「何でもは知らないわよ。知ってることだけ」
東日本大震災の後、電力消費削減のために街灯を薄暗くするなどの対応が行われた。知人の女性はそれについて治安の悪化を懸念すると共に、
「暗いところを通るときはヘッドホンの音量を上げて、周りの音が聞こえないようにしている。後ろから足音とか聞こえたら怖いでしょ」と意見を述べた。
正直なところ、暗闇で視覚が限定されている上に、さらに自ら聴覚まで塞いで、この人の危機管理能力はどれだけ甘いのだろう、と思った。感知できないことは、存在しない。それは、とても危うい思考だと思う。
日刊「大谷翔平のSHO-Time」とやらから、一方的に元気だか、勇気やらだかをもらって(笑)ばかりいないだろうか?テレビで垂れ流される日本(人)はやっぱりスゲ〜的な番組ばかり観て、ご満悦になっていないだろうか?
あなた自身は、何もしていない事に気付こう。
日本は既に先進国とは呼べないのではないか?といったネガティブな情報は耳触りが悪く、受け入れ難い。現在、力を持っている老人たちは、そういった日本沈没的なストーリーにえらく敏感だ。民放としては視聴率が取れず、スポンサーも付かないだろう。山積している課題は見えないところに追いやられ、先送りになっていく。
そんな小難しくて、堅苦しくて、自虐的なことばかり考えているから、お前は頭がおかしくなってしまうんだよ、と思われるかもしれない。それに対して否定はしない。実際、壊れているのだから。
但し、そんなあなた方は単なる臆病者でしかない、と言っておく。不安を与える事柄を直視しようとせず、目を背けているだけなのだから。そりぁストレスは溜まらないだろうよ。
受け入れ易い情報こそ、果たして真実なのか。何者かによるバイアスが掛けられていないのか。複数の手段で検証が必要ではないか。
感知できないものは、存在しないのと同じだ。
タイトルは、『物語シリーズ』(講談社 西尾維新・著)の羽川翼の台詞より。