統治行為論Advent Calendar2023 12/5
本稿は統治行為論Advent Calendar2023の12月5日の記事です。
Twitter(旧Twitter)にて猛威を振るう統治行為論さんですが、マンガや小説文藝にも広く通じておられるのです。私が差し出がましくも罷り越し、御とうちこ殿に萬の藝をお奨めし候こともしばしば。しかしながら、なんでもかんでも手当たり次第にオススメを投げることは最近やめました。シンプルに僕が忙しくなったのもありますが、下手な鉄砲を打ちすぎて砲塔が悪くなってきました故。
今回の記事では、薦めなかった作品をいくつかここで紹介しておこうかと思います。
僕自身は全部読んだ作品なので、できればあの作品のどのシーンがよかったとか、またはシンプルにこの作品が良かったなど共有してもらえれば幸いです。
全部君のせいだ
紹介文にて「厄介オタク×露出レイヤー百合コスプレ承認欲求爆発コメディ!」などと出ていますが、コメディ色そんなあるかね。あるよ。わからんけど。
顔のいい可愛い子らがコスプレするだけの作品かと思いきや、被写体としての技術とか撮る側の技巧とかレイヤーに関わる問題とかレイヤーであり続ける問題とか、僕はその界隈にいないのでどこまで正しいか判断しかねるがコスプレをするモデルとは如何にや如何にというお話だと思ってます。
恋愛要素あります。
奨めなかった理由はとうちこが歯牙にも掛けない、または作品紹介まで行ったとして「絵は好き」って感想止まりなので。
おそとごはんをご一緒に
アウトドアグルメ漫画です。グルメ漫画好きなのでこの作品好き。恋愛要素はまま薄いが、百合姫作品なので話数に応じて濃くなるかもしれないです。
魚には陸に上がりトカゲになって欲しい。猿には火を操り、ヒトになって欲しい。可愛い子らにはキャンプなどのアウトドアをして料理して欲しい。
これは人類の思考ではなく、世界の流れ。何故と問われても困る。無数の世界が、宇宙がそうやって回ってるんだ。
奨めなかった理由はなんとなく?
散歩する女の子
一時期X(新X)で話題になった作品。(Twitterのリンク)
なかなか面白い作品ですので是非読んで見てください。Xのリンク先からどういう話なのか見られますので…タイトルで伝わるでしょ。散歩する話だよ。道々にある不思議なもの、不思議でなく日常に溶け込んでいるものをめざとく新しい視点で観察するユーモアなお話です。サッと読めますよ。
恋愛要素はないです。
奨めなかった理由は、めちゃくちゃこの作品好きなので適当にあしらわれたら確実に暴力で訴えるからです。
人妻とJK
ただのインモラルです。この本の著者焼肉定食さんの作品は基本R指定が入っててもおかしくない描写が多いので気になった方は読んで見てください。
自分の娘の親友と身体の関係を持つお話なんですが、描写が官能的ですので刺激的な作品となってます。それと主人公と娘とその親友で物語が回るわけではなく、割と広く関係が描かれていますので読み応えもあるんじゃないかなと思います。
ただまあ、結局は不倫だし、未成年と関係を持つ児童福祉法違反だよ。読め読め。
恋愛要素と性的描写あります。
奨めなかった理由は、まあ内容ですね。ちゃんと面白い作品ではあるんですが。
ときときチャンネル
SFです。ここにきてノベルのご紹介。
Sukoshi Fushigiなお話。宇宙をマグカップに入れて飲んだり、時間をペットにしたり、家の外という概念を無くしたり、配信サービスの登録者数を増やすために数という概念を壊したりします。読めばわか...る?SF的な感じで捉えてください。
ちなみにネット上でSF初心者でもとっつき易い作品と紹介があったので、おそらく読みやすいです。僕自身も読みやすいとは思いますが、そんなにたくさんSFに触れてきてないので読みやすいかどうかの相対評価能力が欠けているため、断言は避けています。
表紙の二人組みと取り巻きの視聴者からなる物語とよくわからないDBから知識を引っ張ってくるコミカルなSFを是非。
奨めなかった理由はどうせ奴は読まないからです。
締めの言葉
いかがでしたか?逃げたら一つ、奨めば二つです。奨めてんのよ。
何も手に入らず、読んだ作品と積まれた作品が塔のようにできてゆく僕の人生にあれが良かった、これが良かったなど共感をもらえたらなと思います。
あと最近百合作品が食傷気味というか自身の芯がブレました。きっかけはムーミンです。正確にはムーミン作品の著者トーベ・ヤンソンさんです。
ムーミンシリーズ第6作目の「ムーミン谷の冬」にて、ムーミンは冬を知ります。オンシーズンではムーミンの友達が活発に活動していましたが、冬の訪れとともにみんな冬眠をします。早めに目が覚めてしまったムーミンは何もかもが違う冬という世界でToo-tickyに出会います。彼女は冬との向き合い方と冬に蠢く誰も見向きもしない、いるとも思われていない生き物たちのことをムーミンに教えてくれます。
このToo-tickyは著者トーベさんの生涯のパートナーの女性トゥーリッキ・ピエティラがモチーフになっています。スナフキンが元カレでToo-tickyが生涯のパートナーがモチーフとは重いぜ。
このムーミン谷の冬では、著者トーベさんがムーミン作品の大ヒットにより一躍有名となり人生が劇的に変わってしまった中で、トゥーリッキさんが生き方のアドバイスをくれたという実体験の寓話になっています。
百合やん…。
このトゥーリッキさんに宛てたトーベの手紙の愛するものへ宛てる言葉の選びがこんな優しく美しいことがあるのかってレベルで最高で、これに当てられてしまったためにいささか百合作品から離れたくなってしまったわけです。トーベの手紙の原文はフィンランド語なので英語訳と日本語訳でしか読んでないんですがね。
この辺りの話はムーミン公式サイトに掲載されているので読んで見てください。
ちなみに、第8作「ムーミンパパ海へいく」でムーミン一家はムーミン谷から移住し、そこでアイデンティティの喪失に苦しみ、生きることとは何かをもがき探します。そして第9作目の最終作「ムーミン谷の11月」ではムーミン一家の消えた後のムーミン谷が描かれます。この作品の中で一切ムーミンはでてきません。ムーミン一家を慕っていた皆がムーミン一家跡地で嘆き悲しむ作品になってます。マジで。
百合作品食傷気味といっても、どうせそのうち元に戻ってるので一過性のオタクくん激重感情にやられがちだと思ってもらえれば幸いです。
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