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出典解説K「UTAU」2010年11月 commmons
出典解説のKはアルバム「UTAU」のライナーとして書かれた文章です。
K「UTAU」 2010年11月 commmons
「UTAU」はタイトルの通り「歌う」ことをシンプルに追究したアルバムです。
坂本龍一のピアノと大貫妙子の声。
それだけの編成で表現を成立させてしまえる、あるいは勝負できる、といった組み合わせは実力から見ても商業的な面から見ても稀ではないでしょうか。
この両者に深く関わりを持っている牧村氏が寄せた文章の「UTAUに寄せて」というタイトルもまた、素っ気ないほどのシンプルの極みです。
2010年から過去にさかのぼり、また2010年に戻って終わるという構成
(「1976年1月」「1976年6月」「1977年5月」「1978年」「1980年」「1982年」「2009年」を挟んで、最初と最後に「2010年 秋」)になっている文章なので、断片的にそれを拾うと分かりにくくなりますが、それぞれの時代ごとに貴重な回想が綴られています。
最後の「再び 2010年 秋」はナボコフの「ロリータ」の冒頭を思わせるような文章で締めくくられます。ここはどうしても外せないと強く思いました(K03)。
短いものですが、全体としてこのライナーは牧村氏の文章の中で最も重要度の高い文章のひとつと考えています。