プーチンの思考を理解するためのnote
とうとうウクライナとロシアが停戦交渉に入りました。
これは両国が停戦したがっているという証拠であると共に、
ロシアがウクラナイを降伏させるチャンスでもあるからです。
つまり、ロシアは折れないということだけが確かな交渉なのです。
折れないとは何を意味するか。
それは、ほぼ最終段階の攻撃を仕掛けるということです。
この問題をよく理解するために、あるいは理解したい人は、
まずこの本を読んでください。
丸の内OL(27)さんが執筆した『現代ロシアの軍事戦略 』(ちくま新書)です。
丸の内OL(27)さん、これは偽装アカウントで、実は中の人はこの人、小泉悠さんです。
この本が出版されたのは約1年前。
その時点でここまで正確なロシア分析ができる人が日本にいたとは、
さすが丸の内でOLやってる人は格が違いますね。
まずは『現代ロシアの軍事戦略 』を一旦読んだ上で、リアルタイム情報を見ると、ロシアの、特にプーチンの行動というのがある程度は先読みができるようになります。
されに付け加えると、プーチンというのは様々な精神疾患を抱えています。
アルツハイマー型認知症、パーキンソン病など、いろいろな症状が疑われています。
プーチンがやりたいことは、ジェノサイドからの植民地支配なのです。
これはロシアが伝統的にしてきた支配の方法なのです。
特に、最近NATOがロシアに迂闊に近づきすぎているため、
「第一防衛線」を引きたい。
これが今回の戦争の政治的目標です。目標は達成するためにあります。
それ以外の何を犠牲にしてもです。
つまり、早い話が、ウクライナは防壁としての、第一防衛線としての役割さえあればよく、極論、ウクライナが多少は核汚染されようが、ウクライナ人が全滅しようが、それほど大きな問題ではないのです。
核汚染で住めなくなったのであれば、防壁として有効で、
核汚染が低ければ、後でロシア人を大量に送り込み、ロシアの一部として再建し統治をすればよいのです。
バルト三国は既にNATO加盟国であり、EU加盟国でもあります。
このタイミングでウクライナまでNATO加盟国になれば、これは非常にまずい。
一刻も早くベラルーシ(白ロシア人国家)とウクライナ(小ロシア人国家)で防壁を作らないと、本当にNATO軍の大砲の射程圏にモスクワが入ってしまいます。
それはプーチンは焦るでしょう。
その植民地政策はロシアが古典的にやっていることなのです。
代表的なものは飢餓輸出です。
また人を人とも思わない精神は、自国民にも向けられます。
プーチンにとって、自分だけが人であり、また神であり、
プーチン以外の生物は、すべて道具というわけです。
通常、軍事力とは下記のような構造があり、初めて機能するのです。
戦略を根底から支えているのは兵站。英語でいうLogisticsです。
しかし、現在のロシア軍の動向を見ていると、兵站がかなり弱いのです。
なぜ兵站を無視できるのか。
それはプーチンは兵隊を人間であるとは思っていないからです。
ゲームのStar Claft 2でいうなら、Zergというわけです。
まるで対戦ゲームをやる感覚で、兵隊を動かす。
その兵隊はZergなので、生きて帰ってくるよりは、戦地で全力で戦い、
HPをゼロにして死んでもらう方が、運用効率は高いのです。
自国民をも虫けら同等に扱うプーチン。
この戦争をオンラインゲーム程度に考えているプーチン。
そして手元に戦術核と戦略核のスイッチがあります。
プーチンもまだ幾分は正気です。軍事エスカレーションを真面目に順番抜かしすることなく、丁寧に、1段1段、本当に丁寧にエスカレーションさせています。
軍事エスカレーションだけは、本当に適切に思考できています。
そして、本日、ウクラナイとロシアとの停戦交渉が持たれました。
その交渉開始時に合わせて、ウクラナイのハリコフに無差別爆撃という非核兵器の大量使用という、当初から想定されていたシナリオ通りにエスカレーションをしています。
プーチンは自分以外の人間、つまり世界中の77憶人いる人間を虫ケラのゴミだと真剣に思っているぐらいに異常なのです。