[発売直前] VIVE XR Elite 体験会の感想
2/11(土)~13(月)に行われたVIVE XR Elite の体験会の1日目(2/11)参加して来ました。
noteで体験記事を公開することが体験会の参加条件であるため、こうして初めて記事を書いています。
はじめに
体験記録を書くにあたって、まずは著者の所有デバイスや利用用途(今後利用したい事項を含む)について記載しておきます。
これによってVIVE XR Eliteに対する見方が変わってきますので、以降の記載はこういった人間が書いてるということを考慮して頂ければと思います。
所有デバイス
Meta Quest2
主な利用用途(今後利用したいを含む)
VRSNS(NeosVR,VRChat)
フィットネス(最近サボってる)
作業用(Quest2だと重量が辛くて断念)
あと、細かいスペック云々などは省きます。
恐らくこのページを見てくださる人はVIVE XR Eliteに興味を持って色々と調べている人だと思うので、公式ページや別の方の記事でスペックなどはすぐに出てきますので。
この記事では「体験しての感想」と「スタッフの方から得た情報」をメインにしていきます。
体験しての感想
ゴーグルモード
後ろのバッテリークレードルが付いた状態です。
正式名称が見当たらなかったので勝手に「ゴーグルモード」と呼んでいます。
IPD調整
HMDを被ったまま無段階で調整可能、もうちょっと狭い範囲にも対応してくれるとなお良し
焦点距離調整
調整するには一度HMDを外して手動でレンズ部分を回す必要があるので少し面倒
ただし一度設定したらその後は調整不要なので、複数人で使いまわしなどしなければさほど問題ない
装着感
Quest2(503g)よりVIVE XR Eliteは重い(625g)はずなのだが、体感としてはQuest2より軽く感じた。重量バランスでこうも変わるとは。
後頭部にあたる部分は指で触った感触では少し硬めのゴムといった感じだったが、実際に装着してみると柔らかく頭が包まれる感じがした。
Quest2のゴムバンドと比べて固定がきちんとされている感じがするが、首への負担は軽い。30分程度の体験しか出来てないが、長時間のプレイが快適に出来そうだと感じた。
グラスモード
後ろのバッテリークレードルを取り外した状態です。
正式名称が見当たらなかったので勝手に「グラスモード」と呼んでいます。
装着感
非常に軽い(273.5g)、ゴーグルモードでも軽いと思ったがそれ以上に軽い。
長時間の使用をするのであれば、首への負担が確実に軽くなる。
ヒンジの部分がある程度外側に開くので、装着しやすい
顔の正面からはめられるほどは開かないので、少し下から顔を入れる感じで装着する
後頭部側の固定が無いので使用中ずれやすいかと懸念していたが、頭頂部のバンドのおかげでほぼずれない
激しく動かすと流石にずれるが、ゆっくり動かすのであれば上や下を向いても大丈夫だった。
ガスケット(顔に当たるクッション部分)を外した状態での使用
使用自体は可能だが、側面と鼻、頭頂部のバンドで支えることになる。特に鼻に重量がかかる
ガスケットが無い分レンズと目の距離が近くなりすぎてしまいレンズと接触しやすくなる。結果として見にくくなりそう。
共通的な事項
視野角はQuest2より広い、狭いとは感じなかった。
ゴーグルモードとメガネモードの変更については、部品を取り外す時のボタンの押し込みが少し硬いが、それ以外は簡単に取り換えられた。
コントローラー
Focus3と同じものらしいです。
Quest2と形状はほぼ同じなので、キーバインド以外は違和感なく使えました。
VRアプリ体験
Steamの「Kayak VR: Mirage」を体験しました。
無線かつPCVRアプリの体験なので、Wifiの状況やPCスペック、ソフトの設定でかなり変わってきますが、感想としては
画像
綺麗、パンケーキレンズということもあってかスクリーンドアは見当たらない
遅延
感じられない。自宅でQuest2を使い同じアプリをPCVRで実行したときは遅延があって酔ってしまったが、今回は全く酔わなかった(筆者のプレイ環境が悪かった可能性もあります)
没入感
Quest2より上がったと思う。HMDの体感する重量が軽いため現実の自分を感じさせる要素が少なくなり、結果としてアプリ側に集中・没入出来たのかな?
