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納豆怖い

昔の話ですが、食事に行くと必ず納豆を勧める上司がいました。

「カサンドラ君、納豆は身体にいいんだよ。しかも安いんだから」

残念ながら、僕は納豆の臭いが嫌いでした(茨城県の方、すみません)。でも、毎日、毎日、毎日、毎日…(以下、省略)、言い続けます。

納豆は安くて身体にいいんだから、食べるのは当たり前。食べないのは非常識。

彼は決して僕の健康を考えて言ってくれている訳ではありません。彼のいうところの常識にイエスと言わない人間がいることが不安で不安で仕方ないのです。

「俺の風上に座るな!(ゴルゴ13風)」

とは言えないので、こっそり臭いが流れて来ない、彼の風上の離れたところを選んで座ります。(ちなみに『ゴルゴ13』は読んだことありません)。しかし、その他のメンバーのうち点数を稼ぎたい奴は同調して納豆を食べます。いや、ただ単に納豆好きだったのかもしれませんが。そうすると上司は「納豆、美味しだろう。納豆は安いのに身体にいいんだぞ」と満足そうです。それさっき聞いたよ!

臭いから逃れるのは困難でした。しばらくして、僕はなんやかやと理由を付けて昼食の時間をずらすようになりました。

その他にも彼には、一日に何度も何度も飽きずに繰り返す口癖が幾つもありました。その中には使い古した自慢話と仲の悪い同業者への誹謗中傷も含まれていました。こんなにも下品な人がいるんだなと思ったものです。本当に頭が変になりそうでした。

「君のために言ってるんだ」、「常識」、「みんなそう言っている」、「今回はひとまず自分の名前を出しておいた方が作戦として良いと思うんだよね」は、あなたから一つでも多くのものを搾取しようとする奴らの常套句です。騙されてはいけません。でも、そういう奴らはこう言った汚い手でのし上がってきているので手口が巧妙だし、防戦一方になりがちなのでいつかは倒れてしまいます。壊される前に助けてくれる人を探すか、それでなかったら逃げてください。

因みに僕はもう一生、納豆を食べないと決めています。


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