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暗号資産全般は早朝のフラッシュクラッシュを受け軟調、リップルは米国時間終盤に急伸 ビットコイン・デイリーレポート2024.12.11(2024. 12.10)

株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ

市況概況(ビットコイン)
 10日のビットコインは続落。BTCUSDは日本時間早朝にデリバティブロングポジションのストップを巻き込みながら一時94,200ドル付近まで急落した。6日と同様にロングポジションのロスカットが発動したと見られ、CoinGlassによるとこの1時間でビットコイン先物ロングポジションは4875万ドルの清算が発生した。また、暗号資産全体でも一時的な急落が確認されており、全体としてこの時間の先物ロングポジションは6億3247万1000ドルの清算が発生した。意図的な仕掛けとしての動きによるものかは不明だが、断続的な利益確定の売りが取引の薄い時間帯に入ることによって売り買いのバランスが崩れた可能性もある。また、暗号資産のマイニングを国家事業として推進しているブータン政府が2日ほど前から未知のアドレスやシンガポールに拠点を置くQCP Capitalにビットコインを送金していることも上値を抑える要因となっている。オンチェーンインテリジェンスプロバイダーであるアーカム・インテリジェンス(Arkham)によると、ブータン政府は9日複数の未知のアドレスとQCP Capitalに計519BTCを送金した。
 その後は急速に買い戻され98,000ドル台を回復したものの、急落のショックが残るなか外国為替市場でドル高が進んだことが圧迫要因となり、上値の重い展開が続いた。一方で日本時間午後に出揃った9日の米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)のトータルキャッシュフローはプラス4億7905万ドルとなり、8営業日連続で流入したことが引き続き下支え要因となった。
 ただ、米国時間帯中盤に入ると日本時間早朝に付けた安値こそ割り込まなかったものの94,400ドル付近まで再び下落した。この時間帯にドルが上昇したことや急落後の上値の重さが嫌気され売りが先行する展開となった。終盤は安値を買い戻され下落幅を縮小したが、97,000ドル台を回復するに留まっている。
 この日は特に目立った新たなネガティブな材料は見られなかったが、米金融通信大手ブルームバーグが社説にて「ビットコインの準備資産化、史上最大の詐欺となる恐れ」と題して一部で期待されている米国の暗号資産備蓄について否定的な見解を掲載した。
 一方、企業関連では東証に上場するリミックスポイントが新たにビットコインを追加購入したと発表した。リミックスポイントが9日に公表した開示資料によると、同社は12月5日及び6日に新たにビットコインを13.244BTCを購入した。同社の保有するビットコインは計282.872BTCとなった。尚、Bitcoin Treasureによると、同社の企業としてのビットコインの保有量は世界で31番目となっている。

※9日のUSスポットビットコインETFのトータルキャッシュフローはプラス4億7905万ドル。8営業日連続での流入。
※日本時間12月11日午前6:00現在のドミナンスは56.848%。

 10日のBTCJPYは日本時間早朝に1430万円付近まで急落して始まった。その後は1485万円付近まで戻したものの、米国時間帯序盤まで上値の重い展開が続いた。米国時間帯中盤には再び1435万円付近まで下落した。終盤は買い戻され1470万円付近まで戻し、下落幅を縮小したが前日比でプラス圏には届かなかった。足元では高値圏を維持しているものの、調整局面を迎えており、強材料の出尽くし感から下振れリスクが警戒される展開となっている模様。

市況概況(イーサリアム)
 10日のETHUSDは続落。日本時間早朝に暗号資産全般の急落に巻き込まれデリバティブ系のロングポジションの清算が急増し一時3465ドル付近まで下落した。CoinGlassによるとこの1時間でイーサリアム先物ロングポジションは9064万ドルの清算が発生した。週末に続いて取引の薄い時間帯にフラッシュクラッシュが発生した。その後は3780ドル付近まで戻したものの、不安定な相場環境が嫌気され上値の重い展開が続いた。一方で日本時間午後に出揃った9日の米国のスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1億4979万ドルとなり、流入は11営業日連続と最長を更新した。
 ただ、米国時間帯に入ると再び売りが優勢となり、早朝に付けた安値こそ割り込まなかったものの、3520ドル付近まで下落した。終盤は安値を買い戻され下落幅を縮小したが、3645ドル付近まででプラス圏には届かなかった。

※9日のUSスポットイーサリアムETFのトータルキャッシュフローはプラス1億4979万ドル。流入は11営業日連続となり、最長を更新した。
※日本時間12月11日午前6:00現在現在のドミナンスは13.106%。

 10日のETHJPYは続落。ETHUSDに連動して日本時間早朝には一時534,450円付近まで急落した。その後は安値を買い戻され570,000円台を回復する場面も見られたが、上値の重い展開が続いた。米国時間帯には再び軟化し535,150円まで下落した。終盤は買い戻され下落幅を縮小したものの、戻りは限定された。

市況概況(リップル)
 10日のXRPUSDは米国時間帯終盤になって反発した。日本時間10日早朝には暗号資産全般が一時的に急落するなか2.055ドル付近まで下落した。ただ、直後には2.2200ドル付近まで戻しており、一時的なロングポジションのロスカットを誘発するような動きがあったと見られる。尚、CoinGlassによるとこの1時間でリップル先物ロングポジションは2479万ドルの清算が発生した。その後は2.2000ドル台で上値の重い展開が続いていたが、米国時間帯に入ると暗号資産全般の下落を受けて再び軟化し、日本時間早朝に付けた安値を割り込み1.9000ドル付近まで下落した。ただ、リップル社のCEO(経営最高責任者)ブラッド・ガーリングハウス氏がXに「同社のRLUSDステーブルコインはニューヨーク州金融サービス局から最終承認を得た」と投稿したことを受け反発すると2.3000ドル台を回復した。現在は上昇持続を試す展開となっている。
尚、先週にはリップル社のCTO(技術最高責任者)ビッド・シュワルツ氏は、プラハで開催されたTHE Blockのエマージェンス・カンファレンスで講演し、「RLUSDが年末までにローンチできることを望んでいる」と述べていた 。また、同社は4月にステーブルコインの発行を計画していると発表しており、そのトークンは当初LedgerとEthereumで利用可能となる予定。

※日本時間12月11日午前6:00現在のドミナンスは4.046%。

 10日のXRPJPYは日本時間早朝と米国時間帯中盤に大きく下落したものの、終盤になって上昇し350円台を回復した。現在はXPRUSDに連動して上昇持続を試す展開となっている。

(当レポートのBTC、ETHなど1時間足のチャートは全て日本時間で表記しています)

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