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ビットコインは日曜日に上昇、円建ては最高値を更新、16日早朝には再び急伸 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.16(2024. 12.13-15)

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 13日のビットコインは反発。BTCUSDは前日終盤に利益確定の売りに押され節目の10ドルを割り込んでいたが、この日は日本時間序盤に10万ドル台を回復すると、その後は堅調に推移した。トランプ次期政権に対する規制緩和や支援策への期待感を背景に上場投資信託(ETF)を中心に資金流入が続いていることや米国の利下げ観測が引き続き支援要因となった。日本時間午後に出揃った12日のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス5億9756万ドルとなり、11営業日連続での流入となった。
 米国時間帯には上下に振れるなか一時的に10万ドルを割り込む場面も見られたが、直後に10万ドル台を回復すると、終盤には101,900ドル付近まで上昇した。前日に下院金融サービス委員の委員長に選出された共和党のフレンチ・ヒル下院議員が13日、デジタル資産法案を早期に成立させる意向を示したことが好感された。
 フレンチ・ヒル下院議員は13日、CNBCとのインタビューのなかで「デジタル資産のための市場構造が必要だ」とし、「私たちにはルールがない。ゲンスラー委員長の下では、強制による規制だけがあった。これではアメリカの成功にはつながらず、技術の進歩、Web3の革新、上場企業と金融サービスの両方におけるブロックチェーンの利用にもつながらない」と述べた。また、「下院多数党院内総務のスティーブ・スカリス氏がデジタル資産の規制構造法案を進める計画がある」と述べ、「トランプ次期大統領の任期最初の100日間計画の一環としてステーブルコインにも注力していく」とし、早期に法案を成立させる意向を示した。
 また、企業関連としてはRiot Platformsがビットコインの追加購入を発表した。暗号資産マイニング企業のRiot Platformsが13日、米証券取引委員会(SEC)に提出したF8-K報告書によると、同社は2024年12月10日から12日の間に約5億1000万ドルで新たにビットコインを5,117BTC購入した。今回の追加購入で同社のビットコイン保有量は16,728BTCとなった。尚、Bitcoin Treasureによると、同社は企業としてのビットコイン保有量は、Microstrategy、Marathon Digital Holdingsに続いて世界3位となっている。
 米商品先物取引委員会(CFTC)がNYクローズ後に発表したCommitments of Traders (COT) Reportsによると、12月10日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のシカゴマーカンタイル取引所(CME)ビットコイン先物のネットポジションは720枚の売り越しとなり、前週の1595枚の売り越しから875枚減少した。

 また、10分の1サイズのMicroビットコイン先物のネットポジションは5349枚の売り越しとなり、前週の5147枚の売り越しから202枚増加した。

 14日は反落した。BTCUSDは日本時間序盤には前日の高値を上抜き102,600ドル付近まで上昇したが、その後は利益確定の売りに押される展開となり軟調に推移した。特に目立った材料は見られなかったものの、節目の10万ドル超えの水準では引き継続き利益確定の売り圧力が強い模様。ただ、米国時間帯終盤には100,600ドル付近まで下落したが、節目の10万ドル割れは回避した。
 この日の日本時間午後に出揃った13日のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億2898万ドルとなり、12営業日連続での流入となった。また、週間ベースのトータルキャッシュフローはプラス21億6819万ドルとなり、2週連続での流入となった。

 15日は反発。BTCUSDは日本時間序盤から100,600ドルを下値支持に堅調に推移した。米国時間帯には前日の高値を上抜き103,350ドル付近まで上昇した。日曜日の取引で売買は低調ながらも新たな資金の流入が価格の上昇につながったと見られる。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、ビットコイン先物の未決済建玉は日本時間16日午前6:00時点で649億6000万ドルに達し、先月22日時点の640億3000万ドルを上抜き過去最高を更新した。

※日本時間12月16日午前6:00現在のドミナンスは57.436%。

追記 2024年12月16日9:00
 日本時間26日8:00からビットコインの上昇が再開した。CMEグローベックスのオープンで日曜日の動きを取り込む動きが優先されたと見られるが、明確な理由は現在のところ不明。外国為替市場ではドルが下落しており、ドル安が好感された可能性もある。尚、CoinGlassによると、先物ショートポジションの清算は日本時間16日午前8:00から急増しており、現時点で9時からの1時間で6586万ドルのショートポジションが清算された。
 また、BTCJPYは早朝の急伸で1600万円台を突破し史上最高値を更新した。 

 13日のBTCJPYは反発。BTCUSDの上昇や外国為替市場での円の下落を受け、日本時間帯序盤から堅調に推移すると、米国時間帯終盤には1566万円付近まで上昇した。日銀が今月の会合で利上げを見送るとの観測から外国為替市場では円売りが優勢となり、円は対ドルで153円台後半まで円安が進行したことが支援要因となり、円建てでの史上最高値を更新した。

