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米国政府の送金活発化、ETHや複数の暗号資産の移動確認、ETH、XRPは反落 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.04(2024. 12.03)

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 3日のビットコインは韓国の内政不安を背景に下振れする場面も見られたが全般的には小幅な動きに留まった。BTCUSDは日本時間から欧州時間帯にかけて96,350ドルを上値抵抗に小幅なレンジ内での動きに留まっていたが、上値の重さが嫌気され徐々に利益確定の売りが優勢となっていった。米国時間帯には、韓国の尹大統領が野党が多数派を占める国会内での混乱を抑える為「戒厳令」を発令し国会へ軍を派遣したことを受け、金融市場全般でリスク回避姿勢が強まり、暗号資産も韓国の取引所を中心に急落した。この混乱のなかBTCUSDは一時93,660ドル付近まで下落した。ただ、混乱のさなか韓国国会で「戒厳令」の解除を求める動議が可決されると反発し、この日の膠着レンジ94,920~96,350ドルへと回帰すると再び方向感を探る展開となった。尚、尹大統領は国会での「戒厳令」の解除を求める動議が可決したことを受け、投票結果を尊重するとして「戒厳令」を解除する方針を発表した。
 BTCUSDは引き続き90,000ドル台の高値圏を維持しているものの、節目の10万ドルを手前に伸び悩む展開が続いている。新たな直接的支援材料が見当たらないことや、暗号資産間フローで出遅れていたその他暗号資産へ一部資金の流出が上値を抑えている模様。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間4日午前6:00時点でビットコイン先物の未決済建玉は582億9000万ドルとなり高水準ながらもピーク時の11月22日の640億3000万ドルから減少傾向が続いている。一方でトランプ次期政権の規制緩和策や支援策への期待感も根強く、上場投資信託(ETF)への資金流入は続いており、下値を支える要因となっている。尚、日本時間午後に出揃った2日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス3億5366万ドルとなり、3営業日連続での流入となった。
 また、この日は前日のビットコインの移動に続いて米国政府のウオレットから複数の暗号資産の移動が確認されている。オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると、前日に米国政府は違法サイトシルクロードから押収したビットコインのうち19,799BTCを二つの新たなアドレスへ送金したが、現時点でそのすべてがCoinbaseへ送金された。ただ、その後9800BTCが米国政府のウオレットに米国政府が管理すると見られるシルクロードの口座から送金があり、確認できる米国政府のビットコイン保有量は198,109BTCとなった。

※2日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス3億5366万ドル。3営業日連続での流入。
※日本時間12月4日午前6:00現在のドミナンスは55.671%。

 3日のBTCJPYは、韓国の内政不安を背景にリスク回避の動きが強まるなか、BTCUSDの下落に加え外国為替市場での円高進行により一時1386万円付近まで下落した。ただ、その直後に反発しており、全般的には前日と同水準内の1400万円台前半で方向感に欠く展開となった。

市況概況(イーサリアム)
 3日のイーサリムは小幅続落。ETHUSDは日本時間帯では前日の下落が一巡しやや強含みでの推移となっていたが、徐々に利益確定の売りが優勢となり、米国時間帯には韓国の内政不安を受けてリスク回避の動きが強まるなか一時3508ドル付近まで下落した。その後は安値を買い戻され下落を縮小する展開になったものの、米国政府のETHの送金が確認されたことを受け戻りは限定された。
 Arkhamによると、米国政府は209ETHと4815ETHをそれぞれ新たなアドレスへと送金した。現在までのところ売却の為の移動かは確認できていないが、市場では前日のビットコイン同様に警戒感が強まっている模様。また、この日は他の複数の暗号資産の移動も多数確認されており、政権移行を前にして米政府や司法省の何らかの思惑が働いているのかもしれない。
 尚、日本時間午後に出揃った2日の米国スポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス2423万ドルとなり、6営業日連続での流入となった。引き続きETFの改善傾向が続いている。

※2日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス2423万ドル。6営業日連続での流入。
※日本時間12月4日午前6:00現在現在のドミナンスは12.796%。

 3日のETHJPYは小幅続落。ETHUSDに連動したほか、韓国の内政不安を背景とした下落場面では外国為替市場での円高進行も下押し圧力となり一時521,850円付近まで下落した。その後は安値修正から下落幅を縮小したものの、前日比でプラス圏を回復するまでには届かなかった。

市況概況(リップル)
 3日のリップルは反落した。XRPUSDは日本時間帯から欧州時間帯序盤にかけては売り買いが交錯するなか2.6400~2.7970ドルのレンジ内で膠着した展開となった。前日までの上昇を受け利益確定の売りが上値を圧迫した。その後、同レンジ内で揉み合いながらも一時2.9070ドル付近まで上昇する場面も見られたが、韓国で尹大統領が国会の混乱を抑える為「戒厳令」を発令すると同国の内政不安からリスク回避の動きが強まり、XRPUSDもその動きに巻き込まれ一時2.2700ドル付近まで下落した。ただ、直後に韓国の国会で「戒厳令」解除の動議が可決されると、市場が落ち着きを取り戻すなか再び買いが優勢となり下落幅を縮小する展開となった。一方で連日の高値更新を受け利益確定の売り圧力も強く、2.7ドル台には届かず、この日の戻りは限定された。
 尚、WisdomTreeは2日、米証券取引委員会(SEC)へFORM S-1を提出し、現物リップルを対象としたETFの立ち上げを開始する為の申請を行った。最終的にSECの承認が得られれば、Cboe BZX Exchangeに上場される予定。リップルのETFに関しては現在、Bitwise, 21Shares 、Canary Capitalが申請書を提出している。政権交代による規制緩和やSECとの訴訟が取り下げられるとの思惑、承認待ちのETFの上場が近付いているとの期待感が引き続き下値を支えている。

※日本時間12月4日午前6:00現在のドミナンスは4.416%。

 XRPJPYはXRPUSDに連動した動き。米国時間帯には一時435円付近まで上昇し、円建てで2018年1月以来の高値を更新した。ただ、その後の下落局面ではリスク回避の動きから外国為替市場での円高圧力も加わり一時345円付近まで急落した。終盤の取引では下落幅を縮小する展開になったものの、節目の400円台には届かなかった。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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