デパス(エチゾラム)を減らしているからだけでは無いのだと思う
昨日だったか今日だったか、診察日だった。前回の診察からこの2週間ほど、デパスを0.5 mgから0.25 mgに減薬している。
デパスはもういつからか忘れるくらい服用していて、これが無いと寝付けない。今日は寝付けないな、と思うと大概デパスを飲み忘れているので、本当に効いているのだと思う。
デパスはこの界隈では有名な薬なのでご存じの方も多いと思うが、一応説明しておく。デパスは一連の「悪名高き」ベンゾジアゼピン系精神安定剤・睡眠薬(通称ベンゾ)の中でも服用から効果を示すまでの時間が極めて短い(但し代謝されやすく、すぐに効果が消失する)超短時間型に分類され、効果も強い。一般にこの
2つの性質が揃うと依存度が高くなり、減薬や断薬を行う際に困難を伴うと言われている。
僕自身は「飲まなければ眠れないのなら、仕方ない」派である。他の系統の睡眠薬も試したが効かなかったので、ベンゾを服用している。ネット上にはかなり強硬なアンチ・ベンゾ派もいるのは知っているが、今回はその話をしたい訳ではないし、今後もそれについて議論することは無いと思う。
僕は寝付きは良いのだが短時間(およそ1時間半から3時間)しか睡眠が続かず、再入眠が難しかった。その分を取り返すように昼寝をするので、一般の人と生活するのが難しい。そこで、ここしばらくはベンゾの中でもう少し効果の長いユーロジン(エスタゾラム)と言う睡眠薬を追加していた。
これにより夜間の睡眠は幾らか改善したが昼寝については改善せず、トータルで見れば過眠気味になってしまった。そこでデパスを減らすことになった。その処方の妙は主治医によるものなので詳細はよく分からない。しかしこの段階では僕の関心は睡眠時間の調整にあって、これが実質的な減薬になることにまで気が回っていませんでした。なんて頭が悪いんでしょう。
混合状態に陥りました。躁の易怒性と、鬱のザワザワとした不安感が入り混じった感じ。頭の回転は良くなった気がするけれど、関心の対象を維持できないので本を読んでも意味が入ってこない。その隙間を何か悪いことが起きている想像がよぎり、気が滅入る。最近は比較的落ち着いていて忘れ掛けていた気分障害の症状がぶり返しました。
悪いことは重なるもので、現実の世界でも僕にとってあまり心穏やかにはなれない出来事が生じていました。それは今の僕にとっては最上位に位置する関心事であり、デパス減薬の寄与なんて実は大したことでは無かったのかもしれません。
ただ今回の一件で改めて思い知らされたのは、当初から分かっていた事とはいえ
その事柄における僕の存在価値なんてほぼ無いことでした。僕の割り振られた役割は、主人公たちが演じる壮大な物語を側から観ているだけのようです。そして、それに不満を持って劇場の席を立っても、結局また頭を下げて戻ってきて同じ席に座ってしまう。その繰り返し。舞台に立てる可能性なんて、あるはずないのに。
掬った指の隙間から、砂がサラサラとこぼれ落ちていく。これが老いというものか。僕はこれを上手く受け入れられていない。