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ビットコインは10万ドルを突破し最高値更新も米国時間帯に失速、リップルは膠着 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.06(2024. 12.05)
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
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市況概況(ビットコイン)
5日のビットコインは続伸。節目の10万ドルを突破し史上最高値を更新したが、米国時間帯には失速した。BTCUSDは前日にトランプ次期大統領が米証券取引委員会(SEC)の委員長に暗号資産支持派として知られるポール・アトキンス氏を指名したことをきっかけに急伸。その後、日本時間早朝の段階では利益確定の売りに押され99,000ドル付近で伸び悩む場面も見られたが、トランプ次期政権への期待感が膨らむなか再び買いが優勢となり、節目の10万ドル突破するとデリバティブや先物ショートポジションのストップを巻き込み103,875ドル付近まで急伸した。暗号資産デリバティブデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、日本時間5日午前11時からの1時間でビットコイン先物ショートポジションの清算は5024万ドル、次の1時間では3279万ドルのショートポジションが清算され、およそ2時間の間に8303万ドルのショートポジションの清算が発生した。一方で、この時間帯には2014年に流出事件を起こして破綻したマウント・ゴックス社のウオレットから未知のアドレスへ送金が確認されており、弁済が再開されるとの見方も出ていたが、この時点で市場への影響は見られなかった。また、この未知のアドレスについては後にマウント・ゴックス社の別のアドレスと確認された。オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると、BTCUSDが10万ドルを突破したころ、マウント・ゴックス社は当初タグ付けのなされていなかった未知のアドレスへ27,871BTCを送金した。その後、マウント・ゴックス社の別のアドレスと判明したものの、同社間のウオレット内で移動が繰り返されており、弁済の再開へ向けた動きの可能性があると見られる。
また、日本時間帯午後に出揃った4日の米国のビットコイン上場投資信託(ETF)への資金流入はプラス5億5682万ドルとなり、5営業日連続での流入となった。
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その後は、米国時間帯序盤にかけて利益確定の売りを吸収しつつ10万ドル台を維持していたものの、急激な上昇に対する警戒感や先物市場でのロングポジション維持コストの急激な上昇により、徐々に売りが膨らみ上昇幅を縮小する展開となった。米国時間帯終盤には断続的に発生する売りに節目の10万ドルを割り込み一時98,000ドル付近まで下落した。CoinGlassによると、先物市場での8時間ごとの加重平均資金調達率は一時0.0906%まで上昇した。尚、資金調達率とは無期限先物取引で一定の時間ごとに先物価格と現物価格差から算出したもので、その都度ロングポジションホルダーとショートポジションホルダーとの間で資金調達率に応じた手数料のやり取りが行われる。資金調達率がプラスの場合、ロングポジションホルダーはショートポジションホルダーに資金調達に応じた手数料を支払い、マイナスの場合にはショートポジションホルダーがロングポジションホルダーに手数料を支払う。また、算出時間は各取引所で定められており、4時間ごとや8時間ごとが多い。
追記
日本時間6日午前7時過ぎに一時的に91,500ドル付近まで急落した。取引が薄い時間帯のなかでフラッシュクラッシュのような動きが発生しており、現在は96,000ドル台を回復しているものの、やや不安定な展開となっている。
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5日のBTCJPYはBTCUSDの上昇に連動して日本時間帯に節目の1500万円を突破すると1559万円付近まで上昇し史上最高値を更新した。その後は1500万円台を維持しつつも利益確定に売りに押され伸び悩む展開となった。米国時間帯序盤には再度高値更新を試すも直後から利益確定の売りに押され反落した。また、外国為替市場で円が上昇したことも圧迫要因となり、節目の1500万円を割り込みこの日の上昇分をほぼ失った。
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市況概況(イーサリアム)
5日のETHUSDは日本時間帯序盤から米国時間帯序盤までは前日の流れを引き継ぎ堅調に推移すると一時3960ドル付近まで上昇した。ETFのキャッシュフロー改善や暗号資産間フローによる資金流入などが引き続き支援要因になったほか、ビットコインの急伸を受けて買いが先行する展開となった。ただ、その後にビットコインが失速すると徐々に利益確定の売りが優勢となり、米国時間帯終盤にはこの日の上昇分をほぼ失った。尚、日本時間午後に出揃った4日の米国スポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1億6761万ドルとなり、8営業日連続での流入となった。
追記
日本時間6日早朝には3860ドルから3650ドル付近まで瞬間的に下落するなどフラッシュクラッシュのような動きが発生している。
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5日のETHJPYは米国時間帯序盤に595,480円付近まで上昇したが、その後は利益確定の売りに押され反落し、この日の上昇分をほぼ失った。足元では直近の上昇を受け、利益確定の売り圧力が強まっており、調整リスクが警戒されている模様。
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5日のリップルはほぼ横ばい。XRPUSDはビットコインの急伸による影響も見られず2.175~2.510ドルのレンジ内で方向感を欠く展開となった。今月3日までの急伸後はやや調整色を強めているものの、トランプ次期政権への期待感やSECがリップル社との訴訟を取り下げるとの見通しが引き続き下値を支えている。テクニカル的には2.170~2.200ドルが下値サポートとして意識されている模様。
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5日のXRPJPYは326~375円のレンジ内で横ばい。レンジ下限付近では底堅さが見られるものの、急伸後の調整が継続していると見られる。
(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)
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