ビットコインは高値更新も終盤に失速 ビットコイン・デイリーレポート2024.9.24(2024. 9.23)
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市場調査室
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市況概況(ビットコイン)
23日のビットコインは小幅続伸。BTCUSDは、米国の追加利下げ観測を背景に日本時間帯には前日の高値を上抜き一時64,750ドル付近まで上昇した。ただ、その後は利益確定の売りに押され徐々に軟化する展開となり、米国時間帯には63,120ドル付近まで下落した。また、S&P Globalが発表した9月のユーロ圏購買者担当指数(PMI)速報値が前月から悪化したことも上値を圧迫する要因になった。一方、米連邦準備理事会(FRB)高官らが今月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での50bpの利下げについて「正しい判断」だったとの発言が相次いだことや、民主党の大統領候補ハリス氏が「デジタル資産について推奨する」と発言したことが伝わったことが下支え要因となり、NYクローズにかけて下げ止まり、プラス圏を維持した。S&P Globalが発表したユーロ圏の総合PMI速報値は48.9となり、景気判断の50を下回ったほか、8月の51.0から低下し、市場予想の50.5を大幅に下回った。一方、米国の9月の総合PMI速報値は54.4となり、8月の54.6からやや低下したものの、景気判断の50を引き続き上回っている。ブルームバーグによると、民主党の大統領候補ハリス氏はウォール街の資金調達イベントで、大統領として「消費者と投資家を保護しながら、AIやデジタル資産などの革新的な技術を奨励する」と述べ、初めて暗号資産について言及した。また、 米シカゴ地区連銀のグールズビー総裁は23日、9月会合での50bpの利下げについて、「経済のソフトランディングを望むなら、後手に回ってはならない」とし「満足している」と述べた。また、向こう1年間でさらに多くの利下げを実施するとの見通しを示した。米ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁も50bpの利下げはインフレの大幅な進展と失業率上昇のリスクを考慮して「正しい決断だった」と述べた。米アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、インフレ率と失業率がほぼ正常な水準に戻っていることから、FRBの金融政策を早期に正常化させる必要があるとし、急速な利下げへの支持を示唆した。これらの発言を受けてシカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物FF金利先物から算出する金利見通し(FedWatch )で11月のFOMCで50bpの利下げが実施される確率は週末の50.4%から54.8%まで上昇した。
23日のBTCJPYは小幅続伸。日本市場が祝日の為3連休となり、この時間帯の市場参加者は少なかったものの、BTCUSDや外国為替市場での円安を受けて前日の高値を上抜き933万円付近まで上昇した。その後は円安が一服したことや利益確定の売りに押され徐々に軟化する展開となり、米国時間帯には一時905万円付近まで下落した。ただ、節目の900万円割れを試す動きまでは見られず、現在は910万円付近で取引されている。
市況概況(イーサリアム)
23日のイーサリアムは続伸。ETHUSDは日本時間早朝から堅調に推移すると、日本時間午後にはデリバティブ・ショート・ポジションの清算を巻き込みながら2690ドル付近まで上昇した。米国の追加利下げ観測やETFのキャッシュフローに改善傾向が見られることが引き続き支援要因になった。その後、欧州時間帯にかけて欧州経済の悪化懸念や利益確定の売りに押され軟化する場面も見られたが、米国時間帯に再び上昇に転じると序盤の高値を上抜き節目の2700ドル台を突破した。米国時間帯終盤は上昇幅を縮小したものの、2650ドル付近で取引されており、前日からレンジを50ドル超切り上げた。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlasslによると、23日の取引では1822万ドルのデリバティブ・ショート・ポジションが清算された。尚、ドミナンスも上昇しており、前日の14.343%から14.643%まで上昇した。
23日のETHJPYは続伸。ETHUSDの上昇や外国為替市場での円安が支援要因となり、日本時間帯に387,655円付近まで上昇した。欧州時間帯にかけては円安一服や利益確定の売りに押され軟化する場面も見られたが、米国時間帯に入って再び上昇すると序盤の高値を上抜き388,510円付近まで上昇した。終盤は利益確定の売りに押されやや上昇幅を縮小したものの、前日から水準を切り上げ、現在は381,00円付近で取引されている。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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