用語集: 「原子力電池」

今回は「原子力電池」について見ていきましょう。

そのうち、これが出てきた場合、スマホの充電はいらなくなるかも?

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「原子力電池」: 放射性物質が崩壊する際に放出される熱エネルギーを利用して発電する装置です。宇宙探査機や人工衛星など、太陽光が届きにくい場所や長期間にわたって電力を供給する必要がある場面で活躍しています。

原子力電池の仕組み

  1. 放射性物質の崩壊: 原子力電池には、プルトニウム238やストロンチウム90などの半減期が長い放射性物質が封入されています。これらの物質は、自然に崩壊する際に熱エネルギーを放出します。

  2. 熱エネルギーの変換: 放出された熱エネルギーは、熱電変換素子と呼ばれる装置によって電気エネルギーに変換されます。熱電変換素子には、温度差が生じると電流が流れるという性質があり、この性質を利用して発電が行われます。

  3. 電力の供給: 変換された電気エネルギーは、機器に供給され、様々な用途に利用されます。

原子力電池の特徴

  • 長寿命: 放射性物質の半減期が長いため、長期間にわたって安定した電力を供給することができます。

  • 高エネルギー密度: 小さな体積で大きなエネルギーを蓄えることができるため、宇宙探査機など、搭載スペースが限られている機器に適しています。

  • メンテナンスフリー: 動いている部品がほとんどないため、メンテナンスがほとんど不要です。

  • 放射線の発生: 放射性物質を使用するため、放射線を発生します。そのため、取り扱いには十分な注意が必要です。

原子力電池の用途

  • 宇宙探査機: 深宇宙探査機や惑星探査機など、太陽光が届きにくい場所での電源として利用されています。

  • 人工衛星: 通信衛星や観測衛星など、長寿命が求められる人工衛星の電源として利用されています。

  • ペースメーカー: 人工心臓ペースメーカーの電源として利用された実績があります。

  • 深海探査機: 深海探査機などの電源としても期待されています。

原子力電池の課題

  • 放射線の問題: 放射線を発生するため、取り扱いには専門的な知識と技術が必要となります。また、廃棄処分についても慎重な検討が必要です。

  • コスト: 放射性物質の製造や、原子力電池の製造コストが高いことが課題となっています。

  • 安全性: 万が一、原子力電池が破損した場合には、放射性物質が漏洩する危険性があります。

まとめ

原子力電池は、長寿命で高エネルギー密度という特徴を持ち、宇宙探査機など、特殊な環境での電源として非常に有用な技術です。しかし、放射線の問題やコスト、安全性といった課題も残っており、これらの課題を解決していくことが今後の研究開発のテーマとなります。

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