ビットコイン・デイリーレポート2024.7.26(2024.7.25)ビットコインは続落、米GDP発表後に安値更新イーサリアムも続落、ETF上場後の売りが続く
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市場調査室
暗号資産グループ
市況概況(ビットコイン)
25日のビットコインは続落。BTCUSDはアジア時間帯から軟調に推移した。前日の米株式市場の下落を受け市場センチメントが悪化するなかBTCUSDも売りが先行した。また、2014年に破綻したマウント・ゴックス社(Mt社)の3回目の弁済金の送金が24日に行われ、代理口座に指定されているBitstampが25日から債権者に送金を開始すると発表していたことも市場の売り圧力を強める要因になったと見られる。日本時間25日午後に出揃った米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のキャッシュフローは前日のマイナスからプラスに転じたものの、流入額が4450万ドルと直近と比較して物足りない数字となったこともあり、相場を押し上げる効果はなかった。その後米国時間帯には、米商務省が発表した第四半期の国内総生産(GDP)速報値が市場予想を上回ったほか、同時に公表された米連邦準備理事会(FRB)が物価の目安として注視する食品とエネルギーを除いた個人消費支出価格指数(コアPCEデフレーター)は市場予想を上回ったものの、前期から鈍化したことで、米経済が好調さを保ちつつ、インフレの抑制が進みソフトランディングに近付いているとの見方から米株式市場を中心に市場センチメントが改善した。一方で暗号資産市場の反応は薄く、その後BTCUSDは63,500ドル付近まで下落した。米国時間帯中盤以降になってようやく買い戻す動きが見られ、NYクローズにかけて下落幅を縮小し65,000ドル台を回復した。尚、米商務省が25日に発表した第2・四半期のGDP速報値は前期比年率換算で2.8%増となり、前期の同1.4%、市場予想の2.0%を上回った。また同時に公表されたコアPCEデフレーターは前期比2.9%上昇と、前期の同3.7%から鈍化したものの、市場予想の2.7%を上回った。
BTCJPYも続落。リスクオフの動きに加え外国為替市場での円高進行に圧迫され、節目の1000万円を割り込み970万円付近まで下落した。この日も外国為替市場では月末に日銀の金融政策決定会合を控え、円キャリートレードの巻き戻しを中心に円のショートポジション解消が進み、欧州時間帯にドル円は151.95円まで円高が進んだ。その後米商務省が発表したGDP速報値の結果を受けドルが反発したこともあり、153円台中盤まで戻した。BTCJPYも米国時間帯中盤以降は売りが一巡したほか、円高一服を受けて買い戻され、NYクローズでは1000万円台を回復した。引き続きBTCJPYはドル円の動きに影響を受けやすい状況にあるが、ビットコイン自体は株式や為替と言った外部市場との相関性は6月中盤以降の下落局面から薄れている。ドイツ政府の売却は完了したものの、米国や英国政府は犯罪収益として押収したビットコインを大量に抱えているほか、Mt社の債権者への弁済も続いており、需給バランスを崩しかねない大口売却への警戒感が現在も燻っている模様。
市況概況(イーサリアム)
25日のイーサリアムは続落。ETHUSDはアジア時間帯から軟調。23日に米国で上場されたスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローが2日目にしてマイナスを記録したことや上場後の上昇を見込んでいたロングポジションの失望売りが続き、米国時間帯には3090ドル付近まで下落した。また、イーサリアム財団から2015年9月に96,474ETHを受け取っていたウォレットが7年ぶりに動き出したことも売り圧力を強める要因になったと見られる。尚、当初囁かれていた財団関連のウォレットではないかという憶測をもとにThe Blockがイーサリアム財団の情報筋に確認したところ、「このウォレットは財団関連の物ではない」という。一方でこの日のETFは流出となったが、マイナスはGrayscaleの転換型の ETHEだけであり、今後手数料の低いETFへの乗り換えが進むと見られる。上場2日目のETHEは純流出額が 3 億 2,690 万ドルに達し、その他ETFの流入額を大幅に上回った。
ETHJPYも続落し47万円台まで下落した。一方で欧州時間帯以降は円高一服を受け安値圏ながらも下げ止まり、NYクローズにかけて48万円付近の狭いレンジ内で方向感を探る展開となった。
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