用語集: 「(超電導体の)転移温度」

今回は「(超電導体の)転移温度」についてコメントをさせて頂きます。

最近「原子力機構と東北大、新・超伝導状態 ウラン系超伝導体の超純良単結晶で発見」という嬉しいニュースが伝わるものの、転移温度が分からないとあまり楽しめませんので今回取り上げます。

「超電導体の転移温度(Transition Temperature)」: 超電導現象が起こり始める温度のことを指します。通常、物質を冷却すると、その物質の特性が変化することがあります。超電導転移温度もその一つであり、一定の温度以下で超電導現象が現れるようになります。

超電導転移温度は、各種の超電導体によって異なります。一般的な金属や合金の場合、超電導転移温度は非常に低い温度であり、数ケルビン(-270度 Celsius以下)の範囲になります。一方、高温超電導体と呼ばれる一部の酸化物材料では、より高い温度で超電導が起こることが知られています。

1986年に発見された最初の高温超電導体である銅酸化物(カッパ-バリウム銅酸化物)は、液体窒素の沸点である77ケルビン(-196度 Celsius)以上で超電導現象が見られました。これにより、より簡単な冷却方法が可能になり、超電導技術の応用範囲が広がる可能性がありました。

その後、他の酸化物材料や鉄系超電導体など、さまざまな材料で高温超電導が発見され、転移温度がさらに高い範囲で超電導が実現されるようになりました。ただし、現時点での最高の転移温度はまだ非常に低く、液体窒素の温度範囲内に留まっています。

超電導の転移温度を高めるための研究は現在も進行中であり、高温超電導が常温で実現されることが望まれています。このような進展があれば、超電導技術はより広範な応用領域において実用化され、エネルギー効率の向上や高速な電子機器などへの応用が期待されています。

一言では、物質が超電導になる温度。 これは通常物質により異なります。

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