ビットコイン・デイリーレポート2024.8.19(2024.8.16-18)
ビットコイン、イーサリアムともに反発、リスクオンムードの回復、フランクリン・テンプルトンは新たなETFを申請
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
市況概況(ビットコイン)
16日のビットコインは反発。BTCUSDはアジア時間帯早朝に前日終盤の下落が一巡し、その後は安値修正の動きとなり堅調に推移した。米国の利下げを前提としたリスクオンムードや市場センチメントの回復を受け買いが先行する展開になった。また、日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の15日のトータルキャッシュフローがプラスを記録したことや外国為替市場でドル安が進んだことも支援要因になった。ただ、米国時間帯は利益確定の売りに押され伸び悩む場面も見られた。米国時間帯序盤に発表された7月の住宅着工件数が市場予想を下回って減少したことが嫌気され、一時は57,500ドル付近まで下落した。一方、その後発表されたミシガン大学の8月の消費者信頼感指数速報値が市場予想を上回ったことが好感されると、再び上昇トレンドへと回帰し、米国時間帯終盤には59,850ドル付近まで上昇した。また、この日は米投資会社フランクリン・テンプルトンが、米証券取引委員会(SEC)にビットコインとイーサリアムの両資産を保有し、EZPZのティッカーで取引される新たなETF(フランクリン・クリプト・インデックスETF)の申請書(S-1フォーム)を提出しており、新規上場へ向けた期待感も支援要因になった。尚、米商務省が発表した7月の住宅着工件数は季節調整済み・年率換算で123万8000件となり、前月の同135万3000件から減少し、市場予想の133万件を大きく下回った。また、先行指標とされる建設許可件数は季節調整済み・年率換算で139万6000件となり、前月の144万6000件から減少し、市場予想の142万5000件を大きく下回った。一方、米ミシガン大学が発表した8月の消費者信頼感指数速報値は67.8となり、前月の66.4から上昇し、市場予想の66.9を上回った。また、1年先の期待インフレ率は2.9%となり、前月の確報値からの変化はなかった。
17日のBTCUSDはアジア時間帯序盤に前日の上昇を受け利益確定の売りに押される場面も見られたが、16日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローが2営業日連続でプラスを記録したことが支援要因となり、全般的に59,100ドル下値支持に底堅く推移した。
18日のBTCUSDは前日までの流れを引き継ぐなか、節目の60,000ドル台を超える場面も見られたが、日曜日の取引ということもあり、新規材料に乏しく定着には至らなかった。引き続き60,000ドル台では利益確定も含め売り圧力が強い模様。
16日のBTCJPYは反発。全般的に堅調に推移するなか、欧州時間帯から米国時間帯中盤にかけて利益確定の売りや外国為替市場での円高を受けて852万円付近まで下落する場面も見られたが、米国時間帯終盤には840万円付近まで上昇した。一方で日米金利差縮小を背景に円キャリートレードの巻き戻しが進み、NYクローズ後に米商品先物取引委員会から公表されたCME円先物の取引明細によると、8月13日時点の投機筋(ファンドなど)のネットポジションは23,104枚の買い越しとなった。尚、投機筋のネットポジションが買い越しとなるのは2021年3月9日以来。足元では円高による上値の圧迫が懸念される状況となっている。
17日の取引ではアジア時間帯序盤に利益確定の売りに押され868万円付近まで下落する場面も見られたが、その後は全般的に堅調に推移した。
18日の取引ではBTCUSDの上昇を受け一時890万円台を突破するなど水準を切り上げたが、引き続き880万円超の水準では売り圧力が強く、終盤は伸び悩む展開となった。
市況概況(イーサリアム)
16日のイーサリアムは反発。ETHUSDは前日終盤の下落が一巡するなか安値修正の動きから反発したが、15日の米国で上場されているスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローが4営業日ぶりにマイナスとなったことや、この日発表された米経済指標がまちまちとなったことで一時は2557ドル付近まで下落した。米国時間帯終盤は米投資会社フランクリン・テンプルトンが、米証券取引委員会(SEC)にビットコインとイーサリアムの両資産を保有し、EZPZのティッカーで取引される新たなETF(フランクリン・クリプト・インデックスETF)の申請書(S-1フォーム)を提出したことが支援要因になったほか、米株式市場の上昇などリスクオンムードを背景に2635ドル付近まで上昇した。
17日の取引では2600ドルを下値支持に底堅く推移したが、週末の取引で市場参加者が少なく、積極的な売買は見送られた。また、日本時間の午後に出揃ったUSスポットイーサリアムETFの16日のトータルキャッシュフローが2営業日連続でマイナスとなったものの、特に市場の反応は見られなかった。ただ、転換型のGrayscale のETHEは流出額に減少傾向が見られるものの、VanEck のETHVは8月12日に続きマイナスとなっており、ETF関係では今後不安要因として意識されてくる可能性もある。
18日の取引では欧州時間帯に2660ドル台に水準を切り上げ一時2690ドル付近まで上昇した。
16日のETHJPYは反発。全般的にETHUSDと連動する動きとなっているが、外国為替市場での円高進行が上値を圧迫した。この日は欧州時間帯序盤に付けた393,000円付近が高値となっており、米国時間帯はドル円が147円台中盤まで円高が進み一時は379,000円付近まで下落した。終盤はETHUSDの上昇を受け再び上向いたが、この日の高値には届かなかった。
17日の取引では積極的な売買は見送られほぼ横ばいながらも382,000円を下値支持に底堅く推移した。
18日の取引ではETHUSDの上昇を受けてレンジを390,000円台に切り上げたものの、終盤は上昇が一巡し、方向感を探る展開となっている。
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