ビットコイン・デイリーレポート2024.9.6(2024. 9.5)
リスク回避先行、米雇用統計控え、下振れリスクが警戒される
株式会社B.C.Aマネージメント
市場調査室
暗号資産グループ
市況概況(ビットコイン)
5日のビットコインは下落。BTCUSDは前日終盤の安値修正の動きが一巡し、アジア時間帯序盤から軟調に推移した。日本時間午後に出揃った米国のスポットビットコイン上場投資信託(ETF)の4日のトータルキャッシュフローがマイナス3728万ドルとなり、6営業日連続の流出となったことや株式市場の下落を背景としたリスクオフトレードが先行するなか徐々に下落幅を拡大する展開になった。米国時間帯には金曜日の米雇用統計の発表を前に民間調査会社の雇用統計や失業保険申請件数が発表されたがまちまちの結果となり、多少上下に振れたものの、リスクオフトレードの流れは変わらず、終盤には一時55,670ドル付近まで下落した。米雇用統計や利下げが確実視される米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、金融市場全般が非常に神経質な動きとなっており、引き続き不安定な状況が続くと見られる。
この日、米ADPリサーチ・インスティテュートが発表した8月の全米雇用報告によると、民間部門雇用者数は前月比9万9000人増となり、前月の11万1000人増(改定値)から伸びが鈍化したほか、市場予想の14万5000人増を大幅に下回った。民間の雇用者数は1億3244万2000人となり、前月は1億3234万3000人だった。
一方、米労働省が発表した8月31日までの1週間の新規失業保険申請件数は季節調整済みで22万7000件となり、前週から5000件減少し、市場予想の23万件を大きく下回った。4週平均も前週の23万1750件から23万件へと減少した。
また、米供給管理協会(ISM)が発表した8月の非製造業景況感指数は51.5となり、前月の51.4とほぼ同水準だったものの、市場予想の51.1を上回った。
シカゴマーカンタイル取引所(CME)が30日物フェデラル・ファンド(FF)金利先物から米連邦公開市場委員会(FOMC)での金利見通しを算出するFedWatch ツールでは大幅な変動はなかったものの、9月会合での50bpの利下げ確率は日本時間6日早朝の時点で前日の44%から41%へ低下し、25bpの利下げ確率は前日の56%から59%へ上昇した。
5日のBTCJPYは続落。リスクオフトレードが先行するなかBTCUSDの下落を受け終始軟調に推移した。米国時間帯終盤には節目の800万円割れを試すなど、下振れリスクが警戒される展開となっている。この日の外国為替市場は円高進行が一服し、ドル円は143~144円付近で方向感を探る展開となったものの、FOMCを控え日米金利差縮小を背景とした円高による下振れリスクへの警戒感が強い模様。
市況概況(イーサリアム)
5日のイーサリアムは反落。ETHUSDはアジア時間帯から軟調に推移した。米国経済の減速懸念やFOMCを控えリスクオフトレードが先行するなか、ETFの低迷などイーサリアム独自の需給環境の弱さが意識され、米国時間帯には2355ドル付近まで下落した。終盤は下げ止まったものの戻りが鈍く、引き続き下振れが警戒される展開となっている。尚、日本時間午後に出揃った米国のスポットイーサリアムETFの4日のトータルキャッシュフローは3750万ドル。
5日のETHJPYは続落。アジア時間帯からETHUSD の下落に連動し終始軟調に推移した。米国時間帯終盤には337,100円付近まで下落し、現在も同水準で取引されている。この日のドル円は143円台で円高が一服したものの、143円割れを試す展開が続いており、円高再開による下振れリスクが警戒される環境が続いている。
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