社員A 個人ヘッジファンド編♯62 : 「アノマニー」
今回は「アノマニー」について見て行きましょう。
よく聞くかもしれませんが、今回は意味の復習です。
金融業界の「アノマニー」を見て行きます。
「アノマニー(anomaly)」: 効率的市場仮説では説明のつかない証券価格の変則性です。明確な理論や根拠があるわけではないが当たっているかもしれないとされる相場の経験則や事象である場合が多い。
効率的市場仮説とは、市場は常にすべての情報を反映した価格で取引されており、将来の価格を予測することは不可能であるとする仮説です。しかし、実際には、金融市場では効率的市場仮説が完全に成り立っているとは言えず、アノマニーと呼ばれる現象が観測されています。
金融のアノマニーの代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
1月効果:毎年1月に株価が上昇する傾向があること
5月に売り逃げろ:5月に株価が下落する傾向があること
曜日効果:月曜日に株価が下落する傾向があること
モメンタム効果:過去に上昇した銘柄は今後も上昇する傾向があること
リターン・リバーサル:過去に下落した銘柄は今後上昇する傾向があること
低PER効果:PER(株価収益率)の低い銘柄は今後上昇する傾向があること
小型株効果:大型株よりも小型株のほうが今後上昇する傾向があること
これらのアノマニーの原因は、必ずしも明確には分かっていません。しかし、以下の要因が考えられます。
情報の非対称性:投資家間で情報の偏りがあるため、ある情報に注目した投資家が相場を動かすことがある。
心理的要因:投資家の心理的な要因が相場を動かすことがある。
規制:政府による規制が相場に影響を及ぼすことがある。
金融のアノマニーは、投資家にとって有利に働く可能性もありますが、必ずしもそうとは限りません。アノマニーに過度に依存した投資は、リスクを伴うため注意が必要です。
なお、金融のアノマニーは、常に存在しているわけではありません。過去に有効だったアノマニーが、将来も有効であるとは限りません。常に新しい情報を収集し、相場を分析することが重要です。
Note:
「アノマニー(anomaly)」: anomaly は、anomalous の形容詞形で、異常な、変則的なという意味です。金融のアノマニーは、効率的市場仮説では説明のつかない証券価格の変則性であるため、この言葉が用いられます。
例文:
The stock market anomaly called the January effect is when stocks tend to rise in January.
The anomaly called the small-cap effect is when small-cap stocks tend to outperform large-cap stocks.
なお、金融のアノマニーは、英語ではmarket anomaly とも呼ばれます。