が、幸島という無人島に200匹のニホンザルを連れて行き、サツマイモを洗って食べる方法を教えました。最初は数匹の猿だけがこの方法を真似しましたが、ある頃になると、突然多くの猿がこの方法を習得し始めたといいます。研究者は、これが100匹目の猿が真似をしたことがきっかけで起こったと考えました。
しかし、この話は創作であり、実際にはこのような現象は起こっていません。ワトソンはこの話を著書の中で紹介しましたが、あくまでも比喩として用いたものであり、科学的な根拠に基づいたものではありません。
近年では、この話が比喩として用いられることがあり、「ある行動や考え方が、ある一定数を超えると、それが接触のない同類の仲間にも伝播する」という意味で使われることがあります。
しかし、この比喩も科学的な根拠に基づいたものではなく、注意が必要です。実際には、行動や考え方が伝播するかどうかは、様々な要因によって異なります。
百匹目の猿現象は、創作された物語であり、科学的な根拠に基づいたものではありません。この話を鵜呑みにせず、批判的に考えることが重要です。