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ドルはCPIを受け下落、米国の利下げペース鈍化に対する過度な警戒感が後退、ドル円は円高が進行、今会合での利上げ観測を受けて FX・デイリーレポート2025.1.16(2025.1.15)

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投資助言部
外国為替グループ

 15日の外国為替市場でドルは小幅に下落した。注目されていた12月の米消費者物価指数(CPI)でコアCPIの伸びが前月から鈍化したことを受け米国の利下げペース鈍化への過度な警戒感が後退し、米長期金利が低下するなか主要通貨に対しドルが売られ、ドルインデックス(DXY)は一時108.60付近まで下落した。ただ、その後はドルが急速に買い戻され下落幅を縮小する展開となり、109台を回復した。20日に大統領就任式を控えトランプ次期大統領の政策による根強い物価上昇懸念がドルの下値を支えた模様。一方で米連邦準備制度理事会(FRB)による年内利下げは2回が有力視されており、直近では6月の米連邦公開市場員会(FOMC)で利下げが決定されるとの見方が広がった。
 シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物フェデラル・ファンド・レート(FF)金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )によると、1月、3月、5月のFOMCでは利下げが見送られる見通しとなっているが、6月のFOMCでは25bpの引き下げ確率が上昇した。

※CME FedWatchより https://www.cmegroup.com/markets/interest-rates/cme-fedwatch-tool.html

 この日、米労働省が15日発表した2024年12月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比2.9%上昇となり、前月の2.7%から伸びが加速したものの、市場予想の2.9%上昇と一致した。前月比は0.4%上昇となり、前月の0.3%や市場予想の0.3%を上回る伸びとなった。一方で食品とエネルギーを除くコアCPIは前年同月比3.2%上昇となり、前月の3.3%や市場予想の3.3%を下回った。前月比は0.2%上昇で前月の0.3%からやや鈍化し、市場予想の0.2%と一致した。引き続き高い物価上昇率となったが、コアCPIが前月から鈍化したことを受け米国の利下げペース鈍化への過度な警戒感が後退した。

 ドル円(USD/JPY)は東京時間午後から円高が進行。日銀の植田総裁が全国地方銀行協会の会合で「利上げを行うかどうか議論して判断する」と述べたことを受け、今月の日銀金融政策決定会合での利上げが意識される展開となり、円が買い戻された。前日には氷見野副総裁が利上げについて否定はしなかったものの「タイミングの判断が難しい」との認識を示したことで為替市場への影響は限定的だったが、植田総裁の発言を受けて利上げを織り込む動きが広がった。ニューヨーク時間帯ではコアCPIの鈍化を受け米長期金利が低下するなか、日米金利差縮小期待から一時155.96円付近まで円高が進んだ。終盤は円買いの動きは一巡したものの、156円台前半でNYクローズを迎えた。

 ユーロドル(EURUSD)は小幅に下落。東京時間帯から欧州時間帯にかけては1.0300ドル付近で膠着した展開となっていたが、ニューヨーク時間帯序盤に米国のコアCPIの鈍化を受けてドルが下落すると、一時1.0354ドル付近まで上昇した。ただ、その後はユーロ圏経済の減速や欧州中央銀行(ECB)の継続的な利上げ観測が引き続き圧迫要因となり、1.0260ドル付近まで下落した。終盤は安値を買い戻されたものの、1.03ドル台には届かずにNYクローズを迎えた。
 この日、ドイツ連邦統計庁が発表した2024年の国内総生産(GDP)は前年比マイナス0.2%となり、2023年のマイナス0.3%からやや改善したものの、2年連続でマイナス成長となった。市場予想はマイナス0.2%だった。

 また、欧州連合統計局(ユーロスタット)が15日発表した2024年11月のユーロ圏鉱工業生産指数は前年同月比マイナス1.9%となり、前月のマイナス1.1%から悪化した。市場予想はマイナス1.9%だった。前月比は0.2%上昇で伸びは前月から変わらず、市場予想の0.3%上昇を下回った。

 ポンドドドル(GBPUSD)は小幅に上昇。12月の英消費者物価指数(CPIH)を受け上下に振れる場面も見られたが、米国時間序盤にドル安主導で一時1.2307ドル付近まで上昇した。終盤はドルが反発したことを受け上昇幅を縮小した。
 英国統計局(ONS)が発表した12月のCPIHは前年同月比3.5%上昇と前月の3.5%から変化はなかった。前月比は0.3%上昇で前月の0.2%から伸びが加速した。

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