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五感と並列処理

聖徳太子は10人の訴えを同時に聞き、適切に対応できたという伝説(豊聡耳(とよとみみ、とよさとみみ))は有名だが、誠に羨ましい限りである。

最近、様々な音楽、動画と言った娯楽メディアの再生装置には倍速再生する機能が備わっている。朗読アプリには当初より備わっていたみたいだし、TikTokに至っては倍速動画が1ジャンルとなっているらしい。TikTokについては僕が最近テレビを見て知ったくらいなので、すでに時代遅れの情報である可能性もあるから注意。

人間は並列処理に向いていない。

視覚と聴覚は感覚器がそもそも二つずつしかない上、それらは二つのことを同時にするのが目的ではない。眼球が2つあるのは遠近感を得るためだし、耳が2つあるのは音源の方向を知るためである。決して同時に2つの情報を取り込むセンサーとして発達してきたのではない。

人間は視覚と聴覚に依存して生活いる。この2つは情報量が多いのだが、脳という処理系がポンコツなので問題も多い。

ご存じの方も多いと思うが全視界のうち高精度に見えているのは中央部だけで、周辺部は実はボンヤリとしか見えていない。これは全視野を高い精度で処理していると脳の処理速度では追いつかず、生存に不適だと聞いた。『巧遅は拙速に如かず』と言うことか? (ちなみに孫氏はそんなこと言ってないらしい)ただ周辺部でも動くものには反応するようになっているので、全体としては実用に耐えうるものになっているらしい。

聴覚については、皆さんご存じの通りである。周りが騒がしければ会話は難しくなる。最近では聴覚過敏の方々が認知されるようにもなった。それでなくとも一度に複数の楽曲を同時に流して楽しむ人は極めて少数派だろう。

これに対し味覚、嗅覚、触覚はセンサーとなる細胞が舌、鼻腔内、体表面に分散し、それぞれが独立して機能している。視覚、聴覚と同じく過大な情報量で脳の情報処理が破綻をきたしそうだが、これらセンサーが出力する情報は0か1であり、その後の処理は単純なので問題は生じないのかもしれない。ちなみに、この3種の感覚はセンサーとなる細胞に物質を取り込むか、物理的刺激が与えられる必要があり、比較的近距離の情報に限られる点が特徴である。個体の危険性は自ずと高くなる。

さて今回の記事、長々と小難しいことを書いてきたが、結局のところオチは単純である。

脳を並列処理仕様にして、

積読を少しでも減らしたい!

音楽をたくさん聴きたい!



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