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DeepSeekショックで円は上昇、一時153円台後半まで円高が進行 FX・デイリーレポート2025.1.28(2025.1.27)

株式会社B.C.Aマネージメント
投資助言部
外国為替グループ

 27日の外国為替市場では円が上昇した。ドル円(USD/JPY)は東京時間帯ではコロンビアを巡る米国の関税強化への懸念からやや円売りが優勢となり156.24円付近まで円安が進む場面も見られたが、欧州時間帯に入ると急伸し一時153.73円付近まで円高が進行した。中国系企業のDeepSeekが米国企業のOpenAI、Google、Metaなどの人口知能(AI)に匹敵する大規模言語モデルでありながら運用コストが割安な「DeepSeek R1」を発表したことで米国経済を牽引してきたAI関連企業への投資戦略の見直しが迫られるとの思惑からNvidiaなどAI関連銘柄が時間外取引で急落し、ドルが売られるなか比較的影響の少ない円へ逃避的な買いが入ったと見られる。ただ、その後は円買いの動きが一巡すると、ニューヨーク時間帯にかけて徐々に円売りが優勢となり、終盤には154.50円付近まで水準を回復した。
 一方でドルは下落した。ドルインデックス(DXY)は欧州時間帯に107.80付近から反落すると、ニューヨーク時間帯序盤には一時106.97付近まで下落した。その後は安値修正や米国の新築住宅販売が前月から増加したことが下支え要因となり下落幅を縮小した。
 米商務省が27日発表した2024年12月の新築住宅販売件数は季節調整済み年率換算で69万8000戸となり、前月の67万4000戸から増加した。市場予想は67万5000戸だった。また、2024年の新築住宅販売数の推計は68万3000戸で、前年の66万6000戸から増加した。

 また、トランプ大統領は26日、コロンビアが不法移民の強制送還を拒否したことで同国への報復措置として25%の追加関税を課すと表明していたが、その後ホワイトハウスはコロンビアが米国から強制送還された不法移民を受け入れることに同意したとし、コロンビアに対する制裁と関税を停止すると発表した。

 ユーロドル(EURUSD)は小幅に上昇。東京時間帯は弱含みで推移していたが、欧州時間帯に入ってドル安やIFO景況指数の改善を受けてユーロ買いが優勢となり、ニューヨーク時間帯序盤には1.0532ドル付近まで上昇した。ただ、その後は欧州中央銀行(ECB)の利下げ見通しが引き続き上値を抑える要因となったほかドルの反発を受け上昇幅を縮小する展開となり1.0490ドル付近まで押し戻された。
 独IFO経済研究所が27日発表した1月の景況指数は85.1となり、前月の84.7から上昇した。市場予想は84.7で前月からの横ばいを見込んでいた。現況指数が前月の85.1から86.1に上昇したことが寄与した。一方で期待指数は前月の84.4から84.2へ低下した。また、レポートでは「企業は引き続き悲観的だ」との見解を示している。

 ポンドドドル(GBPUSD)は続伸したが、ニューヨーク時間帯に失速し上昇幅を縮小した。この日は独自の目立った材料はなく、DeepSeekショックで市場が混乱するなかドル主導の展開となった。

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