MRアプリ体験
VRアートを作成する「Open Brush」を体験しました。
このアプリは初体験なので別HMDとの比較はできないのですが、感想としては
画像(アプリによる描写部分)
綺麗でした。単純な線以外にもシャボン玉や炎などのエフェクト的なものもあり、簡単にVRアートを作成できました。
画像(MRによる現実部分)
現実部分はカラーで画質も悪くない、画質は
問題点として歪みが発生します。海外で既に行われた体験会などで動画が上がっているかと思いますが、パススルー部分が結構歪みます。(アプリによって描写した線やらエフェクトやらは歪みなし)手を目に近づけて行くと、一定の距離で突然大きくなったりもします。
遅延
VIVE XR Elite単体で動かすアプリですので、遅延は感じませんでした。
パススルー
MRアプリとパススルーを何故別にしたかというと、どうもMRの為にハンドトラッキングが有効になっているとパススルー部分の品質が悪くなる(歪む)らしいからでです。
この項目はMRアプリを使わずパススルーをした場合について記載します。
画面品質
全体的に少し肉眼より近く感じた。
紙の文字は肉眼よりとさほど変わらない程度で読めた。
スマホの文字は肉眼より少し見にくいかな?というくらいで、文字サイズを大きめにするか近くに持ってくれば問題なく読める。
白飛びしないように補正しているらしい
キーボードの刻印は、腕を最大に伸ばした距離でも読めた。
MR使用時に発生した歪み
発生しなかった。
MR使用時に発生した、手元にあるものが一定距離で急に大きくなる現象
発生しなかった。
その他質問事項
HTC NIPPONの児島社長や会場スタッフの方(名前控えてなくてすみません)に色々と質問させて貰ったので、その内容を以下に記載します。
注)当記事の内容はHTCによる公開前の確認などは受けていません。現地で会話しながらメモは取りましたが、聞き間違いや解釈間違いなどの可能性があります。
必要であれば、真偽の確認をHTCに直接お願いします。
Q.アプリ数を増やす取り組みは何かあるのか、Metaでいう正規のストア以外に配信が簡単なApp Labがあるような
A.アプリ提供はストアのみで審査が必ずある、App Labみたいなのはない
Q.ソフトウェアアップデートによる機能追加、機能アップの予定はあるか
A.予定している
Q.アイトラッキング、フェイストラッキング以外のモジュールの予定はあるか
現時点で予定されているのはアイトラッキング&フェイストラッキングのモジュールのみ。今年中には出す予定、金額は未定
Q.有線ヘッドホン端子が無いが、Bluetoothイヤホンは使えるのか
A.使用できる
Q.体験会時点では深度センサーは無効化しているとのことだが、発売時には有効になっているのか
A.発売時点でも深度センサーは無効。そう遠くないうちにソフトウェアアップデートで有効になる
※公式HPを見ると最下部に以下の注意事項がありました。
3. 深度センサー機能は屋内環境に限定されており、2023年第一四半期末までご利用いただけません。
Q.バーチャルデスク機能にWindowsのみ対応という記載があったがMACに対応しないのか 注)どこかでWindowsのみ対応という記載を見た記憶があるですが、情報元サイトを忘れてしまいました。
A.Windowsにしか対応していない、MACの対応予定は無い。
Q.初期配信アプリにあった「immersed」や「Virtual Desktop」はMACにも対応しているが、そちらでは利用できるのか。
A.VIVE XR Elite 側でMACによる利用をロックしているわけではないので、別のアプリでMACの利用が可能であれば、そちらでは利用できると思う。
Q.乱視など焦点調整機能で対応しきれない場合があると思うが、レンズをセットするキットなどの提供予定はあるか
A.提供予定は無い、もしも要望が多ければ可能性はある
Q.VIVE XR Elite発表時からドル円レートが結構変わったが、価格改定などはあるか
A.まだ発売もしてないし、価格改定は予定していない
Q.予約が盛況とのことだが、今(2/11)予約するといつ頃届くのか
A.25日(発売予定日)よりは遅くなる、詳細な日付は予約時の状況による
Q.グラスモードで使用するモバイルバッテリーはどの程度の出力が必要か
A.18Wの出力が必要、低いと起動しない
おわりに
体験会前に調べた時は、「プロセッサがQuest2と同じSnapdragon XR2でQuest Proより性能が悪い」「パススルーで歪みがある」などマイナス面が多く聞こえてきていましたが、実際に体験してみると非常によくできたデバイスだと感じました。
競合相手と見られているQuest Proを持っている人からすればまた違った意見が出てくると思いますが、Quest2しか持っていない私からするとほぼすべての面で(悲しいことに金額もですが)Quest2を上回っていると感じています。
特にメガネモードの重量的な軽さと、装着の手軽さが良いと感じました。これにより、デバイスを使い始めるまでのハードルが下がり、使い始めたあと長時間日常的に使用するハードルも下がっているのではないかと考えます。買ったはいいが使わないというのが一番もったいないですし。
この記事がVIVE XR Eliteの購入を検討している方の役に立ったのであれば幸いです。
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