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ビットコイン・デイリーレポート2024.8.7(2024.8.6)
暗号資産全般が反発も、戻りの鈍さが目立つ
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
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市況概況(ビットコイン)
6日のビットコインは反発。BTCUSDは前日までのパニック的な売りが一巡。アジア時間帯から安値修正の動きが継続した。外国為替市場で円高が一服したほか日本株が急反発し市場センチメントが改善、過度なリスクオフムードも後退した。一方、日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の5日分のトータルキャッシュフローが先週末に続いてマイナスとなり、これが上値を抑える要因になった。欧州時間帯から米国時間帯では56,000ドルを上値抵抗に伸び悩んでいたが、米国時間帯終盤には若干水準を切り上げ、57,000ドル台を試す展開となっている。市場では引き続きマウント・ゴックス社(Mt社)やジェネシス・グローバルの債権者への弁済、米国や英国が犯罪収益として押収した暗号資産の売却に対する警戒感が燻っており、下振れリスクや上値を圧迫する要因は残る。また、暗号資産デリバティブのデータ分析プラットフォームCoinGlassによると、ビットコイン永久先物市場では資金調達率がマイナスを記録しており、ショートポジションが極端に積みあがっていると思われる。ただ、資金調達率のマイナスは発生時には強力な売り(下落)シグナルとなるが、マイナス解消後には積みあがったショートポジションの解消が主導となり、安値修正へと局面が変化する傾向がある。足元では前日までの急落ショックが残るなかで、新たな方向感を探りつつも不安定な相場環境が続きそうだ。
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BTCJPYもほぼ同様の動きとなり800万円台を回復した。前日の米株式市場の反発を背景に過度なリスクオフムードが後退するなか外国為替市場での円高一服やBTCUSDの上昇が支援要因になった。また、この日の東京市場では日経平均が前日までの急落から急反発し、上昇幅は3217.04円で過去最大となったこともリスクオフムードを後退させる要因になった。一方でドル円の動きは東京時間帯に146円台まで円安が進む場面も見られたが、引き続き145~146円台では円買い圧力が強く、欧州時間帯から米国時間帯には144~145.50円付近で方向感を探る展開となっている。一部では米金利先物の低下を受け米連邦準備理事会(FRB)が9月の米連邦公開市場委員会(FOMC)を待たずに緊急利下げを行う可能性も指摘されており、金利差縮小を前提とした円買い・ドル売りに対する警戒感が強いと見られる。BTCJPYについては引き続きドル円の動きも注視した展開となりそうだ。
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6日のイーサリアムは小反発も上値は限定された。ETHUSDは前日までのパニック的な売りが一巡し、安値修正から若干水準を切り上げたが、2420~2560ドルのレンジ内で方向感を探る展開となった。前日までの急落でJump Cryptの売却目的と見られる取引所への送金は織り込んだと見られることや金融市場全般が落ち着きを取り戻すなかで、過度なリスクオフムードが後退したことが下支え要因になった。また、日本時間午後に出揃った米国で上場されているスポットイーサリアムETFの5日分のトータルキャッシュフローがプラスを記録したことも市場に安心感を与えた。上場来流出が続いているGrayscaleのETHEの流出額が鈍化したことが寄与したが、まずはこの継続性が試されることになる。
ETHJPYも安値修正から水準を切り上げたが、370,000円を上値抵抗に360,000円付近で伸び悩む展開になった。また、暗号資産全般が前日の急落に対し戻りが鈍く、市場は急落ショックから抜け切れていない模様。
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