薬局BCPとは ーその2ー
災害対策との違い
BCPの講演会や薬局へBCP策定の提案で訪問した際、よく災害対策マニュアルと何が違うのかと質問されますので、簡単に説明します。下図のように違いがあります。
この表は、東京都が発行している災害拠点病院向けBCPガイドラインからの抜粋になりますが、非常に分かりやすいので掲載しております。主眼点がやはり違います。BCPは業務を継続で、災害対策マニュアルでは人命の安全と資産の保全となります。対応も災害直後の応急対応と通常業務であり、一番の特徴は被害想定の有無と優先業務の有無だと考えます。災害対策マニュアルは災害直後にどう対応するかであり、BCPは災害直後の対応と同時に優先する業務をどう継続させるかになります。
災害発災後の薬局の役割
薬局の役割は、災害発生後、いかに患者さんへの処方を継続・再開をするかになると思います。災害発生後、患者さんがケガをしていなく、自宅が箪笥や食器棚が倒れていつも服用している薬が取り出せなくなった場合、確実に皆さんの薬局に「3日分でもいいので薬をください」と来局します。ケガをしていないので病院へは行きません。ただいつも飲んでいる薬が欲しいだけなんです。もしBCPを策定していない場合、患者さんへお薬を渡すことが可能でしょうか。薬を渡せなかったら患者さんはどうなるのでしょうか。これは、近隣医療機関が大学病院なのか、診療所なのか、診療所でも内科なのか整形外科なのか透析をしているのか、近隣医療機関によっても違いはありますが、BCPを策定しているかどうかで変わってきます。患者さんのためにもBCPは必要なのです。
あとがき
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