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<前編>BranCo!過去グランプリ作品について決勝審査員に聞いてみた!#2
こんにちは!BranCo!学生スタッフの丸山・田中です。
今回は、前回のnoteに引き続き、BranCo!2022グランプリ作品、チーム「いちごコンクリート」の『FREEMA㎥』について、決勝審査を担当された、博報堂ブランド・イノベーションデザインの宮澤さんにお話をうかがってきました!
「いちごコンクリート」『FREEMA㎥』のスライドはこちらから全てご覧いただけます。(note内の画像はすべて、「いちごコンクリート」のプレゼンスライドより引用しています。)
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”自由を体積として捉える”インプットのクリエイティビティ
ー最初に、BranCo!2022のグランプリ作品、「いちごコンクリート」の『FREEMA㎥』のプレゼンの第一印象を教えてください。
とにかくインプットが秀逸だったことをすごく覚えてますね。「自由というものを体積に捉える」切り口の鋭さとか、「すごいインプットやってきたな」というのが一番最初の印象です。
ー宮澤さんが考える「良いインプット」とはどんなものですか?
「インプットもクリエイティブだ」というのがBranCo!のメッセージなので、他のチームと違う視点で調べものをして、他のチームと異なる発見を得ることが、良いインプットの条件だと思っています。
「いちごコンクリート」は、「自由は定量的に測れるのかな」という他にない着眼点が素晴らしいと思いました。「自由と聞いたときに、どんなことが連想されますか」という調査はみんながよくやると思うんだけど、「自由に単位を当てはめると何ですか」という質問のクリエイティビティの高さに独自性がありました。
さらに言うと、最初に定性調査を行った後に、本当にそうかな?と定量調査で検証してるんですね。それによって数値的な裏付けもできている。リサーチの王道をちゃんとやりながら、他にはない「自由は体積である」というところに結びつけたという意味で、よくできていたと思います。
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ーたしかに、定量と定性の両方の観点を持つことで、プレゼン自体の説得力が上がりますね。では、インプットをアウトプットに落とし込むときのアドバイスはありますか?
面白いアウトプットが出ないとき、インプットが不足していることが多い気がします。基本的に、今の自分の頭の中にあるようなものに面白いアイデアはないという前提で進んでみる。そしてアウトプットに詰まったらそこで唸るのではなく、もう1回インプットをし直すと、結果として面白いアウトプットが生み出せるんじゃないかなと思います。
また、インプットの足りない部分だけをあとから調査したり、別の機能で補おうとすると、最終的に言いたいことが分からなくなってしまうことがあるので。アウトプットを一旦早めに考えてみることも大事ですが、インプットを終了するタイミングはできるだけ後の方が良いと思いますね。
"そのアイデアは一言で語れるか" プレゼンは中身とセット
ーBranCo!2022の他の応募作品と比べて、インプットの他に評価されたポイントはどこでしたか?
ストーリーとプレゼンが綺麗なところですね。「自由は体積だ。だから体積を測る商品を作ろう。」というように、ストーリーが簡明なものは、評価するときにすごく分かりやすい。プレゼンでも、後半部分がストーリー仕立ての紙芝居のようになっていて、内容がスッと入ってきました。ストーリーとプレゼンの得点が非常に高かった印象があります。
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ープレゼンを作るのは後回しになってしまうかと思うのですが、やはりプレゼンの見せ方は大事なのでしょうか。
そうですね。同じ内容でもプレゼンがちゃんとしている方が、圧倒的に評価が良くなる傾向があります。ただ、内容が良いものって多分プレゼンがしやすくて。
内容が良くなかったり、ロジックのどこかにミスがあったりすると、プレゼンを作りにくいのではないでしょうか。ストーリーが分かりやすくて構造がシンプルだからこそ、プレゼン映えするという意味でいうと、プレゼンと中身はセットで考えるのが良いのかなと思います。
ーなるほど。宮澤さんはずっと審査員をされていますが、BranCo!の審査を行うときに特に大切にしているポイントはありますか。
やはり「他にはないブランド」を常に求めています。どこかで聞いたようなものとか、どこかでやったような手法より、「こんなやり方があったのか」というものの方が目を引きますね。
あとは、「一言でいうとこれ」と分かるものかどうかを見ています。どのチームも色々な調査をやってくるので、ストーリーがどんどん複雑になってきて、どこか一点聞き逃すと「あれ?」となってしまうことも多いんです。でもBranCo!は、細かい部分よりも全体として面白いかが大事。
「いちごコンクリート」は、インプットに「自由体積説」と名前をつけてくれていましたよね。「一言で言えるかどうか」というのは審査しているときに、審査員みんなが一番気になるポイントだと思います。
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ー「一言で言えるか」という観点は、簡単そうで難しい気がします。
意外と付け加えたくなってしまいますよね。これもあれもと、どんどん盛りだくさんの商品やリサーチになっていく。でも良いブランドというのは、分かりやすく明確なものです。
ーなるほど。人々にとって需要があるかという観点も、評価のポイントになりますか?
そうですね。単純に「自分だったら買うか」とか、「ターゲットの人が本当に買うんだろうか」というのは重要な評価ポイントです。審査員とも、「すごく話は面白いんだけど、これにお金出すかな?」とか、「本当にあったときにずっと使い続けるかな?」といつも議論になるんです。
ー確かにそこは、今年出場する学生さんたちにも伝えたいポイントですね。
そうですね。あとBranCo!では、最終的にアウトプットがお題からずれてしまうチームが多いです。半分くらいは、面白いんだけどテーマとの関係が見えてこない。だから最後のアウトプットが、(2023年度だと)「幸せ」というテーマにどれだけ関係しているのかを考える必要がありますね。そういう意味で、『FREEMA㎥』は「自由」にしっかりと焦点を当てた商品になっているので、とても良かったです。
他にも、『FREEMA㎥』はネーミングやロゴも良く考えられていると思います。ネーミングに「FREE(フリー)」が入っていたり、『FREEMA㎥』のmのとこに3乗の3が入っていたり。ネーミングとロゴデザインは、ブランドを体現する大事な要素なので、十分に考えてくる方が評価は高くなると思います。
ーなるほど!一貫性のあるストーリーをつくりつつ、細部に気配りする目線も大切ですね。
〜編集後記〜
アウトプットに詰まったら、一度インプットに立ち戻るというお話が印象的でした。私も意識してみます!(丸山)
一つの作品からこんなにも学べることがあるなんて…!HPから過去4年分の優秀作品をご覧いただけるので、ぜひ活用していただけると嬉しいです!(田中)
ここまで、BranCo!2022グランプリ『FREEMA㎥』や、BranCo!の審査について掘り下げてきました!
後半では、アイデアの伝え方やBranCo!について、より詳しく聞いていきます。
宮澤 正憲
博報堂ブランド・イノベーションデザイン 代表東京大学文学部心理学科卒業。株式会社博報堂に入社後、多様な業種の企画立案業務に従事。2001年に米国ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院(MBA)卒業後、ブランド及びイノベーションの企画・コンサルティングを行う次世代型専門組織「博報堂ブランド・イノベーションデザイン」を立ち上げ、経営戦略、新規事業開発、商品開発、空間開発、組織人材開発、地域活性、社会課題解決など多彩なビジネス領域において実務コンサルテーションを行っている。株式会社博報堂コンサルティング、及び株式会社SEEDATA非常勤取締役。主な著書に『東大教養学部「考える力」の教室』『「応援したくなる企業」の時代』など多数。東京大学教養学部教養教育高度化機構 特任教授。
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