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24日は暗号資産全般が上昇したが、前日の米大統領令に暗号資産準備金への明記がなく上値を圧迫 ビットコイン・デイリーレポート2025.1.27(2025. 1.24-26)

株式会社B.C.Aマネージメント
投資助言部
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 24日のビットコインは反発。BTCUSDは日本時間帯序盤、前日のラミス上院議員のソーシャルネットワーク(SNS)への投稿(詳細については24日付note参照 https://note.com/bca_m/n/n331a07eefa3d )による騒動や、トランプ大統領が「デジタル金融技術におけるアメリカのリーダーシップの強化」と題する人口知能(AI)と暗号資産関連の大統領令に署名したものの、期待されていた暗号資産準備金設立へ向けた記載がなかったことが引き続き圧迫要因となり、104,500ドルを抵抗に上値の重い展開が続いた。ただ、日本時間24日11:00ごろにトランプ大統領が中国への関税賦課について消極的な発言が伝わると、関税強化やそれに伴う物価上昇への警戒感が後退しドルが下落したことが支援要因となり上昇に転じた。この日、FOXニュースは事前に収録したトランプ大統領とのインタビューを配信し、同大統領が中国へ関税賦課について「われわれは中国に対し一つの非常に大きな力を持っている。それは関税だ。彼らはそれを望んでおらず、私はむしろそれを使いたくない」と述べると、各主要メディアが一斉に速報として報じた。この報道直後から外国為替市場ではドル売りが強まり、BTCUSDペアはドル売り主導で上昇した。また、日本時間午後に出揃った23日のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローがプラス1億8864万ドルとなり、6営業日連続で流入を記録したことも支援要因となった模様。その後、米国時間帯には米経済指標の悪化を受けてドルが下落幅を拡大すると一時107,120ドル付近まで上昇した。終盤はトランプ大統領への過度な期待感の後退や利益確定の売りに押され104,750ドル付近まで上昇幅を縮小した。
 この日は、米国のPMIや消費者信頼感指数が低下し、米経済への先行きの懸念が強まった。S&Pグローバルが公表した12月米総合PMI速報値は52.4となり、前月の55.4から低下し、市場予想の55.6を下回った。サービス部門は52.8と前月の56.8から大幅に低下し、市場予想の56.5を下回った。製造業PMI速報値は50.1となり、前月の49.4から改善し、市場予想の49.7を上回った。主要3指数が揃って景気判断基準の50を上回ったが、サービス業が9カ月ぶりの低水準まで落ち込んだ影響で総合指数は9カ月ぶりの低水準まで低下した。また、米ミシガン大学が24日発表した1月の消費者信頼感指数の確報値は71.1となり、速報値の73.2から下方修正され、前月の74.0から低下したほか市場予想の73.2を下回った。現況指数は74となり、速報値の77.9から下方修正され、前月の75.1から低下した。期待指数も速報値の70.2から下方修正され69.3となり、前月の73.3から大幅に低下した。一方で1年先の期待インフレ率は速報値と変わらず3.3%で前月の2.8%から上昇した。5年先の期待インフレ率は速報値の3.3%からわずかに下方修正され3.2%となったが、前月の3.0%から上昇した。トランプ政権の関税強化措置などによる物価の再上昇懸念が高まり、消費者心理を悪化させている模様。
 一方で世界最大の暗号資産デリバティブ取引所Deribitで1月31日に79億2500ドル相当のオプションが満期を迎える。そのうちアウトオブザマネーは63億6150ドル相当で、Deribitの試算ではマックスペインは98,000ドルとなっており、現在の市場価格との乖離からマーケットメイカ―による下押し圧力が警戒される状況となっている。

 尚、米商品先物取引委員会(CFTC)が24日に発表したCommitments of Traders (COT) Reportsによると、1月21日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のシカゴマーカンタイル取引所(CME)ビットコイン先物のネットポジションは739枚の買い越しとなり、前週の1,335枚の買い越しから596枚買い越し幅が縮小した。引き続き投機筋のCMEでのポジションは売り買いが拮抗している。

 また、CME・MICROビットコイン(10分の1サイズ)先物の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のネットポジションは1月21日時点で4,041枚の売り越しとなり、前週の3,038枚の売り越しから1,003枚売り越し幅が拡大した。

 25~26日の取引では104,300ドルを下値支持にほぼ横ばいで推移した。土日の取引で新たな材料は見られず見送りムードが広がった。尚、日本時間25日午後に出揃った24日のスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス5億1766万ドルとなり、7営業日連続の流入となった。また、20日から始まる週のトータルキャッシュフローはプラス17億5746万ドルとなり、4週連続で流入となった。

※日本時間1月27日午前6:00現在のドミナンスは58.849%。

 24日のBTCJPYはBTCUSDに連動して堅調に推移し、米国時間帯終盤には1668万円付近まで上昇した。日銀が24日の金融政策決定会合で利上げを決定し一時的に円高に振れる場面も見られたが、既に利上げが市場に織り込まれており、その影響は限定的だった。
 25~26日の取引は1630~1645万円のレンジ内でほぼ横ばい。