 14日のBTCJPYは反落した。日本時間帯序盤には前日の流れを引き継ぐなか前日の高値を上抜くと1578万円付近まで上昇し再び史上最高値を更新した。ただ、その後は利益確定の売りに押され徐々に軟化する展開となり、米国時間帯終盤には1546万円付近まで下落した。

 15日の取引では反発した。BTCJPYは日本時間帯序盤から1546万円を下値支持に堅調に推移した。前日の利益確定の売りが一巡したことや下値の堅さが好感され新規の買いを中心に買いが優勢となり、再び最高値を更新すると米国時間帯終盤には1589万円付近まで上昇した。

市況概況(イーサリアム)
 13日のイーサリアムは小幅に続伸した。ETHUSDは利益確定の売りに押され前日の高値を上抜くことは出来なかったものの、トランプ次期政権による規制緩和や支援策への期待感やETFへの資金流入が下支え要因となり、米区時間帯には一時3968ドル付近まで上昇するなど全般的に底堅く推移した。日本時間午後に出揃った12日のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス2億7367万ドルとなり、流入は14営業日連続となり最長記録を更新した。
 CFTCがNYクローズ後に発表したCOT Reportsによると、12月10日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のシカゴマーカンタイル取引所(CME)イーサリアム先物のネットポジションは739枚の売り越しとなり、前週の731枚の売り越しから8枚売りポジションが増加した。投機筋のネットポジションはやや売りに傾斜しているもののほぼ拮抗。一方で取組は増加しており、CME先物市場への資金流入が顕著となっている。

 14日のETHUSDは、欧州時間帯から米国時間帯にかけて3825ドル付近までやや水準を切り下げたものの、ほぼ横ばいでの推移となった。この日の日本時間午後に出揃った13日のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス2360万ドルとなり、ここ最近の流入額としては低調だったが、流入は15営業日連続となり再び最長記録を更新した。また、週間ベースではプラス8億5484万ドルとなり、過去最高の流入額を記録したほか3週連続での流入となった。

 15日の取引では3833~3915ドルの狭いレンジ内で方向感を欠く展開となった。日曜日の取引で市場参加者が少なく積極的な売買が見送られるなか、ビットコインの上昇に対する反応も見られなかった。

※日本時間12月16日午前6:00現在のドミナンスは13.119%。

 13日のETHJPYは小幅続伸。ETHUSDの上昇や外国為替市場での円安を受け、米国委時間帯には前日の高値を上抜き608,970円付近まで上昇した。その後は利益確定の売りに押され伸び悩む展開となったものの、この日の高値圏を維持しながらの推移となった。

 14日から15日の取引では、14日にやや水準を切り下げたものの、その後は588,150~601,500円のレンジ内で方向感を欠く展開となった。日曜日の取引で見送りムードが強まった模様。

市況概況(リップル)
 13日のXRPUSDは米国時間帯に入って反発した。次期下院金融サービス委員の委員長に選出された共和党のフレンチ・ヒル下院議員がデジタル資産に対する法案を早期に成立される意向を示したことを受け買いが優勢となり一時2.4809ドル付近まで上昇した。XRPは発行会社のリップル社がSECとの訴訟を抱えていることやETFの発行を巡ってSECの規制強化姿勢が障壁となっていたが、政権移行によってビットコインに次いで恩恵を受けると見られており、11月の大統領選以降は急伸してきた。一方で12月上旬の高値更新後は1.8910ドルへの調整を経て2.4000ドル台を回復しているものの、上値の重い状況が続いている。この日の上昇も現行の膠着レンジをブレイクするまでには至らなかった。

 14日の取引では前日の高値を上抜き一時2.5530ドル付近まで上昇したが、その後は2.4000ドル付近の膠着レンジへと回帰した。
 15日は2.3900~2.4420ドルのレンジ内でほぼ膠着し、方向感に欠ける展開となった。

※日本時間12月16日午前6:00現在のドミナンスは3.828%。

 13日のXRPJPYはXRPUSDの上昇や外国為替市場での円安進行を受け、米国時間帯には380円付近まで上昇した。その後は372円付近まで上昇幅を縮小したものの、底堅く推移した。
 14日の取引では反落。この日の日本時間帯には前日の高値を上抜き389円付近まで上昇する場面も見られたが、その後は利益確定の売りに押され、米国時間帯終盤には362円付近まで下落した。
 15日の取引は368~377円のレンジ内でほぼ膠着。日曜日の取引で見送りムードが強く積極的な売買が見送られた。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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