BTCUSD、BTCJPYは史上最高値を再び更新 財務長官候補のラトニックは商務長官として指名 ビットコイン・デイリーレポート2024.11.20(2024. 11.19)
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市況概況(ビットコイン)
19日のビットコインは続伸。BTCUSDは日本時間帯序盤から全般的に堅調に推移した。日本時間午後に出揃った18日の米国のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス2億5482万ドルとなり、3営業日ぶりに流入となったことや東証スタンダードに上場するメタプラネットがビットコインを124.117BTC追加購入したと発表したことも支援要因になった。尚、同社の開示情報によると、平均購入価格は1BTC当たり1409万9600円で購入総額は17億5000万円。同社が保有するビットコインは1,142.287BTCとなった。同社は前日に総額17億5000万円の社債を発行し、調達した資金をビットコインの購入に充当する予定だと発表していた。
欧州時間帯はやや伸び悩む展開となり、米国時間帯序盤には一時91,000ドル付近まで下落する場面も見られたものの、トランプ次期大統領による暗号資産関連の支援策や規制緩和期待を背景に上昇に転じた。また、米株式市場でスポットビットコインETFのオプション取引がスタートしたことやトランプ大統領の熱烈な支援者として知られると同時に対中強硬派、ビットコイン支持者としても知られる米投資銀行キャンター・フィッツジェラルドの会長兼最高経営責任者ハワード・ラトニック氏を米商務長官に指名したと発表したことも支援要因となった。
米国時間帯終盤に93,000ドル超えでデリバティブ・ショートポジションのストップを誘発すると一時93,970ドル付近まで上昇し、史上最高値を更新した。ただ、その後は高値更新を受けて利益確定の売りに押され上昇幅を縮小する展開となり、取引終盤には92,500ドル付近まで下落した。ただ、14日の高値更新後の膠着レンジを上回る水準を維持しており、NYクローズ時点での最高値を更新した。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間20日午前3時からの1時間でビットコイン先物のショートポジションの清算は2014万ドルに達した。
また、この日は週末の米商品先物委員会(CFTC)のスタッフ勧告、前日のオプション・クリアリング・コーポレーション(OCC)のスポットビットコインETFオプション取引の上場準備完了を経て、ブラックロックのIBITのオプション取引がナスダックで開始された。尚、OCCは19日、グレイスケールのGBTCやフィデリティのFBTCなど複数のスポットビットコインETFオプション取引の準備が整ったと発表した。早ければ20日から取引が可能となる。
一方でラトニック氏の商務長官指名はややサプライズだった。同氏は財務長官の有力候補者として見られており、高値更新後の調整場面では利益確定の売りのほか、同氏の商務長官指名を受けた失望売りが出ていた可能性もありそうだ。
19日のBTCJPYは続伸。日本時間帯から欧州時間帯はやや膠着した展開になったが、米国時間帯では1400万円を下値支持に反発すると、取引終盤には1453万付近まで上昇し、史上最高値を更新した。その後は利益確定の売りに押され上昇幅を縮小したものの、NYクローズ時点での最高値を更新した。
市況概況(イーサリアム)
19日のイーサリムは続落。ETHUSDは日本時間帯序盤に3225ドルまで上昇したものの、その後は利益確定の売りに押され全般的に軟調に推移した。日本時間午後に出揃った18日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローがマイナス3908万ドルとなり、3営業日連続で流出となったことも売りを促す要因となった。その後、欧州時間帯から米国時間帯にかけて下値を探る展開となり、前日の安値こそ割り込まなかったものの、終盤には一時3070付近まで下落した。引き続き3050~3230ドルの膠着レンジで方向感を探る展開となっている。トランプ次期大統領の政策や規制緩和期待が下支え要因になっているものの、暗号資産市場での優位性が再び低下しており、ポジティブな材料に対しても上値が重くなりつつある模様。
19日のETHJPYは続落。ETHUSDに連動して日本時間帯序盤に498,740円付近まで上昇したものの、その後は新規の支援材料に欠けるなか反落した。欧州時間帯にはこの日の安値となる473,620円付近まで下落した。米国時間帯はビットコインの上昇を受け486.430円付近まで上昇する場面も見られたが、終盤には再び売りが優勢となり、481,000円付近まで下落した。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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