市況概況(イーサリアム)
 24日のイーサリアムは反発した。ETHUSDは日本時間帯序盤から堅調に推移すると、米国時間帯には一時3440ドル付近まで上昇した。取引終盤は利益確定の売りに押され3370ドル付近まで水準を切り下げたものの、前日比でプラス圏を維持した。ドルの下落を受け暗号資産全般が上昇したことが好感されたほか、米証券取引委員会(SEC)の方針転換によりイーサリアムETFでのステーキングが認められる可能性が高まっていることが支援要因になった。一方、日本時間25日午後に出揃った23日のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはマイナス1493万ドルとなり、7営業日ぶりの流出となった。
 また、CFTCが24日に発表したCOT Reportsによると、1月21日時点の非商業筋(ファンド、機関投資家など投機筋)のCMEイーサリアム先物のネットポジションは437枚の買い越しとなり、前週の735枚の買い越しから298枚買い越し幅が縮小した。

 25~26日の取引では、土曜日の日本時間帯に前日終盤からのロングポジションの利益確定の動きが継続し一時3270ドル付近まで下落した。ただ、その後は新たな材料に見られず、ポジション調整の売買が中心となり、3280~3355ドルのレンジ内で方向感を欠く展開となった。尚、25日の日本時間午後に出揃った24日のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス917万ドルとなり、わずかながら流入となった。また、20日から始まる週のトータルキャッシュフローはプラス1億3931万ドルとなり、2週連続での流入となった。

※日本時間1月27日午前6:00現在のドミナンスは11.329%。

 24日のETHJPYはETHUSDに連動して反発し、米国時間帯には536,540円付近まで上昇した。終盤は利益確定の売りに押され520,000円付近まで押し込まれたものの、前日比でプラス圏を維持した。
 25~26日の取引では24日の日本時間午前中に一時510,570円付近まで下落したが、その後はやや水準を切り上げ511,500~525,000円のレンジ内で方向感欠く展開となり、ほぼ横ばいでの推移となった。

市況概況(リップル)
 24日のリップルは反発。XRPUSDは日本時間帯から欧州時間帯にかけて堅調に推移し一時3.2040ドル付近まで上昇した。暗号資産全般が上昇したことや外国為替市場でドルが下落したことが支援要因になった。ただ、米国時間帯では週末を控え利益確定の売りに押され一時3.0950ドル付近まで下落するなど上昇幅を縮小する展開となった。この日、暗号資産運用会社のCoinSharesが現物のリップルを信託財産として保有する「CoinShares XRP ETF 」のFORM S-1(登録届出書)を米証券取引委員会(SEC)へ提出したが、リップルの現物ETFは複数が申請手続き中、または承認待ちの状態となっており、これに対する市場の反応は見られなかった。また、23日にトランプ大統領が署名した「デジタル金融技術におけるアメリカのリーダーシップの強化」と題するAIと暗号資産関連の大統領令に期待されていた暗号資産準備金設立へ向けた記載がなかったことも引き続き上値を圧迫する要因となった。
 25~26日の取引では一時3.0765付近まで下振れする場面も見られたものの、週末の取引で積極的な売買が手控えられるなか3.0960~3.1455ドルのレンジ内で方向感を欠く展開となった。

※日本時間1月27日午前6:00現在のドミナンスは5.090%。

 24日のXRPJPYはXRPUSDに連動して欧州時間帯に節目の500円台を突破したものの、その後は利益確定の売りに押され485円付近まで下落した。
 25~26日の取引では481円付近まで下振れする場面も見られたが、全般的には483.80~491.00円の狭いレンジ内でほぼ膠着した展開となった。

市況概況(ソラナ)
 24日のソラナは小反発。SOLUSDは暗号資産全般が上昇したことやドル安を受け米国時間帯には270.30ドル付近まで上昇した。ただ、終盤は週末を控え利益確定の売りに押される展開となり、前日比でプラス圏は維持したものの256.60付近まで下落した。トランプ政権への過度な期待感の後退が引き続き上値を圧迫した。この日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)がGrayscaleの「Grayscale Solana Trust」のFORM 19b-4を公開したが、市場の反応は特に見られなかった。尚、「Grayscale Solana Trust」は投資信託からスポットETFへの転換型となっている。
 25~26日の取引では25日に一時246.50ドル付近まで下落したものの、その後は安値を買い戻され260.60ドル付近まで上昇した。ただ、前日の高値には届かず、以降は253.10~260.00ドルのレンジ内で方向感を探る展開となった。

※日本時間1月27日午前6:00現在のドミナンスは3.473%。

市況概況(ライトコイン)
 24日のライトコイン(Litecoin、LTC)は反発。LTCUSDは日本時間帯序盤から堅調に推移すると米国時間帯には一時123.26ドル付近まで上昇した。暗号資産全般が上昇したことや外国為替市場でのドル安が支援要因となったほか、CoinSharesが「CoinShares Litecoin ETF」のFORM S-1をSECへ提出したことや、NYSEがGrayscaleの「Grayscale Litecoin Trust」のFORM 19b-4(申請書)を提出したことが好感された。尚、「Grayscale Litecoin Trust」は投資信託からスポットETFへの申請となっている。ただ、取引終盤は利益確定の売りに押され、上昇幅を縮小する展開となった。
 25日の取引では前日終盤からの利益確定の売りが一巡すると再び買いが優勢となり、129.30ドル付近まで上昇した。ただ、その後は週末を迎え積極的な売買が手控えられるなか利益確定の売りが先行する展開となり、26日にかけて上昇幅を縮小する展開となった。

※当資料は投資助言部が作成していますが、金融商品取引法で定める助言に該当するレポートではありません。助言レポートに関しましては発行の準備を進めていますので、準備が整い次第あらためてお知らせいたします。
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